哺乳・発音・歯並びに影響も?“舌のスジ”がもたらす成長リスク
こんにちわ。
名古屋市港区にあります、オリーブ歯科こども歯科クリニックです。
私は歯科医療は、単なる治療行為にとどまらず、患者の人生をよりよいものに導くための手段であるべきだと考えています。
当院では、その理念のもと、「子どもの今と未来を守る歯科医療」に真摯に取り組んでおります。
特に、乳幼児期における口腔機能の発達支援は、将来の健康状態や学習・発達能力に密接に関係する重要な領域です。
脳の構造的な発達について、小児科医の見解によれば、脳の約95%は6歳までに完成するとされています。
この時期は、身体機能のみならず、神経回路の形成が急激に進行する極めて重要な期間です。
この成長の土台を支えるのが、生活習慣と環境であり、その中核には“口”があります。
小児科領域で提唱される「脳を育てる三原則」は、「よく動く」「よく関わる」「よく感じる」の三つです。
これらはいずれも、歯科的なアプローチとも高い親和性を有しています。
まず、「よく動く」ことは、姿勢保持と咀嚼・嚥下の運動に直結します。
適切な口腔筋の活動は、全身の筋機能と連動しており、正しい咬合や舌の位置、口唇閉鎖力の獲得は、健全な発達に不可欠です。
歯科では、筋機能療法や咀嚼訓練などを通じて、こうした発育を積極的にサポートすることが可能です。
次に、「よく関わる」こと。
発語や表情は、口腔機能に基づいた社会的スキルです。
言語の発達、情緒の表現、対人関係の構築といった要素は、口から始まるコミュニケーション能力に依存しています。
発音障害や構音異常の予防的介入も、歯科の重要な役割の一つです。
そして「よく感じる」ことは、五感の刺激による神経ネットワークの活性化に関わります。
味覚・温度・硬さといった食経験を通じた感覚統合は、脳機能の成熟に直接影響します。
口腔領域での感覚受容は、神経発達と行動反応において重要なインプットであり、幼少期からの多様な食体験の支援が求められます。
当院では、これらを統合した形で「オリーブジーニアスプログラム」を構築し、5〜10歳の発育期の子どもたちに対し、食育・口育・生活指導を包括的に行っています。
本プログラムでは、マイオブレースを中心とした口腔筋機能トレーニングに加え、呼吸・姿勢・睡眠・学習との関連まで視野に入れた指導を実施しています。
医療が果たすべき本来の役割は、「今ある問題の解決」にとどまらず、「将来にわたる健康と発達の基盤を守ること」です。
幼少期の脳と口の発達は切り離せない関係にあります。
私たち歯科医療者には、その相互作用を理解し、的確なタイミングでの介入と指導を行う責任があります。
オリーブ歯科こども歯科クリニックは、これからも「全心全力、一生懸命」の姿勢で、すべての子どもたちの可能性に寄り添い、口を通じて人生を支える医療を追求してまいります。



