小規模ブースがBtoB展示会で成果を上げるポイント
BtoB展示会に出展を検討する際、多くの企業は「どのように認知度を高め、リード(見込み客)を獲得し商談をするか」という目標を最優先に考えます。しかし、実際には「会場でどれだけの広さのブースを確保できるか」という制約が大きく影響し、ブースの広さによって取り組める施策の幅は大きく変わります。本コラムでは、ブースサイズと目標設定の関係性について考えてみましょう。
小規模ブースの場合:名刺獲得に割り切り、アフターフォローを強化する
予算や会場の都合などで、小規模ブースしか確保できない企業は少なくありません。ブースが小さいと豪華な装飾や大人数を収容できる商談スペースが取りづらく、演出も制限されます。
そこで有効なのが、名刺獲得を主目的に“割り切る”戦略です。限られたスペースだからこそ、「いかに来場者をブースに誘導し、名刺交換をしてもらうか」に注力すると良いでしょう。
ノベルティの工夫
興味を惹くノベルティを用意し、「名刺交換をいただいた方にプレゼントします」と呼びかける。興味を引くノベルティは必ずしも高価な物ではなく、水のペットボトルやお菓子などの簡単なものでも十分なケースが多くあります。
簡易プレゼンやデモ
タブレットや小型モニターで短時間のプレゼンを行い、ブースが小さくても製品・サービスの魅力を伝えることができます。
明確なキャッチコピーやアイキャッチ
見た瞬間に「どのような価値を提供するのか」が分かるパネルや立て看板などを用意し、視覚的な印象を強める。
さらに、小規模ブースだからこそ重要になるのが、展示会後のアフターフォローです。 会場では「名刺交換」を優先して数多くのリード(見込み客)を得ることに集中し、展示会終了後にいかに効率的かつ効果的にフォローアップを行うかが成果を大きく左右します。アフターフォローが展示会本番と言っても良いでしょう。具体的には以下のような施策があります。
展示会直後のお礼メール送付
お礼とともにサービス紹介ページへのリンク、今後の案内を希望するかどうかなど、簡潔かつ丁寧にフォロー。
個別のオンライン商談設定
名刺交換時に軽くヒアリングしたニーズをもとに、オンラインで追加のデモや詳しい説明を提案する。自社展示会にショールームを設置し来てもらう。
ニュースレターや定期配信
リストを整理した上で、必要に応じて製品の最新情報や活用事例などを定期的に配信し、関係を長期的に維持する。
展示会でのブース規模が小さいのはデメリットに見えますが、名刺獲得とアフターフォローに特化した“割り切り戦略を取ることで、比較的少ないリソースでも高い費用対効果が期待できます。
大規模ブースの場合:複合的な目標設定が可能
ブースに十分な広さがある場合、演出やレイアウトの幅が広がり、複数の目的を同時に追いやすいメリットがあります。
セミナーやミニ講演会の開催
スペースを確保し、定期的にミニセミナーを実施することで、来場者を一度に集めて製品やサービスの魅力をアピールできる。
個別商談ブースの設置
興味を持ってくれた見込み客と、静かな環境でじっくり話すことで、質の高いリードを獲得する。
ブランド体験を提供する空間づくり
装飾やデジタルサイネージを駆使して世界観を演出し、ブランドイメージを高める。
大規模ブースでは、名刺交換に限らず、「商談獲得」「ブランド認知度向上」「新製品体験」など複数の目標を並行して追うことができます。しかし、その分リソースを分散しがちなので、最優先すべきKPIを明確に定義しておくことが大切です。
実情:十分なブースサイズを確保できない企業が多い
理想は大きなブースを用意して、認知拡大から商談創出まで包括的に行うことですが、多くの企業は予算や出展枠の関係で十分なスペースを確保できないのが現実です。そうした場合でも、小規模ブースに合わせた目標設定と施策を講じることで、展示会出展の費用対効果を最大化することができます。
また、どうしても大規模ブースを希望するなら、共同出展や他企業とのコラボを検討する選択肢もあります。関連領域の企業と共同でブースを構えることで、費用を分担しながら大きなスペースを確保し、相乗効果を狙うことも可能です。
まとめ
ブースサイズに応じた最適な目標設定で成功をつかむ
展示会の成功は、企業が自社の強みや提供価値を正しく理解し、それを“ブースサイズに合わせて最大限にアピールできるか” にかかっています。
小規模ブース
名刺交換を主目的に割り切る引き換えノベルティやミニプレゼンで効率的に集客展示会後のアフターフォローを徹底し、獲得リードを有効に活用する
大規模ブース
セミナー・個別商談・ブランド体験など複数の目標を設定その分、運営体制やKPIの明確化が必須
いずれにしても、ブース規模を考慮したリアルな目標設定を行うことで、展示会から得られる成果を最大化できます。制約があるからこそ小回りの利いた戦略を打ち出せるのが小規模ブースの強みとも言えますので、ぜひ自社の状況に応じた出展方法を検討してみてください。
小規模ブースの戦略についてはこちらのコラムでも紹介しています。
https://mbp-japan.com/tokyo/clain/column/5200274/



