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教育を通して労働者の安全や建築業界の発展に寄与すべく活動

建設業界の労働災害を防ぐ、安全衛生教育アドバイザー

石原鉄郎

安全衛生教育はeラーニングで完結

#chapter1

時間や場所に制約されないeラーニングで建設業者の安全衛生教育をサポート

 「従業員を、危険または有害な物質を扱う業務に就かせる場合、事業者は労働災害を防止するための安全衛生教育を行わなければなりません。しかし案件などに追われて忙しく、思うように実施できていないケースも多いのではないでしょうか。当方のeラーニング教材を使っていただければ、時間や場所に制約されず、従業員が自分の都合に合わせて学習できます」

 こう呼びかけるのは、「建設業教育協会」の代表・石原鉄郎さん。建設業者に欠かせない安全衛生教育を、インターネット上で展開する“eラーニング”を2021年から提供しています。
 「パソコンやスマートフォンを利用でき、何度でも繰り返し学習できるメリットがあります。また、受講状況をチェックできるよう、顔写真をあらかじめ登録し、講座を受ける際に本人確認をする顔認証システムも採用。実施記録の保存や、受講証明書も発行できます」

 サラリーマン時代に、建設現場の工事監督やビルの設備管理業務を担当していた石原さん。労働安全衛生コンサルタントをはじめ、取得した国家資格は40を超えます。現在提供する全15講座は自ら講師となり制作したもので、これまでに延べ1500人が受講しています。

 「安全衛生教育にはいくつもの種類があります。必ず実施しなければならないものと、努力義務のものがあり、それぞれ対象者や実施するタイミングなどが異なります。そのため、自社にどんな教育が必要なのかを正確に把握していない事業者も多いようです。お困りの際は、当方がお力になります」

#chapter2

従業員の命と企業の信頼を守るためにも「リスクアセスメント」を学ぶことが重要

 事業主からの依頼で多いのが、新たに職務に就く従業員に向けた「職長・安全衛生責任者教育」です。
 職長は、作業員の適正配置や指揮・指導、作業手順の策定、現場の安全管理などに取り組みます。安全衛生責任者は、元請けである統括安全衛生責任者をはじめ、現場に携わる関係業者との連絡・調整を担います。職長が安全衛生責任者を兼任することもあります。

 「労働災害は、従業員の生命を脅かすだけでなく、企業の社会的信用も失墜させます。作業を円滑に進めていく上で、職長と安全衛生責任者は、現場に潜む危険性や有害性を洗い出して低減する、『リスクアセスメント』について熟知しておくことが求められます」

 労働災害の中で最も多い高所からの転落については、落下防止のネットを張る、はしごを堅固な構造物で固定する、ハーネス(安全帯)を付ける、ヘルメット(保護帽)を着用する、などの施策を挙げます。

 石原さんのもとでは、2024年4月から選任が義務化される化学物質管理者の講習にも対応しています。
 「これまでは、国が化学物質のリスクを評価し、その取り扱いを法令で定めていましたが、今後は各事業所で対策を講じることになります。有機溶剤を扱ったり、粉じんが発生する場所で作業したりする場合は、併せて保護具着用管理責任者の講習も必要になります。当方は法律に関する知識を備えておりますので、お問い合わせいただければ、御社の実務に即した安全衛生教育についてアドバイスさせていただきます」

#chapter3

建設業の学校「コンスク」を掲げ、施工計画を立てる「建設業工程プランナー」資格も創設

 ビデオ会議ツール「Zoom」を活用し、オンラインで企業研修を行うほか、資格試験の指南書など30冊以上の著書がある石原さん。実績を積み、お世話になった建設業界へ恩返しがしたいと協会を設立しました。

 建設業の学校「コンスク(コンストラクション・スクール)」を掲げ、教育を通じて労働者の安全性の向上と、業界の発展に寄与したいと話します。
 「通信制の短期大学にも籍を置き、どのようなシステムで大学が運営されているのかを経営面から学んでいます」

 施工計画を手掛ける「建設業工程プランナー」を育成することを目的に認定資格も立ち上げ、商標登録もしています。
 「品質、安全、コストを管理する上でベースになるのが工程です。また、働き方改革が推進される中、労働時間の削減など労務管理でも適切なスケジュールを立てていくことが重要です。専門的なスキルを備えた人材を育て、少しでも業界のお役に立ちたいと思っています」

 近年は、デジタル技術により効率化を図るDX化(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいることから、まずはeラーニングから始めてほしいとも。
 「当方では、今後も高所作業車運転やテールゲートリフターなどの特別教育をはじめ、施工管理技士といった各種資格を取得するための講座を充実させていきます。スキルアップを目指す従業員の方々の福利厚生として使っていただけると、事業主の方と従業員の方々がWin-Winの関係になれて、事業の発展につながるのではないでしょうか」

(取材年月:2023年8月)

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専門家プロフィール

石原鉄郎

建設業界の労働災害を防ぐ、安全衛生教育アドバイザー

石原鉄郎プロ

安全衛生教育アドバイザー

一般社団法人建設業教育協会

労働安全コンサルタントをはじめ、多数の技術系国家資格を取得し、資格指導講師の経験も豊富。自ら講師となり、教材を制作。受講者の顔認証システムや、講習の実施記録、受講証明書の発行もeラーニング内で完結。

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