BtoB展示会ブース装飾の基本知識

展示ブースの小間

展示会のブースは小間(コマ)という単位で出展者に出展場所が貸し出されます。主催者は展示会ごとに展示会場を小間単位に分けた小間図という図面を用意し、それをもとに出展者を募ります。
小間の場所により来場者が多く通る場所、出入り口に近い場所、セミナー会場に近い場所など、誘客にとって有利不利があるため、出展者は小間の場所を指定して申し込むこともあります。
小間は、1 小間が最小(RXJapan 主催は 0.5 小間)で、幅 2〜3m 奥行き 2〜3m 程度となります。4小間の場合は1小間の4倍の面積となりますが、1小間が横に並んだ1×4小間や、正方形に近い 2×2小間など、場合によって変わることがあります。
出展料は 1 小間((RXJapan 主催は 0.5 小間)で 30 万円から 50 万円程度となっており、最近では料金が上昇傾向にあります。

展示会ブースの種類

展示会ブースには大きく分けて木工ブースとシステムブースがあります。最近では両方を組み合わせたハイブリッドブースも多く見られます。

システムブース

展示会でシステムと言うとオクタノルムのことを指すことがほとんどです。オクタノルムとはドイツのオクタノルム社が販売しているアルミを使った展示ブース専用の部材です。アルミ・フレーム部材は、ビーム(梁)とポール(柱)をテンションロックと呼ばれる製品で接続し、4 mmパネルをはめ込むことで壁面などを構築します。オクタノルムでの施工は専門の会社があり、多くの在庫を持ってレンタルをしています。
システムブースの一番の特徴は価格が安いことです。部材はレンタルであり、組み立てはアルバイトが多いため価格を安く抑えることができます。また、現地で組み立てるためコンパクトにまとまりやすく運搬費も安くなります後述の基礎パネルもシステムで作られていることがほとんどです。システムはオクタノルム以外ではマキシマライトが有名です。

木工ブース

木工ブースはその名の通り木材で作られたブースです。木で作られた壁面や展示台などに経師紙という薄い壁紙を、糊で貼り付けます。壁紙にはグラフィックを印刷することも可能です。木材は加工がしやすく専門の設備を持った会社もあるので自由なサイズや形にブースを作ることが可能です。オーダー要素が高い分金額も高くなります。

マニュアルと装飾規定

展示会には出展マニュアルが必ずあります。出展マニュアルでは展示会の概要、全体スケジュール、災害時対応など様々なことが書かれています。展示会ブースの計画については装飾規定が定められており、ブースの幅、奥行き、高さなどのブースサイズの制限、会期中に出して良い音の音量、火気の使用可否などが記載されています。もし規則を破ったブースを設置した場合、主催者から撤去の指示が出されることもあるので、注意が必要です。

基礎パネルとスペース渡し

ブースの小間には基礎パネルやパンチカーペット、照明器具などがあらかじめ含まれている場合や、これらが含まれていない、スペース渡しと呼ばれる場所だけを貸し出される場合があります。
基礎パネルとはシステムパネル(オクタノルムなど)を使って小間を仕切る壁面のことを言います。基礎パネルの有無に関わらず、出展者は隣接(他社)ブースとの境界線に壁面を立てる必要が装飾規定に書かれているケースが多いです。展示会の中で大きい小間を申し込んだ出展者には4方を通路に囲まれた、島コマと呼ばれる場所が貸し出されることがあります。この場合、基礎パネルはなく、スペース渡しとなりますが、隣接ブースの境界線もないため、壁面を立てる必要はありません。自由度の高いブースとなります。