クライアントのビジョンや思いをかたちにするデザイナー西尾友里

クライアントのビジョンや思いをかたちにするデザイナー

西尾友里

グラフィック・WEBデザイナーとして印刷物やWEBサイトをデザイン

　「お客さま自身のことや、商品・サービス、事業内容についてよく知ることを大切にしています。知ることで好きになり、もっといいご提案ができないか、お客さまのために私にできることはないか、という気持ちになるんです」

　そう話すのは、「ルーチェワークス」の代表であり、グラフィックデザイナー・WEBデザイナーの西尾友里さん。パンフレットや名刺などの印刷物や、企業のロゴ、ノベルティといったブランディング・販促ツール、企業紹介のコーポレートサイト、ランディングページのデザインや動画編集を手掛けています。

　「お客さまの思いに耳を傾け、ビジョンを共有するため、丁寧にお話を伺うところからスタートします。使用する目的や顧客層のペルソナ（人物像）など、質問項目を記載したヒアリングシートも用意し、ご要望を整理します」

　小さなエピソードもヒントになることがあるので、何でも話してほしいと西尾さん。さらに、同業他社をリサーチしたうえで、訴求力を高めます。

　「デザインは見た目の好き嫌いで判断しがちですが、なぜこのデザインにしたのか、きちんと言語化してお伝えします。そうすると、『なるほど』『確かに自分のビジネスを視覚化するとこうなるかも』とご納得いただくことが多いんですよ」

　最近特に依頼が多いのは、企業のロゴです。モノクロ印刷に載せた場合や黒い背景にレイアウトする場合など、いろいろな使用シーンを想定して、バリエーションを用意します。
　「お客さまの会社の顔になるものですから、満足できるものを、時間をかけて制作します」

省庁が関係するプロジェクトのロゴデザインなど、デザイナーとして経験を積み独立

　子どもの頃から絵を描くことが好きだったという西尾さん。美術系の高校と大学を卒業し、印刷会社に入社しました。
　ポスターやパンフレット、冊子など紙媒体のデザインで実務を積み、2015年に求人サイトを運営する「マイナビ」に転職。アートディレクターとして、サイトに掲載する画像の制作や、就活イベントのブースで使用するPRツールの制作ディレクションなどに携わりました。

　2017年からは「ソニーミュージックグループ」へ。グラフィックデザイナーとして、アーティストのツアーグッズのデザイン、映像編集などに従事しました。
　「企業理念などを表し、シンボルとなるロゴについてもかなり勉強し、省庁が関係するプロジェクトのロゴを担当することができました。資料を読み込んでコンペティションに出した私の案を気に入っていただいたんです。そこからさらにブラッシュアップを重ね、かたちにすることができました」

　10年間の会社勤めの中で多様な案件を経験し、2021年に独立。「家族や親類に自営業が多かったので、将来は自分で開業することを目指していたんです」と語ります。

　すべての業務を自分で担い大変なことも多い一方で、クライアントからの反応や感想をじかに聞くことができ、やりがいを感じているそう。
　「ある教育機関のサイトリニューアルでは、訪問者がスムーズに問い合わせできるよう、導線を設計しました。ユーザーの使い勝手をよくしたところ、生徒数が3倍に増えたと喜んでいただけました」

著作権や肖像権に配慮したデザインで企業のイメージを守り、活動をサポート

　西尾さんが心掛けているのは、安心安全なデザイン。万一、著作権や肖像権を侵害してしまうと、企業イメージに傷が付くため、細心の注意を払っています。

　「起業する際、自分でホームページを立ち上げたり、名刺を作ったりする方もいらっしゃいますが、他者の権利を侵すといったトラブルを避けるためにも、私どもプロに任せて、本業に集中することをおすすめします」

　広く情報を届けるにあたってサイトは必要ですが、ターゲットによっては、さっと手に取って一覧できるリーフレットなども有効なケースがあるとアドバイスします。

　「ご覧になるのが主にシニア層ということで、文字を大きくし、読みやすく工夫したこともあります。紙面のスペースは限られているので、先方から提供してもらったテキストを簡潔にまとめ、また色使いもはっきりとさせて視認性を高めました。お客さまからは『紙もネット媒体も一括で頼めて助かる』という声をよくいただいています」

　仕事を通じてさまざまな企業やビジネスに出会えるのが、新鮮で楽しいと笑顔を見せる西尾さん。2023年11月に法人化し、中小企業や個人事業主など、これまで以上にクライアントの発展をサポートしていきたいと志を新たにしています。

　「社名の『ルーチェ』はイタリア語で光という意味で、お客さまの活動を支え、未来に明るい光をともしたいという思いを込めています。WEBや印刷物、プレゼン資料など、デザインに関することなら何でもご相談ください」

（取材年月：2023年10月）

クライアントの思いを視覚化し、ビジョンを明るく照らすデザインを

グラフィック・WEBデザイナーとして印刷物やWEBサイトをデザイン

省庁が関係するプロジェクトのロゴデザインなど、デザイナーとして経験を積み独立

著作権や肖像権に配慮したデザインで企業のイメージを守り、活動をサポート

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