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フローリングや建具、車のシートなどの傷を、張り替え、交換なしに修繕

張り替え・交換せずに傷や破損を修復するリペア職人

鬼澤隆之

「愛着あるものを、より長く使える、愛着を持ち続けられる修繕」が鬼澤さんのモットー
接合部がはがれてしまった巾木をリペアしていく。建材は替えず、元のものを使用

#chapter1

傷が目立たないようにまわりの色に合わせて細やかに調整

 家や愛車の中は、大事に使っていても時間が過ぎるとともに劣化が進んでしまいます。住まいであれば住人が頻繁に行き来する部屋や廊下の床、開閉を繰り返す建具類、車であれば乗るたびに必ず腰掛けるシートなどです。時には物を落としたりぶつけたり、飲み物をこぼすなどこともあるでしょう。
 
 「傷んだ床やドアを修繕しようとすると、専門業者から『張り替え』や『付け替え』を提案されることもあり費用は大きくなります。そのため『しばらくはこれでがまんしようか…』と妥協してしまう人も多いのではないでしょうか」

 そう話すのは、住宅や自動車の補修を行う「トータルリペア鬼工房」の代表・鬼澤隆之さん。フローリングや壁といった室内装飾や、ドア・サッシなどの建具、家具のほか、車のシートや内装のリペアに応じています。

 傷や破損箇所を修繕するだけでなく、仕上がりにもとことんこだわっているという鬼澤さん。例えば、年季が入りいい具合に深みをましたフローリングの傷であれば、修復の跡がわからないように丁寧に傷を直し、趣きある風合いになじむように色・艶の補修を行います。車の内装の場合も修繕した部分だけが目立ってしまわないよう、車内全体のトーンに合わせて調整していきます。

 「リペアであれば、おおむね張り替えや交換するよりも低価格でおさえることができます。傷やへこみなどをそのままにしていると気になりますし、レザーシートなどはダメージが進行してしまう可能性もあるので、まずはお気軽にご相談ください」と話します。

#chapter2

世界で評価されるリペア技術をマスターして、折り返した人生にチャレンジ

 2021年2月にリペア職人として活動を始めた鬼澤さん。それ以前は主に外資系企業に勤務しながら、現在と異なる業種に身を置いていました。しかし前職の企業が日本法人撤退することを機に、リペアの世界に転じます。

 「最近、よく見聞きする『人生100年時代』に照らしてみると、年齢的に折り返しのタイミングだったんです。せっかくなので、後半の人生は今までとは別のことにチャレンジしたいと考えました」と鬼澤さん。もともと車や自転車のDIYが好きだったこともあり、リペア・メンテナンスの技術を磨いて仕事にしようと立ち上げたのが現在の工房です。

 「トータルリペア」は、1981年から車や住宅関連のリペア事業などを手掛ける会社「アミークス」が展開するフランチャイズチェーンです。世界50カ国以上に進出しているアメリカの老舗リペア企業「カラー・グロー・インターナショナル社」と技術提携し、長年の実務により培われた同社のノウハウを取り入れています。

 新たな道に進むにあたり、世界基準の専門技術を習得したいと考えた鬼澤さんは、トータルリペアに加盟。半年間にわたる集中実地研修を経て技術をマスターしました。
 「トータルリペアが実施する講習プログラムは高度なので、ひと通り身につけるまでは大変でした。習得した技術をより確かなものにしたかったので、研修中は学んだことを何度も自宅で練習したものです。おかげで妻には『あちこちにあった家の傷がすっかりきれいになった』と喜ばれました」と鬼澤さんは笑います。

補修が完成した様子がこちら。継ぎ目がわからない程に仕上げている

#chapter3

愛着あるものが長く使えることを、多くの人に知ってもらうことで世の中に貢献したい

 トータルリペア鬼工房という屋号には、鬼澤さんの強い思いが込められています。「自分の名前をもとに付けたのですが、『鬼のように仕事に打ち込む』という意気込みもあります」。その言葉を体現するように熱心に取り組む姿と仕上がりのよさから、リフォーム会社や車のディーラーを中心にリピートの依頼が舞い込んでいるそうです。

 「現在はリペア作業から営業、経理まで、すべて1人でこなしています。ただ営業するにしても、いたずらに風呂敷を広げるつもりは毛頭ありません。実際に仕事を見ていただければ、お客さまにご満足いただけると自負しています」と鬼澤さん。確かな技術で顧客の要望に応えていくことが、何よりのPR活動になるといいます。
 
 また鬼澤さんは、人生の折り返しに選んだ現職を通じて、SDGs(持続可能な開発目標)に少しでも寄与したいと話します。
 「使い捨てではなく、愛着のあるもの、いいものを大事にしていきたい。次の世代に受け継いできたというのは、今や多くの人の願いでもあると思うんです。リペアの技術を広め、『長く使いたい』という気持ちを『長く使えるんだ』という確信に変換していけたら、この仕事の社会への貢献度はもっと高まるのではないかと考えています」

 リペアの対象エリアは江東区を拠点に東京23区で、個人のほか、住宅・不動産関連や新車・中古車売買関連企業からの問い合わせにも対応しています。家具なども含めて大切な品や、愛着のあるものに傷がついたり破損したりしてもあきらめず、まずは鬼澤さんに相談してみてはいかがでしょう。

(取材年月:2021年6月)

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専門家プロフィール

鬼澤隆之

張り替え・交換せずに傷や破損を修復するリペア職人

鬼澤隆之プロ

内装修繕・修理

トータルリペア鬼工房

世界的に評価されるトータルリペアのノウハウを駆使し、住まいや愛車の室内、家具などを修繕。家の床や柱、建具、車のシートなどを、張り替えや交換ではなく、部材の傷や破損した箇所だけを修繕し、周りに馴染ませる

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