世界に学ぶ、歯への意識

荒川大輔

荒川大輔

テーマ:歯科治療全般について

こんにちは。
名古屋市港区にあります、オリーブ歯科こども歯科クリニックです。

皆さんは「デンタルIQ」という言葉をご存知でしょうか?
これは、歯や口の健康に関する知識・意識・行動のレベルを示す指標です。
つまり「どれだけ歯のことを理解し、大切にできているか」という“お口の知能指数”のようなものです。

日本に住んでいると、歯科医院は「痛くなったら行く場所」と思われがちです。
しかし、世界に目を向けるとこの考え方は決して主流ではありません。
特にアメリカでは、歯の健康は「セルフマネジメントの基本」として位置づけられ、乳幼児期からの口腔ケアや予防歯科が当たり前の習慣となっています。

例えば、アメリカでは1歳までに歯科受診を済ませるのが一般的です。
小児歯科医によるカウンセリングを受け、フッ素塗布やブラッシング指導が行われ、家庭でも「歯を守る教育」がスタートします。
また、定期検診の受診率も非常に高く、大人になっても「歯科に通っていること」が健康の証とされる風潮があります。

一方、日本ではどうでしょうか。
厚生労働省の調査によると、歯科定期受診率はアメリカの半分以下。
歯を失って初めて「もっと早くケアすればよかった」と気づく方も少なくありません。さらに、「乳歯はどうせ抜けるから虫歯になってもいい」「永久歯が生えてから歯医者に行けばいい」といった考えも根強く残っています。

これは単なる知識の差だけでなく、文化的な背景にも関係しています。
アメリカでは「歯並び」や「白さ」が社会的な印象や自己肯定感に直結するため、幼少期から口元のケアに投資することが“家庭の常識”として根づいています。
一方、日本では「見た目より健康重視」という価値観のもと、美容や矯正に関しては“贅沢”と見なされがちです。

しかし私たちは、この意識こそ今、変えていかなければならないと考えています。
歯は「見た目」のためだけのものではありません。
「噛む力」は身体のバランスに直結し、「口呼吸」は脳や全身の発育に影響を与え、「歯周病菌」は全身疾患のリスクを高めます。
つまり、口の健康は「人生の質」を左右する非常に重要な要素なのです。

当院では、乳幼児期からの口腔育成、小児矯正、MFT(筋機能療法)などを通して、正しい成長発達を支える取り組みを行っています。
また、オリーブジーニアスプログラムをはじめ、食育や生活指導も含めた包括的なサポートを通じて、日本の子どもたちの“デンタルIQ”を底上げしていきたいと考えています。

歯科医療は「患者様のよりよい人生のための手段」です。アメリカに学ぶことで気づけること、日本にしかできないアプローチ。どちらも大切にしながら、私たちはこれからも、地域の皆さまに「学びのある歯科体験」を届けていきます。

そしていつか、こう言われる日が来ることを目指して、
「日本人は歯に対して、本当に意識が高いね」と。

私たちオリーブ歯科こども歯科クリニックは、
これからも「すべては患者様のよりよい人生のために」という理念のもと、
お一人おひとりにとって、本当に必要な医療とは何かを考え、
地域の皆さまとともに歩み続けてまいります。

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荒川大輔
専門家

荒川大輔(歯科医師)

オリーブ歯科こども歯科クリニック

保険診療から先進的な自由診療まで幅広く対応、家族全員で通える地域のかかりつけ歯科医院です。全身の健康に悪影響を及ぼすお子さんの口腔機能発達不全症の治療に県内外から多くの患者様が通院しております。

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