家の購入者をサポートするホームインスペクター(家の検査官)
市村崇
Mybestpro Interview
家の購入者をサポートするホームインスペクター(家の検査官)
市村崇
#chapter1
「家は一生に一度の大きな買い物」ともいわれたりします。しかし、そのような大切な買い物をするのにもかかわらず、多くの人はなかなか専門的な知識を持ち合わせてはいません。
「アメリカでは、建築主の代わりに第三者のホームインスペクターが専門的な検査や調査・診断を実施し、評定報告を行うことが一般的です」と語るのは、一般社団法人住まいと土地の総合相談センター・代表理事の市村崇さん。ホームインスペクターとは、直訳すれば、家の検査官のことです。
住まいと土地の総合相談センターでは、契約前や新築現場あるいは既存住宅のインスぺクション(検査)、メーカー選定のコンサルティング、セミナーの開催などの業務を行っています。
一級建築士や宅地建物取引士などのもつ市村さんをはじめ、スタッフ5人が一級建築士か一級建築施工管理技士の資格を有しています。その専門的な知識と豊富な経験から、建築主や家屋、土地で悩みを抱えている人たちに的確なアドバイスができるのが強みです。
例えば、「契約前、新築インスペクション」では契約前から着工まで、プロの目で関連書面を厳しく精査していきます。
市村さんの父で一級建築士でもある博さんが、日本におけるインスペクターの先がけとして、2001年に住まいと土地の総合相談センターを開設。その間、数々の実績を上げてきました。これまでの経験から、市村さんはハウスメーカーの裏側まで知っていると自信をもって語ります。
市村さんによれば、新築工事の現場を検査すると大なり小なり何かしらの問題が出てくるケースがほとんどだといいますから驚きです。
「『建築基準法』にのっとって工事が進められますが、最低限の基準を定めている法律のため、必ずしも現実に即さないところもあります。違法ではありませんが、『こう改善したほうがよい』といった指摘をわれわれはしています」と市村さん。
建築に関する問題は、大手企業も例外ではないようです。確かにマンションなど、有名企業の違法物件のニュースも耳にします。
そう考えると、やはり、建築のプロを第三者に立ててきちんと診断してもらうのが安心といえるでしょう。
#chapter2
市村さんのところでは、ハウスメーカーの検査の実例と詳しい解説をするセミナーを毎週のように開催していて盛況です。「世の中に正しい情報が少ない」と嘆く市村さん。情報不足のエンドユーザーに正しい情報を発信して、知識を身に着けていただきたいという思いからです。
「業界の底上げをしていきたい」と熱く語る市村さんは、ハウスメーカーなどからの講演にも講師として勇んで出かけます。職人さんや営業担当者に必要な技術、知識を話すよう、企業側から依頼されることも多いそうです。そして、新築に携われる、コンストラクション・マネジメント(建設管理=CM)ができる人を育てて増やしていきたいと話します。
市村さんのところの取り扱い分野は多岐にわたり、既存住宅の検査・診断も実施しています。雨漏れなどの欠陥住宅の相談も多いそうです。アパートなどを経営する賃貸オーナーの相談にも乗っています。
さらに建物以外にも土地の購入や借地などの不動産の問題にも対応していて、建物から土地問題まで幅広くサポートできるのが特徴です。
#chapter3
相談は事務所で面談を行っているほか、会員になれば、メールでの相談もできます。
「家を建てたいが契約書をみてほしい」「担当者と打ち合わせをしたが内容がよくわからない」といった相談が寄せられるそうです。
一級建築士などの資格をもっている市村さんは、検査・診断だけではなく、具体的な指導、改善も行っています。そこが、他のインスペクターとの大きな違いだそうです。
市村さんによると、できあがった建物に対して合法・非合法、適合・不適合といった判断をするインスペクターがほとんどとのこと。しかし、市村さんのところでは建設前、建設中の建物に対し、あらかじめ気を付けるべき点などについて、「こうしなさい」と施行側に要望を出します。さらに、その後、きちんと工事が行われているか検査します。建物が完成してから不備が見付かっても、手遅れになる可能性があるからです。
「購入に際し、デメリットもきちんとお客さまにお伝えするようにしています」
あくまで公正明大に業務を行っているという市村さん。「大きな買い物」をするエンドユーザーにとって頼もしい味方です。
(取材年月:2019年5月)
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家の購入者をサポートするホームインスペクター(家の検査官)
市村崇プロ
ホームインスペクター
一般社団法人住まいと土地の総合相談センター
専門的な知識と豊富な経験からホームインスペクターとして、建築主や家屋・土地で悩みを抱えている人たちに的確なアドバイスができるのが強み。さらに検査・診断だけではなく、現場に対し具体的な指導、改善も行う。
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