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1974年創業の実績をもとに、迅速で精度の高い鉄筋工事に取り組む2代目

一目で「きれい」と分かる工事を心掛ける鉄筋工事のプロ

千代祥平

千代祥平 せんだいしょうへい
千代祥平 せんだいしょうへい

#chapter1

水路や橋梁、発電所のほか、住宅などの基礎を築く鉄筋工事に従事

 水路や橋梁、発電所といった土木、住宅の基礎や外構など建築関係の鉄筋工事を請け負うのは、富山県黒部市の「千代鉄筋」。富山県内を中心に、要請があれば隣接する県にも赴いています。

 「縦横に整然と鉄筋が並ぶ様子は壮観で、適切な間隔で正確に組み上げることで強度が増します。当方は、どなたがご覧になっても『美しい』と感じていただけるような施工を目指しています」と話すのは千代祥平さん。1974年に創業した同社の若き2代目です。

 「職人技にNOはない」をモットーにする千代さんらの元には、規模も工期もさまざまな案件が舞い込みます。「配筋検査に通るように力を貸してほしい」という依頼も珍しくありません。

 「鉄筋の設置には細かな基準があり、自治体や保険会社がチェックに入ります。われわれにとって検査の合格は最低ライン。迅速かつ高い精度で、滞りなく次の工程に進めるようお手伝いします」

 半世紀に及ぶ長きにわたり事業を営んできた同社には、この道40年以上の鉄筋工を含め、熟練者が在籍。個の力を集結して顧客の要望に応えています。

 「普段は和気あいあいと、しかし職務には真剣に取り組んでいます。おかげさまで、お客さまには厚い信頼をお寄せいただいております」と千代さん。常々、大切にしている信念があります。

 「あるとき、『プロがプロたるゆえんは難しい仕事をこなせるからではない。難易度に関わらず、同じように完璧に仕上げるからプロなのだ』と教えられたことがあります。この言葉を胸に、全ての現場で全力を尽くしてきたと自負しています」

#chapter2

21歳のとき父に誘われ家業へ。インフラづくりに関わる仕事がやりがいに

 1993年に黒部市で生まれた千代さん。高校卒業後、千代鉄筋に入る道もありましたが、別の進路を選び、2年間は工場に勤務していました。実家に戻ったのは21歳のときです。

 「それまで何度も、当社を立ち上げた父に『家業を手伝わないか』と声を掛けられていました。正直なところあまり興味はなかったのですが、熱心に誘ってくれるため、やってみようという気になったのです」

 軽い気持ちで始めたと明かす千代さんを待っていたのは、想像していた以上に厳しい世界でした。「前職の工場は快適な室温が保たれている一方で、鉄筋工事は屋外ですから、氷点下でも炎天下でも関係なく作業しなければならず、体力的にも非常に骨が折れる環境でした」

 また、「先輩からよく叱られました」と苦笑しながら入社当時を振り返ります。「未経験の私に、工具の扱い方や結束線での結束の仕方など、骨組みを作り上げるためのノウハウを一からたたき込んでくれました。職人として筋が一本通った人ばかりで、私が代表の息子だからといって態度を変える人はいませんでしたね」

 的確な指導のおかげで、辞めたいと思ったことはなかったという千代さん。必要なスキルが身に付き、充実感や手応えを覚えるようになっていったそうです。

 「額に汗して働くからこそ、やり終えた後の達成感は何度味わっても飽きることがありません。それと、インフラづくりに関わっているやりがいも大きいです。自分の仕事が地図に残るのですからね」

千代祥平 せんだいしょうへい

#chapter3

2020年からは実質的なトップとして会社を率い、人材育成にも注力

 現在、同社の代表者は父の正夫さんですが、2020年に「会社を任せるぞ」と言われて以来、実質的に千代さんがトップとして社を率いています。正夫さんは、朝と夕方に顔を出して行う事務の他は、息子に業務を一任しているのです。

 「父の代から始まった当社は、お客さまとのご縁を大切にすることで多方面からオファーをいただき、実績を積むことができました。皆さんの期待を裏切らないために、これからも日々精進していきたいと考えています」

 鉄筋の加工や販売、各種工具・機材のレンタルなども手掛け、「こんなものを作ってほしい、貸し出してほしいとご希望があれば、お気軽にお問い合わせください」と呼び掛けます。

 顧客にニーズに対応していくため、千代さんが今まで以上に力を入れていきたいのが人材の採用と育成です。昨今、建設業界における労働力不足が課題になっていることを受け、ホームページを制作し、暮らしや社会を支える鉄筋工の魅力を発信してきました。

 「職人の技術は『見て覚えろ』が当たり前でしたが、今はそんな時代ではありません。道具の使い方から図面の見方、実務の手順、各工程の意義まで一つ一つ丁寧に説明することを心掛けています。若手が成長していく姿は頼もしく感じられ、うれしい限りです」

 鉄筋工事一筋で歩んできた事業者として親から子へのバトンタッチが終わり、創業100年に向け、新しい道を進み始めています。

(取材年月:2023年11月)

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千代祥平

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千代鉄筋

1974年創業。設現場の鉄筋工事を中心に、建築鉄筋工事、鉄筋の加工・販売まで手掛ける。鉄筋に詳しくない人が見ても一目で「きれいに施工されている」と分かる高いレベルの仕事を常に意識して施工。

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