BtoB展示会ブース装飾の基本知識
以下では、近年注目度が高まっている「ファブリック(布材)」を活用したBtoB展示会ブース設計について、そのメリットとデメリットを解説します。軽量で持ち運びやすい一方、メンテナンスや耐久性の問題など、ファブリック特有の特徴を理解して上手に活用することが重要です。
1. ファブリックブースとは?
通常、展示会ブースの壁面やパネルは木材やプラスチック、金属といった硬質素材で構成されることが多いですが、近年は生地(ファブリック)を用いてブース全体を構築する手法が増えています。大型のファブリックパネルをフレームに取り付けたり、布の立体構造を演出に使ったりと、デザインの幅も広がっています。内部にLEDライトを入れた内照式と入れていない非内照式があり、他の素材ではできない表現ができることが特徴です。

2. ファブリックブースのメリット
(1) 軽量で設置・撤去がスピーディ
- 軽量性 / ファブリック素材は硬質なパネルや金属パーツに比べて圧倒的に軽く、ブースの設営や撤収にかかる負担を大幅に軽減します。
- 輸送コストの削減 / 輸送時の重量が軽いため、運送費を節約できることも大きなメリットです。
(2) デザインと空間演出
- 大きな面積のプリントがしやすい / 広告やブランドロゴを全面に大きく印刷しても、継ぎ目や厚みが目立ちにくい。
- 照明との相性が良い / ファブリックを透過させるライティングや、裏面から光を当てるバックライト演出により、印象的なブースを演出できます。
(3) 持続可能性(サステナビリティ)の観点
- 再利用が容易 / ファブリックは一度プリントしておけば、同じデザインを使う場合は長期間再利用できます。
- 軽量による資源・エネルギー削減効果 / 軽量ゆえ、輸送の際の燃料消費を抑えられるなど、環境負荷を減らしやすいという側面もあります。
(4) 美しさと仕上がりの安定感
- 木工ブースの綺麗さととシステムブースの安定感を両立 / 木工ブースでは大工の腕により仕上がりが左右されることが多い一方、オクタノルムなどのシステムブースは仕上がりは均一になりやすい。ファブリックブースは均一性と仕上がりの綺麗さが両立可能。
(5) 施工の安全性・効率性
- 施工時の危険が少ない / 布をフレームにセットする作業が中心となるため、重いパネルを高所に持ち上げるようなリスクが軽減。
- 施工時間の短縮 / パネルの組み立てや細かな調整が必要な木工ブースに比べ、短時間でブースを完成させられるケースが多いです。
3. ファブリックブースのデメリット
(1) 耐久性や汚れへの弱さ
- 破れやすい・傷みに弱い / 摩擦や突起物に弱く、破れやほつれが生じる可能性があるため、取り扱いには注意が必要。
- 汚れやシワが目立ちやすい / 展示会場は人の出入りが多く、ファブリックに触れる機会も多いので汚れが付着しやすい。汚れを落とすためのメンテナンス費用や手間が増える場合がある。
(2) 曲面の造作は不得意
- 曲線のあるブースデザインが苦手 / 木工ブースによくみられるような曲線を全面に出したブースデザインの場合注意が必要です。多くの部材が必要になってしまい、コストがコストがかさんでしまう事があります。
4. まとめ
ファブリックを活用したBtoB展示会ブースは、軽量・施工のしやすさ・柔軟なデザイン表現といった大きなメリットがある一方、耐久性や汚れ対策、防炎対応といった課題も存在します。
競合との差別化を図るためには、素材選定から施工、演出方法に至るまで細部にこだわることが欠かせません。必要なメンテナンス計画とコストを見据えたうえで導入し、ファブリック特有の魅力を最大限に活かしたブースづくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
株式会社クレインでは専用のシステムを活用したファブリックブースを日本でいち早く提案しています。ぜひ次回の出展の際にご検討ください。



