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声の原始的生命エネルギーに着目したオリジナルレッスン、声の道場「声ぢから」を主宰

声と音楽の可能性を広げるボイスアーティスト・声ぢから道場代表

佐藤慶子

佐藤慶子 さとうけいこ
佐藤慶子 さとうけいこ

#chapter1

呼吸・瞑想=心・声の三要素をバランスよく磨き、声本来の力を引き出し心身ともに元気でポジティブに

 声の原始的生命エネルギーに着目した、心と体と声のためのレッスン声の道場「声ぢから」を主宰する佐藤慶子さん。音楽文化を創造する「MuCuL(ミュウカル)」の代表を務め、オリジナル曲弾き語りコンサートやボイスアートパフォーマンス、映像制作などに取り組んでいます。

 「声ぢからは、呼吸・瞑想・発声の三要素をバランスよく磨くことで、その人が本来持つ声を引き出します。声だけでなく呼吸とメンタルが整っていなければ、相手に響く声は出せませんので、どんな場面でも慌てず、穏やかなマインドに戻れるよう心身を養います」

 年齢や経験に関係なく受講できる一般向けコースや、歌手、俳優、朗読家といった声を使うプロ向けコース、声ぢからレッスンの指導者養成コースなど、複数のコースを開講。個別・グループレッスンを用意し、個々のペースや希望を大切にしながら進めています。

 「レッスン冒頭で行う呼吸瞑想法を、レッスン中ずっと続けたいという方が時々いらっしゃいます。呼吸を整えリラックスすると、たまっていた疲れやストレスがふわっと表に出て自然と解放されるからです。中には帰宅後もその呼吸瞑想法を続け、睡眠の導入に用いる方もいらっしゃるようです」

 レッスン後は表情が豊かになり、表情につられ感情も豊かになる人が多いと言います。
 「全身を使って声を発すると筋肉がほぐれ、深い息ができるようになります。下腹部の中心あたりをしっかり動かす丹田呼吸法が身につくと緊張が和らいで腹が据わり、言葉に詰まることがあっても、力をすっと抜いて立て直すことができます。心・体・声は互いに影響を及ぼし合っているんです」

#chapter2

自らの経験とさまざまなジャンルの声楽の知見を生かし、独自のメソッドを開発

 幼少期からピアノや童謡を習っていた佐藤さん。4歳の時、歌の発表会に出ることになりました。
 「状況がよく分からないまま舞台に上げられ、客席の方に目をやると、暗闇の中で頭や体が動いている様子がぼんやり見えて。急に怖くなり、伴奏が始まっても声を出せず、曲が終わるまで固まっていました」

 この経験がトラウマになり、その後数十年にわたって人前で歌うことができなくなりました。
 「複数人であれば平気でしたが、一人ではやっぱり無理で。それでも音楽は大好きで、音楽大学の作曲科に進みました。同時期に、西洋クラシック、民謡や能といった邦楽、アジアの民族音楽など、ジャンルを横断して声楽を学び、ボイスアーティストとしても活動していました」

 卒業後は、ボイスレッスンや子ども向けの音感教育に携わる傍ら、耳が聴こえる人も聴こえない人も、視覚や身体感覚を通して一緒に音楽を楽しむワークショップを多数開催。培った知見をもとに、30代で「声ぢから」を始めました。

 「私が実践し、気持ちよく声を出すために役立つと感じたメソッドだけをお伝えしています。人前で歌えるようになりたいと、試行錯誤を重ねてきたことが生きていると思います」

 参加者からは「プレゼンテーションに対する苦手意識がなくなった」「音域が広がり歌のレパートリーが増えた」「学校に通えなくなっていたが、思考が前向きになり大学に進学できた」「70代に入って声がこもりがちになり、コミュニケーションに自信を失っていたが、自信を取り戻せた」など、うれしい報告が届きます。

佐藤慶子 さとうけいこ

#chapter3

古典芸術と現代音楽を融合した創作舞台「万葉弾き語り音女otome」を開催

 「何事にも真面目で、きちょうめんであることは素晴らしいことですが、声に関しては『こうでなければ』と構えずに、『おおらか・アバウト』をモットーにしましょう」と優しく呼び掛ける佐藤さん。レッスン中は、ほのぼのとした笑いが起きる時間を大切にしているそうです。

 「笑うと気持ちがほぐれ、参加されているみなさんの心の距離が近づきます。生徒さんが生き生きとした笑顔に変わっていく場に立ち会えることは、私にとって大きな喜びです」

 佐藤さんは、講師として数多くの人を迎え入れるとともに、作曲家やアーティストとして「五感の音楽」をテーマに精力的に活動しています。

 2009年からは、現存する日本最古の歌集「万葉集」をモチーフに、古典芸術と現代音楽を融合したオリジナル作品の制作を開始。都内を中心に、アカペラやピアノの弾き語りなどで構成する創作舞台「万葉弾き語り音女otome」を開催しています。

 「恋人や家族、友人に宛てた万葉集の和歌には情感があふれています。自然と溶け合いながら生きた、いにしえの時代のメッセージを、現代に届けたいと考えています」

 声を通して元気になる人が増えてほしいと、40年以上のキャリアをもとに、2023年秋からは「声ぢからPRO養成講座」をスタート。指導者の育成にも力を入れます。

 「ご自身の声を信じ愛することから、自分らしい表現力が高まり、魅力的に輝くことができます。あきらめない限り可能性は広がりますので、一緒に磨いていきましょう」

(取材年月:2023年6月)

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専門家プロフィール

佐藤慶子

声と音楽の可能性を広げるボイスアーティスト・声ぢから道場代表

佐藤慶子プロ

ボイスアーティスト

株式会社MuCuL(ミュウカル)

声の原始的生命エネルギーに着目した、心と体と声のためのレッスン「声ぢから道場」を主宰。自らの経験と幅広いジャンルの声楽の知見を生かした独自のメソッドで、参加者に元気を届ける。指導者養成にも尽力。

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