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建設業と不動産業の従業員が働きやすく、事業主が本業に専念できる環境づくりをサポート

建設業および不動産業の経営支援のプロ

髙島訓司

髙島訓司 たかしまくんじ
髙島訓司 たかしまくんじ

#chapter1

労働時間や賃金などを法律に則して自社に適した制度を整え、周知することが大切

 「従業員さんが力を発揮しやすく、事業主さんもトラブルの心配なく本業に集中できる環境をつくることこそが当方の大事な職務と考え、誠実に対応させていただきます」

 そう語るのは「髙島社会保険労務士事務所」の代表、髙島訓司さん。建設業および不動産業に強い社労士として、富山市を起点に北陸三県で活動。就業規則の作成・変更、社会保険・労働保険の手続きのほか、人事労務の相談に幅広く応じています。

 「建設業では、現場への出入りを手書きする出面管理などが慣習として残り、作業員ごとの出退勤時間を把握しきれていないケースがあります。実際、労働時間に関しては他業種に比べて長く、移動時間を勤務時間に含むか否かについても以前から問題視はされていました。2024年4月以降は、他の業界と同様に時間外労働の上限が規制され、今まで目こぼしされてきたようなケースが表面化してくると思われます」

 不動産業も、歩合給における残業代の未払いや、営業職が直行直帰で就労状況が不明瞭など、賃金や勤怠の面で課題を抱えやすい傾向があります。髙島さんは今後、両業種とも労働時間を削減していくことを大前提に、「法律にのっとって、自社に適した制度を設計することが重要」と呼び掛けます。

 「ガイドラインをきちんと定めた上で、家から現場への往復や自宅での作業などにつき、従業員にどんな場合に労働時間となり、どのようなリスクがあるのかを知ってもらうことも大切です。専門性を備えた社労士とともに効率よく、不備のない仕組みを整えて周知することが人材の確保・定着を促し、円滑な事業運営にもつながります」

#chapter2

24年にわたる営業経験で培われた「聞く力」と「読み取る力」で労務の課題を把握

 開業する前は、大学卒業後から24年にわたり企業に勤め、営業職に従事していた髙島さん。うち17年は、建設関連の事業者でキャリアを積みました。
 「当方は、ゼネコンやサブコン、二次請けといった業者さんの事情と業界の構造に明るいのが特長です。営業職として、組織に長く身を置いてきたことから現場の視点も持ち合わせています」

 また、プレーヤーとして実務を重ねてきたことや、マネージャーとして人材をマネジメントしたことも強みとなっています。

 「人との関係性が一番勉強になったところです。オフィスだけでなく、現場に入って打ち合わせをする機会も数多くありしましたから、経営者の方をはじめ、事務員さん、職人さんなど、いろんな方とお話をしてきました。それぞれの立場が抱える不安や不満、要望などに触れてきましたので、労務管理について実情に即したアドバイスをいたします」

 営業で培われた「聞く力」と、言語化されないニーズを「読み取る力」は、人と向き合っていく上で核心的なスキルになっていると言います。

 「時代の流れもありますから、オンラインを活用する場面もありますが、直接お会いして場の雰囲気をくみ取りながら、お話を伺うことを重視しています。言葉の裏側にある潜在的な意図も含めて理解を深めるのはもとより、事業主さん自身がつかめていない会社の問題点を会話を通じて洗い出し、お客さまに伝わるように分かりやすく説明することを心掛けています」

髙島訓司 たかしまくんじ

#chapter3

組織で働く人や、その先にいる多くの人たちの幸せに貢献するため、成年後見業務にも注力

 働き方改革が推進され、厳格化も進む中、建設業や不動産業の労働環境の改善に尽力する髙島さん。現職を目指したきっかけは、30代半ばを過ぎた頃から芽生えたある思いです。

 「前職では、人間関係を築くコミュニケーション力やクライアントに合わせた提案力、税務や会計の知識も身に付き、やりがいはありました。ただ、職位が上がるにつれ『もっと他にできることがあるんじゃないか』という気持ちが湧いてきたんです」

 人としてもっと成長したいと、さまざまな業種、職種を調べる中でたどり着いたのが社労士でした。
 「何事にも真面目に取り組む点だけは評価されてきたので、自分の個性を生かして、これまで関わってきた経営者さんも従業員さんも、またその先のご家族の方たちも含めて幸せに導ける、誇りを持てる仕事だなと感じました」

 当時は建設資材メーカーの所長という安定した立場だったこともあり、周囲からは反対の声も上がったとか。
 「しかし、『進むべき道』を見つけた私に迷いはありませんでしたね。これまでの経験から、一生懸命やりさえすれば絶対になんとかなると確信していました」

 髙島さんは、一般社団法人社労士成年後見センター富山に所属し、認知症や精神障害などにより判断能力が十分ではなく家庭裁判所が審判を行った方の後見人となって、財産管理や身上監護に関する契約ごとを行っています。
 「人と人が支え合うことは意義深いことで、生きていく上で本質だと考えています。人々の幸福に貢献する福祉も社労士の役割ですので、今後もしっかり務めていきたいですね」

(取材年月:2023年9月)

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髙島訓司

建設業および不動産業の経営支援のプロ

髙島訓司プロ

社会保険労務士

髙島社会保険労務士事務所

20年超の営業経験、うち17年を建設関連業と不動産業で送った現場を知る社労士ならではの「聞く力」と「読み解く力」に根ざした問題把握と柔軟対応で事業主と従業員ともに安心して本業に専念できる環境をつくる。

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