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「養育費を受け取るのが当たり前」の社会を目指し、子連れ離婚に寄り添う

子連れ離婚の不安に寄り添い、子どもの権利を長期的に守る弁護士

佐々木裕介

佐々木裕介 ささきゆうすけ
佐々木裕介 ささきゆうすけ

#chapter1

「離婚公正証書」の無料作成プランを用意し、養育費の回収は着手金無料の完全成功報酬制

 「チャイルドサポート」とは、日本語で「養育費」のことです。子どもの生活や教育を守るための子どもの権利です。子どもの権利を守ため、同居親は別居親に養育費を請求できます。「チャイルドサポート法律事務所・行政書士事務所」代表の佐々木裕介さんは、「失敗しない子連れ離婚」を掲げ、弁護士として離婚や養育費の相談に年間200件超応じています。

 養育費の支払いを受けている母子世帯の割合は、約28%にとどまります(厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」)。
 「養育費請求には、金額合意が必要です。話し合いや、裁判所の調停などを利用して取り決めている夫婦は一定数いますが、注目すべきは、そもそもちゃんとした形で養育費等の子どもの権利を取り決めずに子連れ離婚する夫婦が過半数に上ること。その理由に、〝相手と関わりたくない〟〝相手に支払う意思がない〟などを挙げています」

 受給率の低さは、母子世帯の貧困の一因になっていると言います。
 「前述の調査では養育費受給額の平均値は月額5万円(一世帯あたり)、離婚時の末子の平均年齢4〜5歳で考えると、20歳までの養育費総額は約1000万円になります。子どもの教育費(幼稚園から大学まで全て公立校)だけでも約1000万円はかかると言われているので、本来は子どもが受け取るべき教育費を元夫婦間の葛藤が原因で放棄してしまっていることになります」

 子連れ離婚の8割を占める「協議離婚」の正しいステップとして、行政書士及び養育費保証会社と連携した「離婚公正証書」の無料作成プランを用意しています。
 「子連れ離婚では、離婚後も親子の関わりが続くので、時間とお金がかかり精神的負担も大きい調停離婚より、可能な限り夫婦での話し合いで離婚する協議離婚を勧めています。協議離婚の場合、単に離婚届を出すのではなく、養育費や面会交流などの条件を、法的効力のある公正証書という書面にすることを勧めています。当事務所では、養育費保証の利用とセットにすることで、公正証書の作成サポート費用を無料にしています」

#chapter2

養育費回収の負担をなくし、不払いにも対応する保証サービスで、ワンストップサポート

 佐々木さんは、事務所とは別に、養育費保証会社「チャイルドサポート」を立ち上げ、養育費請求から回収まで一貫した支援を行っています。
 「養育費回収で大きなネックとなるのが、子どもが自立するまで10年、20年と続く支払いの継続率です。実際、子どもが成人する前に、相手の気が変わって支払いがストップ・減額されるケースは7割とも言われており、精神的な負担や弁護士を雇うなどの金銭的な不安も大きいでしょう。離婚をする時に保証サービスに加入することにより、養育費を回収するストレスから解放され、安心して20年間分の養育費回収の見込みが立ちます」

 「また、養育費の支払いは、保証会社の口座を経由するので、元夫婦間で相手と直接コミュニケーションする必要がありません。保証手数料の支払いも成功報酬型で、回収できた養育費から差し引く形ですし、お住まいの自治体によっては、養育費保証支援として初回保証料(5万円)の全額を助成する制度も利用できます」

 すでに離婚した後の人も活用してほしいと呼び掛けます。 
 「養育費はきちんと請求すれば、その時点から100%もらえる権利です。弁護士だからこそ実現できるサービスとして広めたいですね」

佐々木裕介 ささきゆうすけ

#chapter3

NGOやフィンテック企業など多様な経験から、〝養育費の形〟を変える法的サービスを届けたい

 アメリカの大学で政治学を学んでいた佐々木さん。卒業後、フィリピン人のエンターテイナーとして来日して母親となった女性を支援するNGO団体で、日本人男性との間に生まれた子どもの認知や養育費請求のサポートに携わったことが、弁護士になるきっかけに。帰国後、ロースクールを経て、法律事務所でM&A案件を数多く担当。その後、BNPL(後払い決済)サービスを手掛けるフィンテック企業で、法務部長を務めました。

 「NGO活動を原点に、フィンテック分野での経験から、弁護士のサービスを利用するハードルを下げる仕組みをつくり、社会課題を解決したいと考えました。問題の一つに、相対的貧困率が高い母子家庭の7割超が養育費の支払いを受けておらず、支払い義務がある父親に対して、何の手立ても打てない現状があります。〝国民皆保険〟のように、困窮するシングルマザーにリーガルサービスをゼロコストで届け、養育費の形を変えたいとのミッションで事業を立ち上げました」

 2023年のサービス開始以来、利用者から、「ここまでたどり着けたのは、支えてもらったおかげ」と感謝の声が多く寄せられています。
 「『パートナーとはもう関わりたくないので、養育費はいらない』との声をよく聞きますが、養育費は子どもの権利です。子どもが衣食住や教育を満足に得るための権利ですので、まずは困っていることをお聞かせください。どんな状況からでも一歩は踏み出せます」

(取材年月:2024年2月)

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佐々木裕介

子連れ離婚の不安に寄り添い、子どもの権利を長期的に守る弁護士

佐々木裕介プロ

弁護士

チャイルドサポート法律事務所・行政書士事務所

「失敗しない子連れ離婚」をテーマに、主に子連れ離婚・養育費の支払不安を解消して離婚を解決に導きます。弁護士、行政書士、養育費保証会社が連携して「離婚公正証書」作成サポートを着手金無料でご提供。

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