【コラム第6回】結果よりも“過程”を大切にする理由
UACAは、ただ走るだけのクラブではありません。
速くなることだけが目標でもありません。
私が一番大切にしたいのは、
「子どもも、指導者も、保護者も“学び合う場”になること。」
単に教える・指導するだけでは成長は生まれません。
お互いに気づきを与え合い、支え合い、学び合うことで
初めて“本当の成長”が育っていくと感じています。
子ども同士が学び合う瞬間がある
UACAの練習では、自然と“子ども同士の学び”が生まれます。
月に1回程度、UACAに所属する小学生〜社会人選手一同に集まる練習会を開催しています。
そこで小学生の子がスタートでうまく構えられずに困っていました。
すると中学生の選手がそっと近づき、
「こう構えるとスタートが出やすいよ」と自分の姿勢を見せてあげました。
教わった小学生はすぐに変化が出て、嬉しそうに何度も繰り返していました。
時に指導者が言うより、仲間からの言葉が届くことがある。
この“学び合い”の空気は、クラブという場ならではの財産です。
指導者も、子どもたちから学んでいる
指導者である私も、子どもたちから多くを学んでいます。
・どんな声かけが響くのか
・どんな時に集中が切れるのか
・どんな環境だと意欲が高まるのか
毎回、練習を見ながら
「こういう言い方は伝わるんだな」
「この年齢はこういう悩みを抱えているんだな」
と教えられることばかりです。
特に、素直に悔しがったり、何度も挑戦し続ける姿を見ると
「あぁ、子どもに負けていられないな」と背筋を伸ばされます。
指導は一方通行ではない。
子どもがいて、初めて指導者の成長がある。
それをUACAで日々感じています。
保護者の存在も“学びの循環”をつくる
保護者の方々も、UACAの大切な学びの仲間です。
練習後に交わす会話や、いただくメッセージの中には
子どもの成長をとらえる“視点”がたくさん詰まっています。
「最近は負けてもすぐ立ち直るようになりました」
「家で自分からストレッチをするようになりました」
「前より表情が明るくなりました」
保護者が感じた変化を共有していただくことで、
私たち指導者も次の指導のヒントを得ることができます。
クラブ・家庭・子ども、
この三者の循環があるからこそ、
UACAは“育つ場”として成り立っています。
外部講師との出会いが、学び合いを加速させる
外部講師を招いた講習会も、UACAの大切な学びの機会です。
普段とは違う視点や言葉に触れることで、
子どもたちの表情が一気に変わり、
「こんな考え方があるんだ」と新しい扉が開く瞬間があります。
そしてその学びをクラブ内で共有すると、
「教えてみたい」「やってみたい」という空気が広がり、
学び合いの循環が加速していきます。
外部講師は“特別な刺激”ではありますが、
その刺激を継続的な学びに変えるのは、
**クラブ全体の“吸収力”と“共有の文化”**なのです。
最後に — UACAがつくりたい未来
UACAが目指すのは、
強い選手を育てるクラブではなく、
「学び合いが自然と生まれるクラブ」。
技術を学ぶだけでなく、
・教える喜び
・教わる素直さ
・挑戦する勇気
・仲間と成長する楽しさ
そんな“人としての力”を育てる場でありたいと思っています。
走ることを通して、
互いに学び、互いに支え合い、互いに伸びていく。
その文化こそが、UACAの核であり、これからも大切にしていきたい未来です。
次回更新日は2025年12月7日(日)。
更新テーマは「「人は何歳からでも挑戦できる」です。
お楽しみに。



