企業で重要な指標は、営業利益、利益剰余金、株価純資産倍率など様々ある。
経営者の考え、会社の存在意義、ステークホルダーの立場によって最重要指標は変わってくるだろう。
中には経費(接待交際費)が最重要という社長もいる。
が、多くのトップが気にかけているのは、まず売上ではないだろうか?
「年商〇億円」というわかりやすい見た目にこだわる役員も多い。
そこで最近、注目されているのがウェブサイトを売買する方法。
所謂「サイト売買」というものだ。
・ウェブサイトを売る
・ウェブサイトを買う
これらのいずれか、あるいは組み合わせることで企業の売上を確保していく。
具体的にそれぞれ解説していく。
サイトを売る
そもそもサイトを売るとは?
既存のウェブサイトを、別の個人や企業に譲渡することだ。
例えば、アフィリエイトサイト、ネットショップなどはよく売買されている。
ここで気をつけておきたいのは、「サイトというビジネスを譲渡する」という点だ。
ドメインだけ売却する、ネットショップのアカウントだけ譲るというのは、ビジネス譲渡ではない。
運営者(所有者)が変わっても、これまで通り収益をもたらすものを売却するのだ。
案外、この当たり前が分からずに売買してしまう個人や企業もいる、
特に買い手に好まれるのは、仕組み化されたウェブサイトだ。
買収後に手間もない。
その上、自分と同じように「キャッシュフローを産み出す資産を探している相手」に、いつか売却もできると思うからだ(事実、売却はしやすい)。
このような仕組み化されたサイトの買収は、不動産投資に近い感覚を持つ人がいるくらいだ。
収益性が高く仕組み化されていれば、新たなビジネスチャンスを求める買主にとって魅力的な資産となる。
売れないわけがないのだ。
なぜウェブサイトを売却するのか?
買い手であれば、「なぜ売却するのか?」と、疑問に思うだろう。
「収益性も高く仕組み化されていれる。であれば、ずっと保有していればいいじゃないか」と。
売り手の売却理由は様々あるが、代表的なものを紹介する。
1、モチベーションの低下
2、売却益の確保
3、働き手がいない(退職、運営者の病気など)
4、外部環境(ライバルの出現、法規制など)
ウェブサイトを売却することで売上をつくる
上記した「2、売却益の確保」を、サイトの立ち上げから計画している企業もいる。
私たちが運営しているサイトマ(ウェブサイトの仲介サイト)では、過去に10回以上も売却された企業がいた。
その企業は、「サイトの立ち上げ〜軌道に乗せる」までのステップが得意。
サイトの企画力がウリだった。
しかし、軌道に乗った後の運営は、モチベーションや人材も含めてないに等しい状態だった。
そこで、「サイトの立ち上げ〜軌道に乗せる」に特化し、サイトの売却で利益を確保していた。
その他、2回、3回の売却する個人や企業は珍しくない。
皆、売上をつくるために売却益に期待しているだ。
気になる売却金額は?
サイト売却市場に相場というものは存在しない。
売買金額は、売り手と買い手の双方で決めていくためだ。
しかし、「最終的におよそこのくらいの金額で合意することが多い」という基準となる計算式は存在する。
以下の通りだ。
直近半年の月間営業利益平均×Xか月=譲渡金額
「買い手が何ヶ月で買収金額を回収できるか?」という視点が基準となるケースが多い。
それを反映しているのが上記の式である。
変数であるXは、サイトのジャンルによって異なる。
参照:【サイトジャンル別】サイト売却の相場を専門家が徹底解説
また、コロナ中に在宅ビジネスが注目されてXは過去最大になった。
過去、最も高い金額で売買されていた。売り手市場だ。
しかし、コロナ後は人々の動きにも変化が出ている。
NISA、日経平均の高値などからマネーは株に流れていることや、インバウンドの活性化、引きこもり需要の低下などから、サイト売買の金額も高くなくなった。
変数Xはコロナ前に戻りつつある。
ただし、売れないということではない。良いサイトはいつでも高く売れる。
売却益を売上にのせることで企業の発展に役立てることはできる。
サイトを買う
サイトを買収するとは?
サイトの売却でも説明したが、「収益性ある仕組み化されたビジネス」を買うことだ。
既存のネットビジネスを丸ごと取得することができる。
説明するまでもなく、すでに収益が確保されているサイトであれば買収した企業の売上に貢献する。
特筆すべきは、企業がサイトを買収する際、その多くが事業買収となる点だ。
法人を丸ごと買収するケースと異なり、無形固定資産(ソフトウェア)を取得することになる。
無形固定資産(ソフトウェア)を資産に計上。5年の減価償却だ(国税庁からの回答)。
この点だけ特殊であるが、RC造の収益不動産は47年と比較するとキャッシュフローの恩恵を受けやすい。
買収したウェブサイトからの売上を得つつ、減価償却も活用できる点は見逃せない。
このように賢くサイト買収によって売上を確保(しつつキャッシュフローも厚く)する企業が増えている。