飛行機・ヘリコプター免許取得を実現するフライトインストラクター石森圭

飛行機・ヘリコプター免許取得を実現するフライトインストラクター

石森圭

航空機免許を海外で取るメリット

　ファーイーストアビエーションは、飛行機やヘリコプターのパイロット養成スクールを運営する会社。代表を務める石森圭さんは、長年、航空機免許取得のための指導などに携わり、特に免許を海外で取得する際のサポートに豊富な実績をもっています。

　現在、日本の自家用操縦士免許保持者の約半数は、海外で取得しています。その理由について、石森さんはこう語ります。
「日本国内で飛行訓練を行う場合、免許取得に要する費用は海外に比べると2倍あるいは3倍にもなる事があります。気象条件もあまり良くはないので、費用だけでなく期間もかかってしまっています。また、日本でパイロットライセンス取得の為の試験を受ける場合、国土交通省航空局の試験官が審査する、いわゆる『一発試験』を受けることになります。試験官の数も限られているので、いつでも試験が受けられる訳でもありません。諸外国では、車でいう『認定自動車教習所』のように、民間の試験官による審査を受けられるので、比較的短い期間で免許が取得できます。」
　各国の免許制度、また日本の免許への切り替えなどの制度を熟知する石森さん。様々な国で免許を取得するプランを用意して、免許取得希望者の目的に合わせコースを提案しています。
「まず、航空人口が多くスケールメリットにより低価格での取得を実現しているアメリカ。また地理的な近さが魅力のインドネシアやフィリピン、中国。そして、当社が特にパイオニアといえる国がウクライナです。訓練期間が比較的短く、また非英語圏の人が話す英語は聞き取りやすいので、英語があまり得意でない人でも十分に免許取得が可能です」

「教える」技術で合格へ導く

　石森さんは大学卒業後、米カリフォルニアにわたり、飛行機の免許を取得。パイロットを目指す人への指導教官として30年以上務め、アマチュア、プロ双方に多数の人材を輩出してきました。民間のスクールだけではなく、航空専門学校や大学講師としても招聘され、後進の指導に当たっています。
　石森さんの、他社と一線を画する強みは、まさに「教えるプロ」であることです。
「パイロットとして操縦する技術だけではなく、指導技術を研鑽してきた人は決して多くはありません。優秀なパイロットが優秀な教官であるとは限らないのです。パイロットの育成には基礎力が大事です。当社では系統だった座学教育ができる教官の育成にも力を入れています」

　基礎を重視した座学教育は、海外免許の取得にも大きく生かされます。ファーイーストアビエーションでは、海外訓練前の日本における座学が充実。航空機の構造や計器の見方、また海外で訓練を受けるために必須となる英語の航空専門用語なども丁寧に講義しています。
「基本的な知識を日本語の授業でしっかり身に着けることで、海外で行う実技の理解は異なるものになります。海外で教習を行う期間をできる限り短縮し、スケジュールや費用に無理がかからないようにすることが大切です。Skypeなどを使った講義も実施しており、忙しい方でも無理なく講義を受けることができます」

日本の航空人口を増やすには？

　石森さんがファーイーストアビエーションを起業した目的の一つでもあり、自身のライフワークであると語るのが、日本の航空人口を増やすこと。
「現在、身体検査などをクリアしてアクティブな状態にあるパイロットのライセンサーは、アメリカでは約23万人、ドイツ約6万人、フランスが約4万3千人といわれている中、日本は約2400人しかいません。パイロットのすそ野を広げ、航空機の操縦を身近なものとする業界を挙げた努力が必要です」
　石森さんは、ファーイーストアビエーションの他、航空人口を増やす為の社団法人を設立し、航空機や免許制度に関する啓発に努めています。
　また、フライトクラブ「スカイネット飛行倶楽部」を組織し、ペーパーライセンサーからベテランまで、丁寧な指導の下、フライトの機会を提供。定期的な勉強会で、技術や知識のブラッシュアップも行っています。免許取得のみならず、フライトをより安全に、長く、楽しく行うための環境づくりに取り組んでいるのです。

　最後に石森さんに、なぜ日本で、航空機パイロット人口が増えないのか、聞いてみました。
「免許を取得するための情報が不足していることではないでしょうか。『航空機を操縦してみたい』と考えている人は少なくないのですが、費用や時間、英語力、年齢や身体条件などの要因で『無理だ』と先入観を持っている方が意外と多いのです。何らかの理由で免許取得をあきらめている方も、不安をクリアする方法はきっと見つかります。私と一緒に考えていきましょう」と頼もしく語ってくれました。
　パイロットに憧れを持ちながら、自分とは無縁だと感じている方にとって、石森さんは夢に現実味をもたせ、遠い「空」をぐっと近づけてくれる存在になってくれそうです。

（取材年月：2019年10月）

心強いサポートで「空」への夢を実現

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