もしも!お口のケガ百科⑦「小さな子に多い口に入れる事故から命を守るために」

荒川大輔

荒川大輔

テーマ:小児歯科・お子さんの健康全般について

こんにちわ。
名古屋市港区にあります、オリーブ歯科こども歯科クリニックです。

小さな子どもは、なんでも口に入れて確かめようとします。
その自然な行動の中には、とても危ない事故のきっかけが隠れています。
今回は、
①間違って飲み込んでしまう事故と、
②のどに詰まって息ができなくなる事故に分けて、
注意すべきことと正しい対応をお伝えします。

間違って「飲み込んでしまった」場合の注意点
子どもが口に入れたものをそのまま飲み込んでしまうことがあります。
このとき、飲んだものによっては体の中に大きな害を与えることがあるので注意が必要です。

●とくに危ないもの
・ボタン電池(のどやお腹の中で粘膜に穴をあける)
・磁石(体の中でくっついて、腸に穴をあけることも)
・大人の薬や子どもの薬(少しでも中毒になることがある)
・たばこ、たばこの吸いがら、灰皿の水
・洗剤、アルコール消毒液、柔軟剤などの液体
・カプセル型の洗たく洗剤(見た目がきれいでもとても危険)

●飲んでしまったときの対応
・何をどれくらい、いつ飲んだか確認
・無理に吐かせない
・水や牛乳を勝手に飲ませない
・「大丈夫そう」に見えても、すぐに病院へ
・薬や電池を飲んだときはすぐに救急車を呼んでもOK

●困ったときの相談先(24時間対応)
中毒110番(日本中毒情報センター)
大阪:072-727-2499
つくば:029-852-9999

のどに「つまってしまった」場合の注意点
子どもが食べ物や小さなおもちゃをのどにつまらせて、
息ができなくなる事故もとても危険です。
ほんの数分で命に関わることもあるので、正しい対応が必要です。

●のどに詰まりやすいもの
・飴やブドウ、こんにゃくゼリーなど丸い食べ物
・ピーナッツや豆類、枝豆
・おもちゃの部品(レゴ、ビーズ)
・ペットボトルのキャップやボタンなど小さい物

●こんな様子が見られたらすぐに対応を
・息がしづらそう/呼吸の音がおかしい
・咳が止まらない/声が出なくなる
・顔色が白くなる/青くなる
・目を見開いて苦しそう/意識がなくなる

●家でできる対応
※講習などで事前にやり方を覚えておくと安心です

・1歳未満:背中を下から上にトントンと強めにたたく
・1歳以上:お腹(みぞおちの少し上)をグッと押し上げる

・息をしていない、ぐったりしているときはすぐ119番
・そのまま心臓マッサージ(胸骨圧迫)をする準備を

【家庭でできる予防の工夫】
・小さな物は子どもの手の届かない場所に保管
・薬や電池はふた付き、鍵付きの場所へ
・食べ物は小さく切って、座らせて食べさせる
・兄弟姉妹の遊びも年齢差に配慮
・丸くてつるつるした食べ物は2〜3歳までは避けるのが安全

【まとめ】
子どもの「口に入れる行動」は成長に必要なものですが、
事故に変わることもあります。
正しい知識と環境づくりで、大切な命を守りましょう。

1.電池や薬、洗剤などを飲んでしまうと体の中が大変なことになります
2.のどにつまると数分で呼吸が止まることも。すぐに行動を
3.事故を防ぐには、日ごろの「手の届かない場所」「座って食べる」習慣が大切です


【シリーズ完結のごあいさつ】
「もしも!お口のケガ百科」シリーズをお読みいただき、ありがとうございました。

いざという時、正しい知識が大切な命を守ります。
これからも、ご家族の安心と健康を支える存在でありたいと願っています。

今後もオリーブ歯科こども歯科クリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

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荒川大輔
専門家

荒川大輔(歯科医師)

オリーブ歯科こども歯科クリニック

保険診療から先進的な自由診療まで幅広く対応、家族全員で通える地域のかかりつけ歯科医院です。全身の健康に悪影響を及ぼすお子さんの口腔機能発達不全症の治療に県内外から多くの患者様が通院しております。

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