夏に気をつけたいスポーツドリンクの落とし穴

荒川大輔

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テーマ:歯科治療全般について

こんにちわ。
名古屋市港区にあります、オリーブ歯科こども歯科クリニックです。

いよいよ夏が近づいてきました。気温も湿度も高くなるこの時期、熱中症対策として「水分補給」が大切なのは、誰もが知るところです。

しかし、私たちのクリニックでは「スポーツドリンクを日常的に飲んでいるお子さんの虫歯」が後を断ちません。特に部活やスポーツをしているお子さんに多いです。

「スポーツドリンク=体に良い」というイメージは強いかもしれませんが、実はそこには大きな落とし穴があるのです。

スポーツドリンクには、糖分が多く含まれています。
種類にもよりますが、500mlのペットボトルにスティックシュガー10本以上の砂糖が溶けていることもあります。
それが酸性であることと相まって、歯を溶かしやすく、虫歯リスクを高める飲み物になってしまっているのです。

さらに問題なのは、「ちびちび」「長時間かけて」飲むという、夏場によく見られる飲み方。
口の中が常に糖で満たされている状態が続くと、唾液の自浄作用が追いつかず、虫歯菌にとってはまさに天国のような環境が整ってしまいます。

それでも、「熱中症になったら困るし…」と心配になる保護者の方も多いはず。そこで私たちは声を大にしてお伝えしたいのが、「麦茶と塩飴で十分!」ということ。

実は、日常の軽い外遊びや通学程度の発汗なら、スポーツドリンクほどの電解質や糖は必要ありません。
麦茶でこまめに水分補給し、時折塩飴をなめる。
それだけで、多くのお子さんは必要な水分とミネラルをしっかり摂ることができます。

さらに言えば、朝に「味噌汁を一杯」飲んでおくと、塩分・ミネラル・水分補給の面でもとても優秀です。
味噌の発酵成分や昆布・わかめ・豆腐などの具材は、腸内環境にも良く、便通改善や免疫力アップにもつながります。

朝ごはんに味噌汁。
日中は麦茶と塩飴。
ジュースやスポーツドリンクは「特別なとき」だけにする。

たったこれだけの工夫で、虫歯をぐんと減らすことができます。

もちろん、どうしても飲みたい場面や必要な運動時もあると思います。そんなときは、飲んだあとは「口をゆすぐ」「なるべく早めに飲みきる」「就寝前は控える」といったケアを心がけるだけでも違います。

私たちは「すべては患者様のよりよい人生のために」という理念のもと、歯を守ることだけでなく、「食べる」「話す」「笑う」など、日常の中にある健やかな時間を守ることを目指しています。

甘くて飲みやすいものほど、知らず知らずのうちに健康に影を落とすこともあります。
この夏は、家族みんなで「飲み物の見直し」から始めてみませんか?

私たちは、口から始まる健康づくりを、これからも地域の皆様と一緒に進めてまいります。

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荒川大輔
専門家

荒川大輔(歯科医師)

オリーブ歯科こども歯科クリニック

保険診療から先進的な自由診療まで幅広く対応、家族全員で通える地域のかかりつけ歯科医院です。全身の健康に悪影響を及ぼすお子さんの口腔機能発達不全症の治療に県内外から多くの患者様が通院しております。

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