【コラム第6回】結果よりも“過程”を大切にする理由
パーソナル指導は、クラブとは違い
“その子だけの時間”を一緒に過ごします。
その中で私は、走りの技術以上に、
子どもたちの心の動きや、成長の瞬間
を強く感じています。
1対1だからこそ見えてくるものがあり、
その瞬間を共有できることに、
指導者としての大きな価値を感じています。
パーソナル指導の様子
「自分と向き合う時間」の強さ
パーソナル指導に来てくれる子には共通点があります。
それは、“もっと強くなりたい”と思っていること。
技術の課題を言葉にできない子もいます。
でも、走り出す姿や、失敗しても立ち上がる姿を見れば、
その本気度は一瞬で伝わってきます。
ある選手は、最初は恥ずかしさからか
目を合わせることすら難しかった。
それが、時間を重ねるごとに
「今日はここが良くなかったから改善したい!」
「次、こうしてみたい!」
と、自分の感覚を言葉にできるようになった。
成長は、技術よりも“自分と向き合えるようになること”から始まる。
私はその姿に、毎回心を動かされます。
技術より大切なのは“気づき”
パーソナルではたくさんのドリルや走りのチェックをしますが、
最も意味があるのは、
「あ、わかった!」という子どもの気づきの瞬間です。
スタートで前傾をつくれず前に倒れてしまう子。
ピッチを上げたいのに接地が遅れてしまう子。
踏切の位置がわからない跳躍の子。
技術を教えるだけなら簡単です。
でも、子どもが“理解して”変わる瞬間は、
教えただけでは絶対に生まれません。
自分で感じて、考えて、やってみる。
それができた瞬間、走りは驚くほど変わります。
指導者の仕事は、
「気づけるところまで一緒に並走すること」だと感じています。
■ パーソナルだから見える“本音”
普段のコースでの練習では言えない悩みを
ふとした瞬間に話してくれることがあります。
「本番が怖い」
「みんなと比べちゃう」
「練習でうまくいかないと泣きたい」
そんな弱さを見せてくれるのは、
信頼してくれている証でもあります。
かくいう私もつい本音を選手にぶつけます。
「正直、現段階で良いところはない・・」
けど、そう言ったからにはその選手が納得・どうすれば向上できるか資料作りを行いました。
そこで気付いたことは、指導というのは走りの指導だけでなく、
心の部分に寄り添えるのがパーソナルの良さだと思っています。
保護者との“二人三脚”が、成長を倍にする
パーソナル指導のあと、
保護者の方からいただくメッセージに
何度励まされたかわかりません。
「今日の帰り道、ずっと嬉しそうでした」
「練習に向かう姿勢が変わりました」
「できないことを悔しがるようになりました」
走りだけではなく、
家での様子が変わるのは、
その子の“内側の成長”が動き出している証拠です。
UACAのパーソナルは、
選手と、指導者と、保護者の
三者が同じ方向を向いたときに最大の力を発揮するのだと信じております。
これからもっと内容を良くしていきますがそうしたフィードバックがなにより嬉しく感じます。
最後に — パーソナル指導は「未来」への投資
パーソナルはただ単に“結果を出す場所”ではありません。
それはその子の未来をつくるための、
純度の高い成長の時間を共に作り上げることです。
・技術の理解
・心の変化
・自分と向き合う強さ
・挑戦する姿勢
・続ける力
これらはすべて、
短い時間の中にしっかりと積み上がっていきます。
走りが速くなるのは、その先にある“ご褒美”みたいなもの。
大切なのは、
「その子自身が成長を楽しめるようになること」。
私はこれからも、
目の前の一人ひとりと真剣に向き合い、
パーソナルという特別な時間を大切にしていきたいと思います。
次回(11月30日(日))の投稿テーマは、
「“学び合う場”としてのUACA」
です。お楽しみに。



