新築からリフォームまで責任施工の建築のプロ
横戸雄一
Mybestpro Interview
新築からリフォームまで責任施工の建築のプロ
横戸雄一
#chapter1
南陽市池黒に事務所を構える横戸建設。代表の横戸雄一さんは「依頼の全てが腕の(み)せどころ、横戸建設にしかできない仕事を」と、熱い職人魂を見せています。建築業を営んでいた父親の背中を見て育ち、同じ職人魂を受け継いできました。横戸建設は住宅建築やリフォーム、土木、舗装工事などを幅広く手掛けていますが、近年はリフォームの依頼が増えています。横戸さんは「リフォーム、特に収納への思い入れは強いですね」と話しています。
お客様との打ち合わせを通し、見せたいものは〝見せる収納〟を、見せたくないものは〝見せない収納〟でスッキリとした空間作りを提案します。一例をあげますと、「2万枚のDVDを収納する棚を作ってほしい」との要望には〝見せる収納〟にこだわりました。DVDをラックに並べ、ラックがレール上を移動するようにしました。ラックは6畳間の壁一面が埋まるほどの大迫力。収納されたラックが前後左右にスムーズに移動するため、「見栄えがいいし、取り出しやすい」と好評でした。
〝見せない収納〟の例では、玄関のシュークローゼット。ボタンを押すと玄関脇の壁が開き、中から靴が出てくる仕掛けです。30足ほどの靴が収納できます。
「予算は少ないが、広いスペースがほしい」というお客さまには、狭い廊下スペースを広く見せるアイデアを提案。階段の補強をし、踏み板と踏み板の間にある蹴込み板を取り除き、階段奥の空間が見通せるようになり、圧迫感を解消しました。また、キッチン・カウンター上部の下がり壁を強化ガラスに変更し、開放感を演出しました。
限られた予算でお客さまの希望を形にするため、使用する建材の適材適所を判断。「どこに何を使用するか、強度や見た目を考慮しつつメリハリをつけることでコストを削減。予算に合った提案をし、つくる。大工の知恵や昔ながらの伝統の技術が生かされます。これが職人としての腕の見せどころ」だと力説しています。
#chapter2
「建築業を営んでいた父親は、たたき上げの大工でした。父の職人としてのものづくりに対する姿勢に憧れ自らも大工になった」と言います。横戸さんには今でも忘れられない光景があります。小学校入学前、上棟式の現場で、ねじり鉢巻きを締め、背中に屋号の入った半纏(はんてん)を羽織った父親の姿です。上棟式は新築する家に神様を宿す神聖な儀式。大工の棟梁(とうりょう)として、『コーン、コーン、コーン』と木槌(きづち)の音を響かせ、厳かに柱をたたく父親の後ろ姿にほれ、この道を選んだのです。
中学校卒業後、技能専門校を経て大工の世界へ。市内の建設会社で修業した後、独立。「住まいづくりの相棒」をキャッチフレーズに「何でも解決でき、頼りになる大工」「お客さまとの縁を大切にする大工」を心掛けてきました。土台や梁(はり)などの構造材は置賜をはじめとする県産木材を使用し、地産地消を実践。新築、リフォームともに「手掛けた作品がそのまま宣伝になっている」との自負が、紹介による成約やリピーターの多さに表れています。
「イメージトレーニングしてから仕事に取り掛かれ」。これは現在、横戸建設の顧問として横戸さんを支える父親からのメッセージです。「父は現場の事故で指を1本失った。イメージトレーニングが危険抑止につながる」と、就寝前に必ず翌日の作業内容を確認。危険だと思われるところを朝礼で作業員に周知しています。「事故防止という意味はもちろん、お客さまに最高の住まいを提供するためにも緊張感が必要」との信念からです。
#chapter3
「予算はこれくらい、デザイン、間取りはこうしてほしい」などの要望を受け、横戸さんは現場に足を運びます。現地を自ら視察し、気温や降雪量、風向きなどのデータを収集。その結果を踏まえ、玄関の向きはどうするか、使用する断熱材は何を使うか、屋根の形は…、などを考えるそうです。「あれやこれやと、家づくりの構想を練るのが楽しくてね」と笑顔を見せます。
耐震住宅や耐震補強にも力を入れています。地震を身近に感じ、恐怖を覚えた東日本大震災。現在、宮城県で復興住宅の建設を手掛けているだけに、災害に強い家づくりにも力を注いでいます。耐震補強の依頼も多く、横戸さんは「住宅の耐震性への関心が高まっている。在来工法と先端技術を融合させ、安全・安心な住まいを提供していきたい」と、力強く語っています。
今年3月、横戸さんは建築現場における施工、品質、安全管理の全責任を負う一級建築施工管理技士の資格を取得しました。「資格を取得したことでお客さまから、より一層の信頼を得たと思います。誇りを持ち、頼りにされる大工を目指していきたい」と意欲を見せています。
(取材年月:2013年3月)
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大工
株式会社横戸建設
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