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インフラ整備など土木工事を中心に、地域の暮らしを守る建設会社として事業を展開

測量設計から仕上げまで一貫して請け負う土木工事のプロ

古川琢也

古川琢也 ふるかわたくや

#chapter1

測量から仕上げまで土木工事の工程全般を一社で請け負える対応力が強み

 「1969年の創業時から、地域の暮らしを守り、発展に寄与するため、自然災害予防、災害復旧、インフラ構築などに従事して参りました」

 そう語るのは、富山県下新川郡の建設会社「古川建設」の3代目、古川琢也さん。道路や砂防堰堤(えんてい)工事、土地の造成、農地整備などの公共工事を行い、富山市以東を中心に県内全域で案件を請け負っています。

 「私どもが主軸とする土木業は、測量から掘削、コンクリートを成型する型枠の組み立てや流し込み、整地といった仕上げまで工程は細かく分かれています。一般に、それぞれ別々の業者が担当しますが、当方では熟練の職人をそろえ、一気通貫で担います」

 古川さんによれば、昔は一貫対応の業者が珍しくありませんでしたが、専門性の深化や職人の減少に伴って少なくなったとのこと。
 「当社は、先代である私の父が『人数が少ない会社は従業員一人一人が多能工となり、何でもできた方がよい』という考えのもと、技術の向上と継承に力を注いできました」

 発注側にとっても、同社に頼むと工程の調整や申請書類の作成、手続きなどを一任でき、楽になります。

 「お客さまには、当社にお任せいただければ『安心だ』と思っていただけるように日々取り組んでいます」と語る古川さんが、事業を営む上で心掛けているのは、感謝、誠実、尊重です。

 「ご用命いただくことは当たり前ではありません。まずはご依頼に感謝し、誠実に仕事に取り組む。そして、お客さまに喜んでいただけるよう職人同士尊重し合いながら最高の仕事をしていく。これこそが、古川建設です」

#chapter2

バレーボールに打ち込んだ学生時代を経て家業に入り、34歳で代表に就任

 古川さんは中学校からバレーボールを始め、高校ではキャプテンとしてチームを県大会準優勝へと導きます。大学は強豪校へ進みますが、そこで「挫折を経験した」と明かします。

 「周りは全国大会上位の高校で活躍していた人たちばかりで、レベルが違いました。今思えば情けない話ですが、実業団に入ってバレーを続けたいと思っていた私は、あまりにも高い壁を前に未来が見えなくなってしまったのです」

 2年生のときに大学を中退した古川さん。進学させてくれた両親に申し訳なく、親孝行をしたいと家業に就く決断をしました。

 当時は今とは違い、仕事は見て覚える時代ということもあり、後継ぎだからといって、手取り足取り丁寧に指導してもらったわけではなく「本当に大事なことだけを教わり、残りは見て覚えた」と振り返る古川さん。バレーに注いできた情熱とエネルギーを全て使い、土木工事のいろはを一から学びました。

 「2017年、34歳で還暦を迎えた父に代わって代表に就任しました。父も若くして社長になり、経営に携わるなら早い方がよいと考えていたようです。代が変わってからは、自分の判断ミスでたくさんの失敗をしてきました。先代も言いたかったことはたくさんあったと思いますが、口を出すことなく自分のやりたいようにやらせてくれたことはありがたかったです」

 かねてより青年団体などに顔を出して人脈を広げていた古川さんは、社長就任後は築いたネットワークを駆使して営業活動に注力。祖父の代から続く会社を伸展させるため、取引先の開拓に努めました。

#chapter3

建物を彩る、外構・エクステリア工事・内装リフォームのサービスも用意

 地域に根差し、顧客とのつながりを大切にする古川さんには、欠かせない習慣があります。それは、請求書を郵送せず顧客に直接手渡すこと。

 「バレーボールでは試合が終わると相手チームの監督にお礼を伝えにいく文化があります。その時にアドバイスをいただくことで、客観的な意見をもらい、改善に生かしてきた経験から、お客さまに直接感謝の言葉を伝えることに大きな意味があると考えています」

 顧客と顔を合わせることが要望をくみ取る機会にもなり、業務の拡充を視野に入れる古川さん。2024年3月には高岡市の鉄筋工事会社を買収しました。

 「規模を拡大して幅広いニーズに応えていきたいと思っています。今後は個人のお客さまのお役に立てるように、住宅まわりにも目を向けていくつもりです」

 外構・エクステリア工事、内装リフォームなどのサービスを用意し、モルタル造形や塗装を手掛ける、滋賀県のYDF社が開発した「TFシリーズ」と呼ばれる工法も採用しました。
 「建物内外の壁や塀、玄関アプローチや駐車場といった外床、家具に施すもので、いずれもデザイン性に優れ、スタイリッシュな空間をかなえます。店舗にもおすすめです」

 目下の課題は人材の育成。現在、古川さん以外に3人の技術者が在籍していますが、さらに増やしたいと言います。
 「建設業界は人手不足が叫ばれて久しいですが、地域を支える、なくてはならない仕事。技術を後世に伝える責任もあります。事業を通じて末永く地元に貢献していきたいですね」

(取材年月:2024年3月)

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古川琢也

測量設計から仕上げまで一貫して請け負う土木工事のプロ

古川琢也プロ

土木工事業

有限会社古川建設

土木工事ではさまざまな作業工程があり、各工程で専門技術が必要です。自社では全工程一貫施工で対応。工事全体に対する責任を一本化し、設計、施工などの連携が密にとれ、品質向上につなげています。

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