【コラム第6回】結果よりも“過程”を大切にする理由
新年度が、始まった。
子どもに何を渡せているだろう。
そんなことを日々自問自答を繰り返しながら指導に当たっています。
そんな私が新年度の指導に向けて振り返る意味での内容となります。
"やる気のある子"は、最初からいない
「うちの子、やる気がなくて…」
保護者の方からよくいただく言葉です。
でも、私が10年以上指導してきて確信していることがあります。
やる気は、「ある・ない」ではなく、
「引き出されるか、埋もれるか」だということ。
初めてUACAに来た子が、最初から全力で取り組み、走れることはほとんどありません。
緊張して、周りをうかがって、失敗を恐れて。
そういう子ほど、環境に慣れ自我が出た瞬間に別人のように走り出します。
あの瞬間を、私は何度も目撃してきました。
あとは走りにおける技術の部分の指導、改善点を教えるだけです。
挑戦できる環境には、3つの条件がある
子どもが「やってみよう」と思えるのは、安心感があるときだけです。
私が大切にしているのは、この3つです。
・比べない ── 他の子ではなく、昨日の自分と比べる
・失敗を責めない ── 転ぶことより、立ち上がることを評価する
・小さな成功を見逃さない ── タイムより先に、表情と姿勢をほめる
技術よりも先に、この「空気」をつくることが指導者の仕事だと思っています。
そしてそれは、家庭でも同じです。
親の一言が、子どもの限界を決める
「どうせ無理でしょ」
「あなたには向いてない」
悪意はなくても、こういう言葉は子どもの中に深く刺さります。
逆に、
「できる、やってみよう!」
「大丈夫、失敗してもいいよ!」
この一言が、子どもの背中を押します。
指導現場で感じるのは、伸びる子の後ろには必ず、
挑戦を肯定してくれる大人がいるということです。
環境は、お金では買えません。
でも、言葉は今すぐ変えられます。
新年度だからこそ、問い直したいこと
新しいクラスが始まり、習い事を考える季節です。
「何をやらせるか」と同じくらい、
「どんな環境で育てるか」を考えてほしい。
陸上競技は、結果が数字で出るスポーツです。
だからこそ、「記録」より「挑戦した事実」を讃えられる場所でやることが重要です。
UACAでは、タイムの速い子も、初めて走る子も、同じコートに立ちます。
順位より先に、「もう一回やってみよう」と思えるかどうかを大切にしています。
最後に
子どもは、環境の産物です。
良くも悪くも、周りの大人がつくる空気の中で育ちます。
新年度というのは、その環境を見直す最高のタイミングです。
あなたの周りに、子どもが「やってみたい」と言える空気はありますか?
そう問いかけながら、私も今年度の指導をスタートします。
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次回の投稿は2026年4月12日(日)、
投稿内容は、「速さより大切なものを、陸上は教えてくれる。」
です。お楽しみに。



