映像に命を吹き込むナレーションの専門家
鈴木まどか
Mybestpro Interview
映像に命を吹き込むナレーションの専門家
鈴木まどか
#chapter1
私たちが日常的に目にするテレビ番組やCMなどの映像。わかりやすい解説や臨場感あふれる表現力で、視覚から得られる情報をより一層印象づけてくれるのが、ナレーションです。
「洒落(Sharaku)」は、テレビやラジオの番組、企業や自治体の広報用映像などに声で出演するナレーターをマネジメント。自社スタジオ内に設けたアナウンスブースで、リモート収録も行っています。
「私どもでは、高性能のマルチオーディオ設備を完備しているので、質の高い音声を録音したり編集したりすることができます」と話すのは、自身もナレーターとして活動する代表の鈴木まどかさんです。
「複数の映像と音声データを共有できるライブスイッチャーも導入しているので、音声を乗せる際、クライアントさまもリアルタイムで参加してもらえます。『そこはもう少し明るく』とか『もっと情感を込めて』といった指示に瞬時に対応できるので、全国どこにいても現場に立ち合うのと変わらない感覚でディレクションすることができます」
鈴木さんのもとでは、後進を育成する少人数制のナレータースクール「パレット」も運営。本番を体感できるよう、実際の業務に使用するアナブースで実習を行っています。
「オンラインでも受講可能で、1年以上レッスンを受けた方は、当方に所属するためのオーディション資格が取得できます。現在在籍している人は全て、当スクールの修了生なんですよ」
ほかに、各界の著名人・文化人がコメンテーターや講師として登録。番組制作の際のキャスティングなども手掛けています。
#chapter2
主要放送局の番組や大手企業のCMなどで実績を積んできた鈴木さん。その美声が街中に初めて響き渡ったのは、「ウグイス嬢」としてでした。
「大勢の方に聞いてもらえるのでやりがいもありましたが、選挙カーや遊説会場で拡声器越しに同じフレーズを繰り返すイメージが強くて。言葉を届ける道を私なりに究めたいと、メディアの世界に飛び込み、テレビの世界で活躍するプロと行動を共にし、実地から見て習う日々を約3年間過ごしました。各方面に顔を出していたことが功を奏したのか、ある日『ワンフレーズだけ吹き替えをしてみないか』と声がかかったのです。次はワンカット、さらにはワンコーナーと起用される場面が増えていき、『特別上手ではないにしろ、人をひきつける素養がある』と認められるまでになりました」
目の前のチャンスをつかむために、また機会を与えてくれた人たちの期待に応えるために一生懸命に取り組み、ついにはプロとしてデビューします。
「一つ一つ丁寧に、持てる力を尽くして向き合う。そんな誠心誠意がんばる姿は、必ず誰かの目にとまるものです」
努力は無駄にはならないという鈴木さんの実体験から出る肉声は、スクール生の励みになっているそうです。
#chapter3
「技術は教わるものでなく盗むもの」という職人気質の師匠の下で修業した鈴木さん。何事にも手を抜かない、まじめな働きぶりにお墨付きをもらえるようになった頃、「自分が学んできたことや、語り手として大切な心構えを広く伝えたい」と考えるようになりました。
「たとえ数分の映像であっても、事前調査や取材、撮影に編集といったいくつもの工程があり、私たちの想像を超える膨大な時間と労力がかけられています。音声を入れる作業はそのプロセスの一つ。演出に影響を及ぼす大事な要素なので、大きな責任が伴うことを意識せずにはいられません」
さらに「用意された原稿を正確に読み上げるのはもちろんですが、誰が聞いても意味を取り違えることがないよう、細かな言い回しや抑揚にまで気を配るのが、私たちの役目です。日本語に対する深い理解と、生活者としての豊富な見識を備えていなければ務まりません」と続けます。
ナレーターの醍醐味は、マイクの向こうに何百人もの視聴者がいて、自分の声に耳を傾けてもらえること。表現者としてこの上ない喜びだと鈴木さんは語ります。
「私たちの仕事は、声質を磨き、発声や滑舌を練習すればOKというわけではありません。制作者の思いを代弁するためには、スキルだけでなく、真意をくみ取り、共感する人間力も養う必要があります。魅力的なナレーションを実現するために、私もまだまだ勉強の毎日です。レッスン生と一緒に、これからも成長していきたいですね」
(取材年月:2022年3月)
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Profile
映像に命を吹き込むナレーションの専門家
鈴木まどかプロ
ナレーターのマネジメント
株式会社洒落 Sharaku
高性能の音響設備を整えた自社スタジオで直営スクールの修了生である所属ナレーターによるリモートナレーション収録が可能。映像制作者の要望にフレキシブルに対応でき、時間的なロスを軽減します。
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