もしも!お口のケガ百科④「お口のケガの後遺症」
こんにちわ。名古屋市港区のオリーブ歯科こども歯科クリニックです。
診療の現場では、
「すぐ怒る」「じっとしていられない」「歯みがきになると逃げる」「夜なかなか寝ない」
といった相談を日常的に受けます。
こうした行動は、つい性格や育て方の問題として考えられがちです。
しかし実際にご家庭の状況を詳しく聞いていくと、多くの場合に共通しているのは、生活の流れが日によって大きく変わっているという点です。
幼児期の生活ルーチンとは、起きる時間、食事、入浴、歯みがき、就寝までの流れが、
毎日ほぼ同じ順序で進む状態を指します。
これは「きちんとした生活」を求めるためのものではなく、
発達途中にあるお子さんの脳を助けるための環境条件です。
心理学の分野では、家庭内の生活パターンが安定しているお子さんほど、
情緒が安定しやすく、不安や問題行動が起こりにくいことが報告されています。
特に、食事や就寝前の流れが一定している家庭では、
自分の行動を調整する力が育ちやすいとされています。
重要なのは、親が厳しいかどうかではなく、
お子さんにとって一日が予測できる構造になっているかどうかです。
睡眠についても同様です。
寝る前に毎日同じ流れを持つお子さんは、布団に入ってから眠りにつくまでの時間が短く、
夜中に目を覚ましにくい傾向があります。
家庭環境や社会的条件の違いを考慮しても、この傾向が保たれることから、
ルーチン自体が睡眠の質に影響していると考えられています。
幼児の前頭前野はまだ発達途中で、自分で気持ちや行動を切り替える力は十分ではありません。
そのため、「もう寝る時間だよ」「歯みがきしよう」と言葉で指示するよりも、
毎日同じ流れの中で自然に行動が切り替わる方が、子どもにとっても親にとっても負担が少なくなります。
ルーチンは、子どもを縛るルールではなく、迷わず行動するための“道しるべ”です。
生活の流れが定まっていない家庭では、就寝時間や食事時間が日ごとにずれやすく、
その結果として睡眠の乱れや情緒の不安定さ、集中力の低下が起こりやすいことも知られています。
これは愛情の量の問題ではなく、生活構造の問題です。
歯科の視点から見ても、生活ルーチンは非常に重要です。
歯みがきをその場の気分で行う習慣にしてしまうと、親子ともにストレスが蓄積します。
一方で、入浴後に歯みがきをすることが毎日の流れに組み込まれているお子さんは、抵抗が少なく、口腔ケアが自然に定着します。
口腔機能の発達、睡眠、姿勢、呼吸はすべて生活リズムと密接に関係しており、その基盤となるのがルーチンです。
新しい一年は、生活を見直す良い機会です。
完璧なスケジュールを作る必要はありません。
起床時間、寝る前の流れ、歯みがきを行うタイミング。
この三点をできるだけ毎日同じにするだけでも、お子さんの行動や情緒は少しずつ変わっていきます。
私たちは、歯の治療だけを目的とした歯科医療ではなく、お子さんの人生の質を支える土台づくりを大切にしています。
お子さんを変えようとする前に、まず環境を整える。
その第一歩として、家庭の生活ルーチンを見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
当院の理念は、
【すべては、患者さまのよりよい人生のために。】
本年もどうぞよろしくお願いいたします。



