【コラム第6回】結果よりも“過程”を大切にする理由
「どうせやるなら結果を出したい」
それはもちろん大切なことです。
でも、クラブでの日々を見ていると、記録や順位だけでは測れない成長の価値がたくさんあると感じます。
練習の先にあるもの
クラブでの練習は、単に走力を上げるための時間ではありません。
そこには、「話を聞く姿勢」「仲間との協力」「感謝を伝えること」など、社会で生きていくうえで必要な力が詰まっています。
たとえば、小学生のコースでは、練習の終わりにみんなで「ありがとうございました」と挨拶をします。
最初は照れくさそうに言っていた子たちも、次第に目を見てしっかり言えるようになっていく。
この変化こそ、数字には表れない“成長の証”です。
記録だけを追うと、見失うものがある
中学生や高校生になると、どうしても「結果」が気になる時期です。
大会での順位、周囲との比較──私も現役の頃はそればかりを見ていた時期がありました。
けれど、指導者になってわかったのは、記録を追いすぎると「走る楽しさ」を失ってしまうことがあるということ。
結果を出すためには、楽しむ気持ち・挑戦する姿勢・自分を信じる心が欠かせません。
それを忘れずに育てることが、クラブの大切な役割だと思っています。
仲間と関わることで育つ力
クラブには、学校も学年も違う子どもたちが集まります。
そこでは自然と「教え合う文化」「支え合う雰囲気」が生まれます。
たとえば、ある中学生の選手が、小学生のスタート練習を見て「1歩目ついたときバランスが崩れているね」と声をかけてくれたことがありました。
その一言で小学生が嬉しそうに笑い、そこから練習への姿勢が変わりました。
人は誰かに認められることで成長します。
UACAは、“競う場”であると同時に、“認め合う場”でもあると感じています。
保護者との連携で生まれる“安心の環境”
クラブの魅力は、子どもたちだけでなく保護者の存在にもあります。
練習後に「最近、家でこんなこと言うようになったんです」と話してくださる方が多く、
家庭での変化を共有できることが、私たちにとって何よりの励みです。
「今日は悔しそうだったけど、次は頑張るって言ってました」
そんな言葉を聞くと、クラブの活動が家庭にも良い循環を生んでいると感じます。
スポーツの指導は、家庭や地域との“共同育成”。
その一体感が、クラブの空気を温かくしています。
UACAという“居場所”
クラブに通う意味を一言で表すなら、
それは「自分を見つける場所」だと思います。
速さで評価されることもあれば、仲間を支えることで評価されることもある。
走ることを通じて、「自分にはこんな強みがある」と気づける。
UACAは、そんな“自己発見の場”でありたいと思っています。
記録はいつか更新できなくなる日が来ます。
でも、クラブで学んだ姿勢や考え方は、一生ものの財産になります。
最後に
クラブに通う意味は、「走ること」だけに留まりません。
努力すること、仲間を思いやること、諦めない気持ちを持つこと。
そうした日々の積み重ねが、子どもたちの人生を豊かにしていきます。
記録は通過点。
その先にある“人としての成長”こそが、本当の価値だと私は思います。
次回10月26日(日)は「挑戦を楽しむ環境づくり」をテーマにお届けします。
どうぞお楽しみに。
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