6歳までの脳の発育における歯科の役割
こんにちは、名古屋市港区のオリーブ歯科こども歯科クリニックです。
「赤ちゃんがおっぱいをうまく飲めない」「発音が不明瞭」「歯並びが悪くなってきた」――これらの背景に、実は舌の裏側にあるスジ、すなわち【舌小帯】が関係しているケースがあることをご存じでしょうか。
舌小帯は、舌と口底を結ぶ結合組織で、生まれたばかりの赤ちゃんにも当然あります。本来は成長とともに自然に後方へ移動し、舌の動きを妨げなくなっていくものですが、近年はこの舌小帯が「太く・短く・残存したまま」になっているお子さまが増加傾向にあります。
舌小帯が短いと舌の可動域が狭まり、成長に伴ってさまざまな悪影響を及ぼします。具体的には、以下のような課題が挙げられます。
・哺乳障害(母乳がうまく飲めない、空気を多く飲み込んでしまう)
・発音障害(特にラ行・サ行の構音に影響)
・歯列不正(舌の位置異常による開咬・叢生など)
・口呼吸や睡眠時無呼吸の原因となることも
・咀嚼や嚥下の異常(丸呑みや偏食の傾向)
一昔前は、助産師が出生直後に舌小帯を切除する慣習もありましたが、現在の日本ではあまり行われていません。
当院では、舌小帯の状態を単体で判断するのではなく、「食べる・話す・呼吸する・飲み込む」といった総合的な機能面を評価したうえで、必要があれば切除を行なっております。
また、仮に舌小帯を切除した場合でも、その後のMFT(口腔筋機能療法)や発音訓練を正しく行わなければ、再癒着してしまったり、期待する効果は得られません。術後のトレーニングの質こそが、治療の成功を左右します。
お口の機能が成長する大切な時期だからこそ、早期の発見と適切な対応が、将来の健康と自信に大きくつながると考えています。
「なんとなく飲み込み方が変」「言葉が聞き取りにくい」「歯並びが悪いな」と感じたら、ぜひ一度、舌の裏を見てみてください。
小さな“スジ”が、大きな変化の鍵を握っているかもしれません。



