井の中の蛙 大海を知らず
これまで長く指導してきましたが、
学問を志す者に対しては、次の5つのことを述べてきました。
1.知識は「シャワー」のごとく、存分に浴びること
2.知識のすべてを理解しなくても構わないので、浴びること
3.学び始めるときには「楽しさ」などを一切求めないこと
4.できるだけ自力で解を求めるようにすること
5.自力で解決が困難なときに、その困難な状態を正しく指導者に伝えること
どの知識が自分にとって役立つのかはわかりません。
だからこそ、知識はしっかり取得したら
いつでも取り出せるようにしておきましょう。
理解できていないことがあったら
知識のみを書き記しておき、
「理解できていない」旨を
ちゃんと付記していくようにします。
学ぶこと自体は大きな負荷がかかります。
当然楽しみながらできればよいのですが、
目先の楽しさで引きつけたとしても、
わからないことが出てきたらすぐに意欲を
なくします。
そもそも、学問と向き合うときは
「無心」が最も望ましいと思います。
そして、学び進めていく中で
自分から「これを学びたい」と思ったときに
はじめて感情が動くものだと思います。
それまでは、「無心」に取り組むほうが
良くも悪くも継続して勉強しているという
経験則が成立しています。
そして何より、教えすぎないことです。
教育の手法や考え方が変わってきているなかで
「教えすぎないこと」の大切さを
これほどまでに痛感させられたときはありません。
「覚えたはずのことが、再現できない」
それは頭でわかっていても、
実際に行動に移せないのです。
教えすぎると、頭と身体とが
連動しなくなってしまい、勉強に対しての
不要な苛立ちを生んでしまいます。
適度な苛立ちは必要です。
しかし、過度な苛立ちは勉強離れを生みます。
自分ができたこと、自分が困っていることを
ちゃんと指導者に伝えられるかどうか、
この点が、学力の伸びを左右すると思います。



