「痛くない=大丈夫」ではありません。大人こそ、歯科の定期検診が必要な理由

荒川大輔

荒川大輔

テーマ:歯周病・予防歯科・定期検診

こんにちわ、名古屋市港区にありますオリーブ歯科こども歯科クリニックです。

子どもの頃はよく歯医者に通っていたのに、大人になると「痛くなければまあいいか」と、つい歯科から足が遠のいてしまう――そんな方も多いのではないでしょうか?
ですが実は、大人にこそ“定期的な歯科検診”が必要な理由があります。
それは、大人になるほど「虫歯や歯周病に気づきにくくなる」からです。

まず、子どもと違って、大人は虫歯になっても痛みを感じにくいという特徴があります。
これは、加齢とともに神経の感覚が鈍くなることに加えて、過去に治療した歯が多くなることで、虫歯が“隠れて進行”してしまいやすくなるからです。

特に注意したいのが、「詰め物や被せ物の縁から再発する虫歯」。
治療済みの歯は、表面が整っているように見えても、時間が経つと微細な隙間ができてきます。
そこから細菌が入り込み、目に見えない場所で虫歯が進行してしまうケースが非常に多いのです。
しかも、このような再発虫歯は痛みを感じにくいため、かなり進行してからでないと気づけないのが実情です。

さらに言えば、すでに**神経をとった歯(無髄歯)**の場合、虫歯になっても痛みをまったく感じません。
「歯が黒ずんできた」「噛むと違和感がある」などの変化をきっかけに受診してみたら、実は根の奥まで進行していて、抜歯せざるを得なかった――というのは、決して珍しい話ではありません。

また、「一度痛みが出たけれど、しばらくしたら治ったから大丈夫」というケースも注意が必要です。
歯科疾患は、自然治癒しないのが特徴です。
一時的に痛みが引いたように見えても、内部では炎症や感染が進行している可能性があります。
“痛みが消えた=治った”では決してないのです。

そしてもう一つ、大人の歯の健康を脅かす代表格が歯周病です。
歯周病は「サイレントディジーズ(沈黙の病気)」と呼ばれるほど、自覚症状が少ない病気です。
歯ぐきの腫れや出血、口臭などの症状が出る頃には、すでに進行してしまっていることがほとんどで、気づいたときには大切な歯を支える骨が大きく溶けていた……ということもあります。

当院では、こうした「見えない進行」に早く気づくためにも、定期的な検診を年2〜3回受けていただくことを強くおすすめしています。
検診では、虫歯の有無だけでなく、歯ぐきの状態、噛み合わせ、治療済みの箇所の状態確認など、さまざまな視点からお口の健康状態をチェックします。

私たちは、「歯科医療は、患者さまの人生を幸せにするための手段であるべき」との理念のもと、治療よりも“予防”に力を入れ、未来のトラブルを減らすことを大切にしています。

「今は痛くないから大丈夫」ではなく、「今こそチェックしておこう」という視点が、将来のご自身の健康を守ることにつながります。
何も異常がないときこそ、ぜひ歯科にお越しください。

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荒川大輔
専門家

荒川大輔(歯科医師)

オリーブ歯科こども歯科クリニック

保険診療から先進的な自由診療まで幅広く対応、家族全員で通える地域のかかりつけ歯科医院です。全身の健康に悪影響を及ぼすお子さんの口腔機能発達不全症の治療に県内外から多くの患者様が通院しております。

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