【コラム第6回】結果よりも“過程”を大切にする理由
挑戦は、年齢に縛られない。
そう言い切れるのは、私自身が“挑戦をやめなかった大人”だからです。
私は高校時代、100mで11秒07。追い風参考(+2.2)で10秒98。
そこから消防士として働き、結婚し、2児の父となり、指導者としてクラブを立ち上げ──
気づけば本格的に競技を離れて8年が経っていました。
「もう速く走れないだろう」
「家庭も仕事もあるし、挑戦なんて無理だ」
そう思い込んでいたのは、ほかでもない“自分”でした。
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再び走り出した日。34歳の挑戦
2023年、消防士を退職し、陸上指導一本に絞った。
そして2024年、私はもう一度100mに向き合う決意をしました。
なぜか?
“教えるだけの指導者”で終わりたくなかったから。
そして、子どもたちにこう伝えたかったからです。
「大人も、何度でも挑戦していいんだよ。」
34歳で再始動した練習は、体が思うように動かず、毎日が悔しさの連続でした。
でも、少しずつ感覚が戻ってきたとき、心が震えるほど嬉しかった。
挑戦とは、結果ではなく“もう一度走ろうと思えた自分”に出会う行為だと気付いたのです。
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年齢よりも大切なのは、「今の自分を信じる力」
パーソナル指導でも、クラブでも、多くの選手を見てきました。
伸びる子は必ず共通点をもっています。
それは、
「自分は変われる」と信じていること。
これは年齢に関係ありません。
小学1年生でも、中学生でも、大人でも、同じです。
年齢はただの数字。
自分を止めるのは“思い込み”です。
挑戦がもたらすものは、結果だけじゃない
挑戦がもたらすものは、結果だけじゃない
挑戦の価値は記録更新ではありません。
・自分の限界を超える感覚
・昨日の自分を少し上回れる喜び
・努力が積み重なる手応え
・挫折しても立ち上がろうとする心
・挑戦する姿勢が周囲に伝わる影響力
これらすべてが、挑戦の“本当の報酬”です。
挑戦する大人を見て、子どもたちも変わります。
「コーチも頑張ってるなら、私もやってみよう。」
そう言ってくれた選手がいました。
人の挑戦は、人を動かします。
子どもは大人の“背中”を見ている
私は指導者として、いつもこう思っています。
挑戦する大人がいれば、挑戦する子どもが育つ。
技術よりも前に、環境よりも前に、
「挑戦を肯定する空気」をつくるのが大人の役目だと感じています。
だから私は、34歳でも、35歳でも、
100mで10秒台を目指し続けます。
背中で語ることが、何よりの教育になるからです。
最後に
挑戦は、年齢や立場に左右されるものではありません。
人生のどの段階にも、必ず“もう一度立ち上がるチャンス”がある。
自己ベストが10秒台の選手が改めて10秒台を目指すチャレンジではなく、
私は全盛期の自分を越えようと努力しています。
人は何歳からでも挑戦できる。
その言葉を証明するために、私は走り続けます。
そして、挑戦するすべての人を、これからも支えていきたいと思います。
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次回の投稿は2025年12月14日(日)、
投稿内容は、「子どもの可能性は“大人の言葉”で決まる」
です。
お楽しみに。



