井の中の蛙 大海を知らず
【数学】
次は、数学です。
秋田県の数学は、大幅な変更からの3年目です。
図形中心から計算力・着眼重視の多角的問題へと変わり、
今年は、「馬力」を一層必要とする問題が復活。
昔ながらの特徴と新しさの融合がみてとれます。
(1)「計算力と着眼に、何を加えたらいい?」
数学の入試問題、すべての問いを解き切りました。
生徒たちの感触からすると、やや難しく感じたかもしれません。
その理由は、いくつかあります。
a 迅速かつ正確な計算力を必要とする
大問1であれば⑷,⑻,⑼と⒂の4問は根気強く計算する必要が
ある問題といえるかもしれません。このほか難易度の高い問題は
計算力を必要とするものが多く、手早く処理をしないと、全てを
解き切ることはできないかもしれませn。
b 着眼を身につけておく
大問1であれば⑽,⑾,⑿は難易度に関係なく、解いていくため
の方針を立て、書き出したり、線を書き加えたりしなくてはいけ
ません。これは、解きなれておくことはもちろんですが、答えか
ら逆算して、途中の何を求められると解けるのかを設定しておけ
ば良いでしょう。
c 馬力(精神力)が必要である
大問1の⑽,⒂,大問3の⑶,大問4の⑴,大問5の⑵・⑶は
自分で対象となるものを列挙したり、計算をどんどん進めて
いったりすることで正答を導けるタイプのものです。
比較的難易度の高い問題に多かったように思うので、これは
作成者による何らかのメッセージかもしれませんね。
あきらめずに解を求める「馬力(精神力)」も試されています。
(2)「『どこかで見たことがある』定番問題に『見せかける』術」
大問2⑵,⑷と大問4⑴などは、他県の入試問題を解いている人たちに
とっては「定番問題」といえます。しかし、よく解いてみると
「あれっ、これはちょっと…」と思うのです。
他県の入試問題や秋田県で過去に出題された問題、市販の問題集
などで見慣れた問題だと思って、その感覚で解こうとすると
必ずどこかに「?」がついてしまいます。
・普段は別の問題で使われるフレーズを用いる
・「求める定番ではない」ものを求める
・最後の最後に、満を持して「約分」の登場
これらが1つまたは複数入ることで、いつものペースを
乱されてしまった生徒は、少なからずいると思います。
意外に、マニアックな入試対策問題集のほうが
入試問題に近いのかな、とも思いたくなります。
上位層にとって易しい問題は、
発想(糸口)が見えてこないこと、
答えへの道筋がうまく辿れないこと によって
普段なら容易く解けるものでも、
易しさが感じられない問題に
見えてしまうのです。
そういった当日のイレギュラーな事態は、
事前に想定しておかねばなりません。
昨年と同じように、
イレギュラーを寄せ付けない質の高い準備は、
おそらく中3よりもずっと前から
始めなくてはならないと痛感しました。



