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ビジネス戦略に合った知財制度の利用方法を提案。中国ビジネスに強みも

アイデアやブランドなど知的財産を守り、中国に強い弁理士

鈴木康介

中国商標に強い弁理士 鈴木康介さん
中国商標に強い弁理士 鈴木康介さん商談風景

#chapter1

参入障壁を作り、商品・サービスの利幅を確保

 ビジネスが軌道に乗ったと思ったら、商品名が他の企業の商標を侵害していることがわかった。せっかく認知されてきた商品名を変えるわけにもいかず、パッケージやチラシ、看板などを作り直すには膨大なコストがかかる―――こんな事態も、あらかじめ商標登録をしておけば防ぐことができ、商品名を変えずに事業を続けることができます。
 このように特許、商標、意匠などの知的財産は、ビジネスを続けていくうえでとても重要。ただ、起業家の方は他にやらなければならないことがたくさんあり、知的財産権にまではなかなか頭がまわりません。
 池袋のサンシャイン60にオフィスを構えるプロシード国際特許商標事務所。忙しい起業家に代わって知的財産権を守るお手伝いをしているのが、所長であり弁理士である鈴木康介さんです。「いい商品・サービスを作れば企業の売り上げは上がりますが、何もしないで放っておいては新規参入を許してしまいます。そこで、知的財産権を行使して参入障壁を作り、利幅を確保するのが私たちの仕事です」
 穏やかな語り口でソフトな印象の鈴木さんですが、仕事の面ではもっぱら攻めるタイプのようです。弁理士を志したのも、そんな鈴木さんの攻めの姿勢から。「大学院卒業後に就職したのは外資系経営コンサルティング会社でしたが、当時のプロジェクトはコスト削減のためのものが多く、やや守りの仕事といえるものばかり。自分としては守りよりも攻めのほうが好きので…」と方向転換をはかります。そこで見つけたのが知的財産の仕事。「この仕事で面白いのは、プロジェクトの立ち上げに関われることです。お客様はこれから何かを始めようという方ばかりですから、みなさんとても前向き。一緒に仕事をしていて、とても気持ちがいいですね」と鈴木さんの志向にぴったりだったようです。鈴木さんは経営コンサルティング会社を退職後、特許事務所で働きながら、弁理士資格を取得。現在の事務所開業へと至ります。

#chapter2

中国での強いネットワークや経営視点からの提案に強みが

 鈴木さんの弁理士としての特長のひとつが、海外、特に中国でのビジネスに強いことです。実は鈴木さんの妻は中国人の方で北京大学出身。知的財産を専攻した大学時代の友人が現地で商標代理人として活躍しており、今でも強固なネットワークがあります。そのため、一般の日本人よりも幅広く、深い情報が得られるそうです。また、日本語と中国語では言葉の感覚に違いがあり、それをしっかり理解していることが、商品・サービス名や社名の商標登録に大いに活きてくるとのこと。「親戚づきあいもあるから、中国の歴史や文化、言語までも勉強せざるを得ない。こういうタイプの弁理士はなかなかいないでしょうね」と笑います。
 鈴木さんのもうひとつの強みが、ビジネス戦略の視点を持っていることです。前述した通り、鈴木さんは経営コンサルタント会社の出身。シビアな世界でコンサルタントとしての経験をつんできました。そのため、経営視点から知的財産制度の利用方法を提案することができます。「特許を出願するかしないか、もしくはどの部分で特許を取るべきか、その判断力には大きな自信があります。知的財産権はビジネスに役立てなければ、持っていても意味がありません。お客様のビジネスの特色を知ったうえで、どのようにこの制度を活用すれば企業の利益につながるかを常に考えていきます」

プロシード国際特許商標事務所 鈴木康介さん

#chapter3

漠然としたアイデアの“見える化”に貢献

 鈴木さんは普段からお客様のビジネスをよく知ることを心がけており、商品を実際に購入してみることも。すると、商品が使われるシチュエーションを実感でき、そこから新たな提案やアドバイスにつながるそうです。また、お客様が考えた生まれたてのビジネスアイデアを、知的財産という形に“見える化”するのが鈴木さんの役割。特許の出願、登録までこぎつけると、お客様から「私たちの考えを、よく整理してまとめていただきました」と喜びのメールや電話をいただくことも多いそうです。
 現在、通常の業務以外にも幅広い活動を行っています。地元豊島区の経済振興を目指す「池袋弁理士の会」の立ち上げや、特許権商標権の売買時の価格評価手法を研究する「価値評価推進センター」で副センターとして活躍するほか、業界誌で知的財産関連の連載も行うなど忙しい毎日。今後に向けては、中国関連の仕事をさらに広げることと、特許および技術移転のビジネスを始めることが目標だそうです。
 「知的財産制度は上手に使えばビジネスの利益を確保ができるので、ぜひ活用してください。特に、海外はまだまだチャンスがあるので、ぜひ私たちと一緒に海外市場を攻めていきましょう」と最後にいただいたメッセージでも積極的な攻めの姿勢を打ち出してくれた鈴木さん。でも、休日は絵本が大好きな5歳と3歳のお子様にべったりの、よきパパだそうです。
 
(取材年月:2010年6月)

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鈴木康介

アイデアやブランドなど知的財産を守り、中国に強い弁理士

鈴木康介プロ

弁理士

プロシード国際特許商標事務所

国際特許事務所での業務を通じて、実践的な知識とネットワークを培ってきました。また、中国人と国際結婚したため、現地の生活習慣などを経験を通じて理解しています。

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