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安全なモノづくりのお手伝いをする、最良のパートナーを目指す

医療機器の認証や製品安全試験でものづくりを支える専門家

シュピンドラー千恵子

シュピンドラー千恵子 しゅぴんどらーちえこ
シュピンドラー千恵子 しゅぴんどらーちえこ

#chapter1

あらゆる機器や、医療機器などの試験認証業務を通じて「顧客ファースト」を徹底

 「製品は一連のものづくりプロセスを経て市場に出ます。私どもは、製品を市場に送り出す最終段階を担います」と話すのは、「ナノテックシュピンドラー」代表取締役社長のシュピンドラー千恵子さん。厚生労働省の登録認証機関として指定管理医療機器や体外診断用医薬品の認証を担うほか、認定検査試薬の確認審査、製品の安全試験などを行い、顧客は200社以上にのぼります。

 主軸である指定管理医療機器の対象は、レントゲンやMRIなど放射線・画像診断機器、歯科用、家庭用、補聴器など21区分。体外診断用医薬品は、血液検査や尿検査など、診断目的の機器や試薬です。
 「認証機関には〝お墨付きを出す〟イメージがありますが、私はものづくりのパートナーであるというスタンスです。ただ合否を出すのでなく、お客さまに寄り添える認証機関でありたいですね」

 シュピンドラーさんは、航空会社の元客室乗務員として、「顧客ファースト」が原点。迅速な認証をかなえる特急サービスや、アンケート結果のフィードバックなどで、ニーズに応えます。「納期に間に合って良かった」「審査員が親身に対応してくれた」などの声が寄せられるそう。

 現在、11ある登録認証機関のうち、大半は非営利法人や外資系企業とか。
 「認証業務は公平・中立が第一で、どの機関がやっても同じ品質であることが当然。その上で、ベンチャーから始めた当社はお客さま目線も大切に、市場に製品をタイムリーに投入できるよう〝三方よし〟を目指します」

#chapter2

製品の安全性を評価し、機器メーカーをサポート

 シュピンドラーさんのもとでは、2018年に業界の自主基準として設けられた「認定検査試薬制度」の確認審査も手掛けます。
 「認定検査試薬として品質の確認が得られると、承認審査期間中も使用を続けられ、早期の実用化を目指す一助となります」

 もう一つの事業の柱が、製品の安全試験です。医療機器やIT機器、家電、産業機械などさまざまな機器を扱い、国際規格や各国の技術基準にも対応。顧客の市場ニーズに合わせた検査体制を整えています。指定管理医療機器では、安全試験から認証までワンストップで行えます。

 「地域や製品区分ごとに安全基準は異なり、技術の進歩とともに検査も複雑化しています。最近は、医療分野に参入したいという問い合わせが多いですが、人体に関わる医療機器は特に基準が厳格です。新製品の検討段階からご相談いただけると、やるべき試験を開発計画に落とし込め、手戻りによる損失リスクを防げます」

 さらに、2023年から始めたのが、医療機器の品質マネジメントシステムISO13485の審査および認証です。
 「国内薬機法での認証の実績をもとに、国際規格の審査にも取り組んでいます。医療機器メーカーなどの品質管理体制に貢献したいですね」と語ります。

 関わった製品が市場に出ることが何よりの喜びというシュピンドラーさん。
 「ものづくりは、市場に流通してこそ意味があるもの。病院で医療機器を目にすると、つい認証番号をチェックします。当認証機関を示す記号『AI』を見つけたときは、お役に立てたとうれしいですね」

シュピンドラー千恵子 しゅぴんどらーちえこ

#chapter3

客室乗務員からドイツの半導体装置メーカーへ。チャレンジ精神が原動力に

 シュピンドラーさんは、航空会社の客室乗務員を経て、ドイツの半導体装置メーカーで技術営業などに携わりました。メーカーが日本市場から撤退する際、国内の顧客向けの保守サービスを引き継ぐ形で、独立しました。
 「EU諸国の安全基準を統一したCEマーキングが始まった頃、ある大手メーカーから、欧州の規制に適合できず、製品を出荷できないと相談を受けました。装置メーカーでの経験から現地の技術基準に精通していたので、アドバイスするようになりました」

 その後、日本のメーカーが欧州に製品を輸出する際、指令に適合させるのに苦心していると新聞記事で知り、「これだ」と思ったとか。欧州指令に基づく安全評価を手掛け、ドイツやオランダなどの認証機関から学び連携しました。

 転機となったのは、2005年の薬事法改正でした。
 「医療機器メーカーのお客さまから、国が行っている医療機器の認証を民間に門戸を広げるとお聞きしました。それまでは海外に目を向けていましたが、自国を見ないわけにはいかないと思い、経験を活かしてやってみようと考えました」

 創業以来26年にわたり、チャレンジを続けてきたシュピンドラーさんのモットーは、「We can work it out (やればできる)」。
 「お客さまの『困った』という声に応えたい一心で挑んできました。製品はさまざまな人の手を経て、苦労の末に生み出されるもの。ものづくりに込めた愛情まで受け取り、責任を持って世に出すお手伝いをします」

(取材年月:2023年3月)

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専門家プロフィール

シュピンドラー千恵子

医療機器の認証や製品安全試験でものづくりを支える専門家

シュピンドラー千恵子プロ

指定管理医療機器の認証機関、製品安全試験等

ナノテックシュピンドラー株式会社

「顧客ファースト」を大切に、製品の安全に関わる認証や評価試験で豊富な実績を誇ります。国の登録機関として、指定管理医療機器や体外診断用医薬品の認証を永年担当。海外基準にも精通し市場に合わせて対応します。

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