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地域に新しい価値を生み出し、これからの社会を豊かに

地域創生につながる新たな市場を生み出すコンサルタント

寺嶋高光

寺嶋高光 てらしまたかみつ
寺嶋高光 てらしまたかみつ

#chapter1

電通グループのネットワークや技術を強みに、地域課題を解決する新たな市場を創出

 「人口減少時代には、これまで通りモノをつくって売るだけでは、企業の存続は難しいといえます。ともに新たな市場を切り開きましょう」と呼び掛けるのは、「電通総研」執行役員、コンサルティング本部長の寺嶋高光さん。

 同社は、電通グループのコンサルティング会社として、IoT(モノのインターネット)をはじめとした先進テクノロジーを活用した事業開発などで豊富な実績を誇り、自動車や精密機械、重工業、エネルギーなど幅広い業種を手掛けてきました。寺嶋さんが力を入れるのが、これからの時代を見据えた地域創生事業の推進です。
 「地域創生といえば、補助金を活用し、自治体が主体となって進めるイメージがありますが、企業を巻き込んで、持続可能なビジネスとして成立させることを目指します。地方都市には、新たな価値が生まれるポテンシャルがあると考えています」

 ビジネスのヒントは、地域が抱えるさまざまな課題にあると言います。例えば、〝交通弱者〟の対策に、新たなモビリティや次世代移動サービス・MaaS(マース)を提供したり、スマートメーターなどを活用した地域のエネルギーマネジメントシステムを構築したり。社会変革をリードするビジネスモデルの構想と実行を支援します。

 「電通グループが誇るローカルメディアや地方銀行などとの強固なネットワークを強みに、生活者への訴求力を高め、変革のムーブメントを起こしやすい環境づくりができます。あわせて、親会社の電通国際情報サービスが有する先端テクノロジーの豊富な知見により、事業の実現性を高めます」

#chapter2

隠れたニーズを掘り起こし、企業・自治体・地域住民の〝三方良し〟を目指す

 寺嶋さんが目指すのは、企業・自治体・住民が「三方良し」となる事業の構築です。
 「全国で赤字ローカル線等が問題になっていますが、補助金に頼りきりでは維持が難しく、将来、負の遺産となりかねません。地域内でお金を循環させる事業モデルを、根付かせることを重視しています。企業は儲かり、働く社員や地域がうるおい、自治体も喜ぶ形を導きます」

 社会的な課題に関わるテーマを扱い、アイデア出しから事業計画の策定、実行までワンストップでサポート。実証実験でセンシングやモニタリングなど先進技術を取り入れ、スピーディーに改善を重ねるなど、アドバイスのみに留まらず技術支援も行います。

 寺嶋さんが、新たな市場創造の必要性を訴えるのは、人口減少や少子高齢化など大きな社会変化に、危機感を抱いたからでした。著書「シン・製造業 製造業が迎える6つのパラダイムシフト」(クロスメディア・パブリッシング 、2022年刊)でも、思いを伝えています。

 「グローバル化に伴う国際競争の激化や、国内需要の先細りは、製造業に限らずどの業種も直面しています。これまでは、〝やれば儲かる境界線〟の中で、広く受け入れられるビジネスを考えることが主流でした。今後は、既存事業にとらわれず、境界線の外側にあるニッチな領域に目を向け、まずは小さい〝シン事業〟を立ち上げることを提案します。最近では、運動初心者のニーズをつかみ、急成長を遂げたコンビニジムが好例で、眠っていた課題を掘り起こして解決策を提示すれば、新たな市場は開けます」

#chapter3

約20年培った事業革新の豊富な経験をもとに、日本を元気にしたい

 寺嶋さんは、大手SIer(システムインテグレーター)や外資系コンサルファームを経て、電通国際情報サービスに転職。基幹システムのコンサル業務を手掛ける中で、「これからはビジネスをデザインする力が必要」と感じ、2013年、「ISIDビジネスコンサルティング」の創業メンバーとして事業の立ち上げから従事。自動車メーカーを中心に、デジタルやIoTを活用したものづくり革新や新規事業開発などに約20年携わりました。

 経験知から、消費者の心を動かすには、「花火」のようなきっかけづくりが重要と話します。
 「花火大会は、それ自体は参加無料でも、地域経済の活性化に大きく貢献しています。『買ってください、来てください』というやり方ではなく、自然に人が集まるような仕掛けが必要です。例えば、医療費軽減につなげる高齢者の健康増進を目的にした取り組みでも、『病気を予防しましょう』より、『ダンスを始めましょう』と言われた方が、興味を引きますよね」

 地域創生事業に力を入れるのは、「日本を元気にしたい」という思いが根底にあるそう。
 「今の状況を変えたいと、同じ志を持った企業や地域の方々と一緒に活動できることが、私のモチベーションです。新しいことに踏み出すのは、勇気がいります。最初は利益が見込めない可能性もあるでしょう。それでも3年、5年先の未来への投資だと考えてほしいですね」と寺嶋さん。世の中に新しい価値を生み出す一歩を後押しします。

(取材年月:2023年9月)

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寺嶋高光

地域創生につながる新たな市場を生み出すコンサルタント

寺嶋高光プロ

新規事業開発コンサルタント

株式会社電通総研

地域の課題解決につながる新規市場の創出をサポートし、企業・自治体・住民が〝三方良し〟となるビジネス構築を導きます。電通グループのネットワークを生かし、地域メディア・銀行とも連携して訴求力を高めます。

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