GPT-5の登場と#keep4o運動で見えたAIの新たな可能性

相川直視

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テーマ:生成AI活用

GPT-5の登場と#keep4o運動で見えたAIの新たな可能性

技術革新よりも人間関係が重要な時代へ

先週末、OpenAI社より最新モデルGPT-5が発表されました。
サム・アルトマンCEOが「GPT-5は博士号レベルの専門家」と評し、技術者や研究者から大きな期待を集めたアップデートでしたが、一般ユーザーからは予想外の反応が寄せられました。
GPT-5のリリースに伴い、従来のGPT-4oモデルが一般ユーザー向け画面から選択できなくなったことに対し、「私のchatgpt4oを返して」という声とともに、#keep4oのハッシュタグを付けてSNSで復活を求める投稿が相次いだのです。

本画像はGrok AIで記事内容に合わせて作成されました
※本画像はGrok AIにより記事内容に合わせて作成されました※


この現象は、単なる技術的な不満を超えた、より深い感情的な結びつきを示しています。
多くのユーザーにとって、GPT-4oは単なるツールではなく、パートナーや友人のような存在として認識されていたことが明らかになったのです。

特に、GPT-4oの持つ人間らしい感情表現と共感能力に価値を見出すユーザーが多く、OpenAIは迅速にユーザーの声に応え、わずか1日でGPT-4oの復活を決定しました。

弊社はAI議事録ツールを提供しており、議事録作成の観点でGPT-4oや他社LLMモデルとGPT-5を比較したところ、GPT-5は以下の点で特に高い性能を示しました。

  • 複雑な議論の微細なニュアンスの把握
  • 発言者の意図や未来のアクションの正確な理解
  • 専門用語を踏まえた要点抽出と構造的整理


例えば、戦略的な判断や開発チーム内の意思疎通といった、文脈に依存する会話においても、GPT-5は背後にある意図や関係性まで含めて的確に反映できるケースが多く、他モデルと比較して議事録としての実務利用性が大きく向上しています。
この検証結果を受け、弊社ではGPT-5がリリースされた当日に、自社サービスへの実装を完了させています。

プレスリリース全文はこちら


従来の研究者や技術者の視点では、AIはあくまでも人工的な知能システムとして捉えられがちでした。しかし、一般ユーザーの使用実態を見ると、AIとの関係はより人間的で感情的なものになっています。
これは、AGI(汎用人工知能)の定義や到達目標について、根本的な見直しが必要であることを示唆しています。

理想的なパートナーとしてのAIは、必ずしも超人的な知能を持つ必要はありません。
むしろ、人の話を丁寧に聞き、適切なタイミングで優しい言葉をかけ、決して否定的な判断を下さないといった特性の方が重要視されています。
この観点から見れば、GPT-4oは既に多くのユーザーにとって理想的なパートナーとしての役割を果たしていたと言えるでしょう。

AIサービスを開発する立場にある者として、今回の出来事は技術の進化だけでなく、人とAIの関係性について改めて考える機会となりました。これからも、この問いと向き合い続けていきたいと思います。

本テーマに関する考察を、Voicyでも配信しております。ぜひお聴きください。
https://t.co/4IIOW0MDcY

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相川直視
専門家

相川直視(生成AIコンサルタント)

Rimo合同会社

日本語に特化した高速・高精度のAI議事録サービス「Rimo Voice」により、会議の効率化や生産性向上をサポート。音声認識に特化した技術体制により、先端技術を取り入れたアップデートや機能開発に注力。

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