失敗しない「家族終活®」コンサルタント田中友子

失敗しない「家族終活®」コンサルタント

田中友子

まず考えたいのは「お葬式」。リアルな葬儀を知り、備えることで、悔いのない終活に

　「終活でまず考えておきたいのがお葬式。“お葬式の現実”を知るからこそできるアドバイスがあります」
　そう話すのは、八十余年の歴史を持つ「田中葬祭」の家族終活®コンサルタント・田中友子さん。「大切な家族が亡くなる」という最も悲しい人生の節目に、葬儀社として日々向き合う中で、伝えていきたい終活があると語ります。

　「最期のときが訪れると、ご遺族はご安置室と葬儀社を探さなければなりません。病院で亡くなられた場合、30分で搬送してほしいと言われることもあります。限られた時間の中で対応を求められるのです」

　田中さんによると、自宅ではなく安置室を選ぶ人が8割以上。しかし「遠方で面会が大変だった」「1日2万円かかることを知らなかった」など、事前に決めておかなかったことで困惑するケースもあるそうです。

　自らも複数の終活セミナーに参加してみた田中さん。多くの場合、葬儀に関する話は1割以下で、「どんな葬儀にしたいか」などの理想や費用の話に留まるそうです。宗教・宗派の確認や僧侶の手配など、“お葬式”に関する細かい段取りについて説明することはほとんどなかったといいます。

　「終活で葬儀の詳細に触れないのは、リアルなお葬式をあまりご存じないからだと思います。相続については、事前に話し合っておくことで争いを回避したり、税金対策を講じたり、メリットが感じられやすいかもしれません。しかし、もしものときに最初に直面するのはお葬式です。残される方が深い悲しみの中で困らないためにも、お葬式を念頭に置いた終活をしていただきたいですね」

コンセプトは「HAPPYな終活」。両親と一緒に自身の終活もスタートを

　田中さんのもとでは、遺言書作成や不動産をはじめとする財産の管理・手続きなど老後の備えについても司法書士や行政書士、弁護士とともにサポートしています。
　「私どもが提携している先生は、これまでに何度もお会いして、人となりを知った上で信頼できる方ばかりです。旦那さまや奥さまを亡くされている方、またご夫婦で過ごされている方、終活に向かうお気持ちや理由はそれぞれ異なります。ご紹介する際は、相談者さまが抱えておられる事情やご心情に配慮することを心がけています」

　ほかにも介護や看護が必要な人に向けて、外出・旅行サポートや施設への入居サポート、思い出の品を一つ一つ鑑定しながら行う生前整理などのサービスを提供しています。
　「目指しているのは『HAPPYな終活』。ご夫婦やご家族で旅行に出かけたり、持ち家を売却して介護住宅で新生活を始めたり。相談者さまが『より楽しく幸せな日々を過ごせるように』と願っています」

　終活を始めるべきタイミングは、「男女年齢を問わず『今！』と言いたいところですが、現実的に考えると40代頃がベストです」と田中さん。実際のセミナー参加者は70代以上の女性が中心ですが、「子どもに話したら止められた」「家族に反対された」というケースも少なくないとか。
　「喪主になる可能性が高まる頃に、ご両親を手伝いながらご自身の終活もスタートさせることをおすすめします。40代は『まだ早い』というイメージかもしれませんが、人生はいつ何が起こるかわかりません。一人ではなくみんなで取り組む『家族終活®』こそ、本当のハッピーだと思っています」

相談者の心の支えになりたい。一人一人の立場になって真剣に考えるサポート

　「田中葬祭」は昭和12年に創業し、現在は田中さんの父が代表を務めています。田中さんは「両親が営む会社だから」という理由で、2001年に同社へ入社しました。葬儀業界に特別な思い入れはなかったそうですが、初めて火葬場に同席したとき、自身の中に変化が生まれます。

　「火葬場は、故人と、お見送りをする方々が最期のお別れをする場所です。そこに『田中葬祭の田中』としての私がいることで、お客さまが安心感を得られていることを強く感じました。私の存在そのものが役に立つのだと知ったことで、『もっとお客さまの心の支えになりたい』『どうしたらなれるだろうか？』と考えるようになりました」

　その後、葬儀の事前相談に対応するようになった田中さん。話を聞いているうちに、「墓じまいをすべきだろうか」「元気なうちに施設に移りたい」「なるべく子どもには負担をかけたくない」など、悩みが多岐にわたることに気付きました。「頼りにしてくれるお客さまのために、私たちが力になりたい」と、相続・財産・後見サポートと生前整理を中心とした「エンディングライフ総合プログラム事業」の立ち上げに尽力。そこからサービス内容を充実させ、現在の「HAPPYな終活」にたどり着きました。

　「みなさん一人一人が生きてこられた道が異なるように、お葬式も終活も100のご家庭あれば100通りあります。私どもが長年にわたり積み重ねてきた経験を生かしながら、お客さまにとって最適なご提案をしていきたいですね」

（取材年月：2021年11月）

「お葬式」を第一に考え、人生をHAPPYに過ごすための「家族終活®」を提案

まず考えたいのは「お葬式」。リアルな葬儀を知り、備えることで、悔いのない終活に

コンセプトは「HAPPYな終活」。両親と一緒に自身の終活もスタートを

相談者の心の支えになりたい。一人一人の立場になって真剣に考えるサポート

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