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16マスの数字を四則演算で、答え「10」を導くキャナテンを考案

演算子を駆使するパズル「キャナテン」考案のパズル作家

金森正明

不動産会社の(有)夢・プラスを経営する一方で、パズルを考案
基本的なキャナテンと封筒への活用例

#chapter1

トランプ遊びから、キャナテンをひらめく

 金森正明さんは、港区赤坂で不動産会社「夢・プラス」を経営しています。その本業のかたわら、パズル作成にも勤しんできました。これまで、計算パズルなどで3つの商標登録を取っていますが、その中でも、普及させたいと考えているのが「Canaten(キャナテン)」です。

 「キャナテンは、縦4列×横4列の16マスに1から13までの数字を入れ、縦4マス、横4マス、斜め4マス、中央4マス、右上4マス、左上4マスなど18通りにおいて、答えが10になるように四則演算(+-×÷)を使って計算式を求めていくパズルです。計算式は、必ず3つ使うものとします」
 
 「CAN(できる)+ANSWER(答え)+TEN(10)」で、キャナテンというわけです。16マスには、18通りすべての答えが10になるように計算された数字が配置され、ところどころマスが空白になっていたり、必ず引き算を使う、かけ算を使うなどの応用編もあります。

「例えば横一列を計算するときに、同じ列であれば、必ずしも隣り合った数字で計算しなくてもOKです。計算した答えと答えを掛けたり、足したりすることも認めています。1つ目と2つ目の計算式で、小数点になったり、0になったりしてもかまいません。しかし、3つ目の計算で必ず10にしてください」

 切符や車のナンバーの4つの数字を四則演算で10にする「メイクテン(10パズル)」という遊びもありますが、キャナテンはいわばその発展型。金森さんは、トランプで占い遊びをしていたときにキャナテンをひらめいたといいます。使う数字が1から13なのは、トランプから発想を得ているためです。

 「一般的に、算数の問題は答えを導き出すものです。でも、キャナテンや、もう一つのしりとり算もあらかじめゴールを設定しています。双六なら「上り」かな。人生と同じで、どういうルートで、ゴールにたどり着けるかが面白いところです。ルートが一つではないのも特徴といえますね」

 金森さんが作成したキャナテンは、著作権フリーで誰にでも使えるようにしています。また、16マス18通りで答えが10になるように作れば、キャナテンと認定しています。

#chapter2

販促物への活用や新聞・雑誌のクイズコーナー掲載に意欲

 「捨てられるものに、命を」という思いが、金森さんがパズル制作を始めたきっかけでした。
 「チラシや封筒などの販促物は、ポイと捨てられがちなもの。それをどうにか手元に長く残してもらえないかと考え、パズル掲載を考えたのです。環境にもよいですよね」

 実際に、金森さんの会社のチラシや封筒には、創作パズルが掲載されています。
 「たとえば観光地の観光案内やマップに入れてもいい。会社の販促物に採用してほしいですね。さらには、子どもたちの計算力アップや、脳活にもおすすめ。雑誌や新聞のクイズコーナーへの掲載も大歓迎です。興味を持ってくださった方からの、ご連絡をお待ちしています。また、アプリ化も検討しているので、アプリやゲームのプログラマーさんとの交流も期待しています」

 キャナテンのバリエーションとして、トランプを使った対戦型のキャナテンもあります。
 「2人で、ジョーカーをのぞく52枚を2セットに分け、トランプを1枚ずつ出し合って、四則演算で10にしていくというものです。なぜ、その数字を出すのか、説明力も求められます。子どもたちに、ぜひ遊んでもらいたいですね」

一筆しりとり算や立体一筆書きも商標登録済み

#chapter3

キャナテンをベースに、多彩なバリエーションも

 若い頃からパズル作成は趣味で、年賀状などに自作のパズルを載せたりしていましたが、本格的なパズル制作は、なんと60歳を過ぎてから。「アイディアがどんどんわいてきて、考えるのが楽しい」と金森さんは笑顔をみせます。「思いついたことは、すぐにメモできるように、紙と鉛筆を常に携帯している」と言います。

 商標登録を取得しているパズルには、「しりとり算」や「立体一筆書き」があります。
しりとり算は、ところどころに空白のマスを作り、入るべき演算子、数字を想定していきます。わずかな手がかりを頼りに、1つめの計算式の答えを、2つめの計算式の頭にもってきて、しりとりの要領で、どんどん四則演算を繰り返し、最終的に答えが10になるようにします。

 立体一筆書きは、「平たい紙の上に描かれた一筆書きのコースに、穴をあけて裏側へ行けるようにして、一筆書きを立体化したところがポイント。そもそも一筆書きは昔からありました。18世紀になり、数学者オイラーさんが図柄を見て、一筆書きが可能か不可能か、その判断を初めて理論立てしました。自分の立ち位置は、2次元を3次元化したことで、200年ぶりの進化だと思っています」と金森さんは話します。

 これから商標登録を申請予定の計算パズルもあるとか。数字特有の個性をベースにした計算パズルは、まだまだバリエーションが広がっていきそうです。

(取材年月:2021年3月)

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金森正明

演算子を駆使するパズル「キャナテン」考案のパズル作家

金森正明プロ

パズル考案

夢・プラス有限会社

縦4列×横4列の16マスに1から13までの数字を入れ、縦4マス、横4マス、斜め4マスなど18通りにおいて、答えが10になるように四則演算を使って、計算式を求めるパズル「キャナテン」を考案。

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