アイデアを詰め込んだ心温まる家族が主役の結婚式をつくるプロ
髙野由紀子
Mybestpro Interview
アイデアを詰め込んだ心温まる家族が主役の結婚式をつくるプロ
髙野由紀子
#chapter1
「新たな門出を迎えるお二人と、参加される皆さまの笑顔とぬくもりに満ちた晴れの日をお手伝いいたします」と語るのは、ウエディングプロデューサーの高野由紀子さん。富山県上市町で結婚式場「しあわせ記念日」を営んでいます。
「長らく空き家だった実家の古民家を改装し、1階を式場として整備しました。私邸ですから賃貸料も発生しませんし、私1人で運営しているので大手の費用と比べると、10分の1ほどの価格で承っております。着付師やカメラマンなどを手配して装いを整え、赤い野点傘と縁台を配した和庭で写真撮影することも可能です」
柔らかい日差しが差し込む広縁には、金屏風と15mのレッドカーペットを敷いてバージンロードに。衣装は純白のウエディングドレスをはじめ、ピンク、ブルー、イエローなど色とりどりのカラードレス、白無垢や色打掛といった和洋装をそろえ、タキシードや紋付袴も準備しています。
「結婚式ではお色直しが2回もあり、鏡開きやお水合わせ、花嫁のれんくぐり、花束進呈、ご両親へのお手紙、フラワーシャワーなど披露宴で行うイベントを盛り込んでいます。私からのお祝いとして新郎新婦へスライドショーをお贈りしているのですが、私が感動で涙してしまうこともあるんですよ」
予算の関係などで結婚式を諦めていた人たちの“最後の砦(とりで)”になればと願う高野さん。洋装、和洋折衷プランのほか、親子ダブルプランも用意しています。
「お子さまもご一緒に記念日に結婚式も、古希などご長寿祝い結婚式も承っています。また入籍だけですませていた親御さまと、お子さま方と二組のお式もしていただけます。ご家族の思い出深き一日を刻んでいただければ幸いです」
#chapter2
前職で、15年にわたり大学教授の秘書を務めていた高野さん。時折開催される学会では資料作成のほか、来客対応や発表の進行役を担うこともありました。
「秘書をする前は大手通信事業者で働いていました。電話応対を担当し、何人かの方に結婚式の司会に向いていると言われたことを機に養成講座を受け、司会の仕事をするようになりました」
起業するきっかけは、看護師として医療現場で働いていた娘の結婚式。コロナ禍の影響で結婚式3日前に急遽延期を余儀なくされたことでした。さらに防護服を着用して看護する前夜に「今まで育ててくれてありがとう。これが最後の電話になるかもしれないから一言お礼を言わせてほしかったの」と電話を受け、無事に娘の花嫁姿を見届けたいという強い思いが生まれたことが、大きなきっかけになったと語ります。
「身内だけであれば私が取り仕切るつもりでしたが、娘は友達を呼びたいという希望があったので1年待ちました。私たちと同じように式を延ばしたり、キャンセルしたりしている方も多いと感じ、お力になりたいと考えました」
ちょうど実家を直す話もあり、司会もできることから、式場を自らの手で立ち上げることを決意。わが家のように落ち着いたアットホームな空間をしつらえました。
「娘の結婚式で実際に打ち掛けをかけて口紅を差したときは、本当にうれしかったですね」と目を細める高野さん。ほのぼのとした挙式を実現できたことも、開業の背中を押したと言います。
「以前にブライダル関連のアルバイトをした経験も役に立っていて、趣向を凝らした催しなどを拝見して得たアイデアを取り入れています。お母さまがお嬢さまのベールダウンをして花婿のもとに送り出すなど、ご家族の絆を紡ぐ企画をしています」
#chapter3
高野さんは起業前の2024年4月、能登半島地震で被災した夫婦への支援として結婚式をプレゼントしました。式を挙げたくても挙げられないという声を聞き、居ても立ってもいられなかったと話します。
「一から段取りを練り、なんとか無事に終えることができました。カメラマンやヘアメイク・着付なども全て無料で提供し、新郎新婦や特に新婦のお母さまに心から喜んでいただけたことは私の自信にもつながりました」
日本の伝統的な慣習をつないでいきたいと結納・結納返しの式典もサポートし、宝船鶴亀飾りといったのし一式を貸し出し、振袖や訪問着、留袖ドレスなどもレンタル。子どもの健やかな成長を祈る七五三も誕生日も、十二単や鎧兜ドレスやタキシードの衣装を着てファミリーフォトを撮ることができます。
「先日は、美しい写真の撮られ方教室とヘアメイクが付いた還暦ドレスパーティーを開きました。頑張ってきた皆さんのご褒美として楽しんでいただきました」
家族が主役の心温まる結婚式を提案する高野さん。人生の節目となる日を彩りたいと呼び掛けます。
「さまざまな理由で結婚式を挙げられなかった方、再婚だからと式をあきらめていた方、成人式ができなかった方など、皆さんにとって明るい一筋の光になりたいですね」
(取材年月:2025年1月)
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アイデアを詰め込んだ心温まる家族が主役の結婚式をつくるプロ
髙野由紀子プロ
結婚式場運営
しあわせ記念日
結婚式を諦めていた人の“最後の砦”に。改装した実家の古民家を式場として運営し、温かく思い出深い結婚式を提供するウエディングプロデューサー兼司会者。大切な人と過ごす特別な一日を、心を込めてつくります。
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