PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

鍼灸専門学校の教員が手掛ける、続けたくなる体の整え方

鍼灸専門学校の教員として幅広い経験知を持つ鍼灸師

舘野立人

舘野立人 たてのりゅうじん
舘野立人 たてのりゅうじん

#chapter1

中医学をベースにした強めの刺激から刺さない鍼まで、自分に合った刺激量を選べる

 JR大塚駅から徒歩約3分にある「大塚ひりゅう鍼灸院」。運営会社「ひりゅう」代表で院長の舘野立人さんと妻のひろみさん、各スタッフがそれぞれのスタイルで鍼灸ケアを行うのが特徴です。
 「鍼(はり)の太さや刺す深さ、経穴(ツボ)によって無数のケア方法があるため、『施術法に正解はない』をモットーに、スタッフの得意分野を尊重しています。施術はマンツーマンだからこそ、人と人との相性が大切。自分に合った担当者に出会ってほしいですね」

 鍼灸師を選ぶ目安として、スタッフごとに「鍼の刺激量」を示しているのも、舘野さんのアイデアです。
 「刺激量を0~10で数値化しています。痛みが苦手な方には、鍼を当てるだけの〝接触鍼〟や〝鍉鍼(ていしん)〟という刺激が少ない方法も。固まっている筋肉に鍼を刺したときに感じる〝響き〟を好む方には、刺激を強めることもできます」

 舘野さんは、刺激量「4~10」で、中国伝統の中医学と現代鍼灸をベースにした施術を行います。まずは問診で、顔色や舌、脈など全身の状態を把握。
 「中医学では、不調が出ているところだけでなく、体全体のバランスを見ます。また現代鍼灸では、解剖学や生理学など西洋医学的な観点から不調をとらえ、滞りのある経穴を見極めています」

 得意とするのが、背骨の際に沿って鍼を刺す手法「盤龍刺(ばんりゅうし)」です。
 「背中の中心を通る経絡(けいらく)の流れにアプローチし、固まった筋肉をゆるめ、本来の動きを取り戻すよう導きます。息を吸ったときに胸が広がりやすくなり、呼吸が深くなることで自律神経を整えたり、筋肉の緊張をほどいたり、さまざまな作用が期待できます」

#chapter2

10年以上にわたる鍼灸専門学校の専任教員としての豊富な経験知も強み

 10年以上にわたり、鍼灸専門学校の専任教員としての顔も持つ舘野さん。東洋医学などの講義から臨床実習まで幅広い科目を受け持ち、これまで1000人以上の卒業生を送り出してきました。
 「鍼灸院を始めたのは、現場の経験を学生らの指導に生かしたいという思いからでした。当初は卒業生に向けてほそぼそと営業していましたが、徐々にクチコミで一般のお客さまが増えたので、2017年に池袋に1号店を開業し、続く大塚店を2022年にオープン。学生らの雇用の受け皿にもなればと考え、卒業生をスタッフとして迎え、事業を拡大してきました」

 舘野さんがこの道に進んだきっかけは、自身が受けた足つぼマッサージでした。
 「営業の仕事で体がつらかったので、行きつけのスーパー銭湯で試してみたところ、全身がスッキリしました。たびたび通う中で、整体師の民間資格があることを聞き、『人を癒やす仕事がしたい』と思うようになりました」

 民間資格を取得し、整体院や接骨院などで実務経験を積みながら、スキルアップとして国家資格である柔道整復師を目指すことに。
 「通っていた専門学校で鍼灸学科を新設すると知り、はり師・きゅう師もあわせた三つの資格を取得。体の痛みのみならず、生理痛や便秘など幅広いお悩みに応えられる鍼灸に魅力を感じました。鍼灸学校の教員という道もあると知り、さらに2年間学ぶことに。そこで中医学に触れ、滞っている血の流れをスムーズにして不調に働きかけるという理論に面白さを感じました」

舘野立人 たてのりゅうじん

#chapter3

日常的に通いたい鍼灸院を目指し、くつろげる雰囲気づくりも重視

 舘野さんが目指すのは、「日常生活に溶け込む鍼灸院」です。
 「鍼は、何らかの症状が出る以前の〝未病〟の状態から体を整え、人が持っている自然治癒力を高めることが本来の役割です。『今日ははりの日』とするなど、会社帰りや家事の合間、休日のひとときなど、定期的に利用してもらえたら。心身ともに健やかな状態を保つには、2週間に1度くらいの頻度でメンテナンスしていただくのが理想です」

 大塚店では、木を基調にした和テイストのインテリアでまとめ、リラックスできるゆとりある空間づくりにもこだわっています。通いやすいよう、お得な会員制度も用意。将来的に、東洋医学やお灸について学ぶ勉強会を開催する計画もあるそうです。

 「来られたときは、浮かない様子だったお客さまが、晴れ晴れとした表情で帰られるのを見るのが、何よりもうれしい瞬間です。『よく眠れた』『お通じがきた』など、施術の翌日に報告をいただくこともあり、鍼の力を感じます」と笑顔を見せる舘野さん。

 鍼に「痛そう」「何となく怪しい」と、ハードルを感じている人も多いでしょう。
 「初めての方や恐怖心のある方には、鍼を刺さない手法や、ほとんど刺激を感じない刺し方などもあり、オーダーメードでケアをご提案できます。体の不調にお困りの方から、日々の健康管理まで、幅広く対応できるのが鍼の魅力です。一度お試しいただき、長く付き合える鍼灸院を見つけてほしいですね」と語ります。

(取材年月:2023年5月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

舘野立人

鍼灸専門学校の教員として幅広い経験知を持つ鍼灸師

舘野立人プロ

鍼灸師

株式会社ひりゅう

中医学や現代鍼灸をベースにした響きの感覚を重視する施術から、刺さない鍼まで、オーダーメードの鍼灸ケアで一人一人に寄り添います。10年以上にわたる鍼灸専門学校での教員経験に基づく確かな知見を発揮。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ東京に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または朝日新聞が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO