展示会出展の目的の整理
このコラムでは展示会でよく使用される用語の解説をしております。マーケティング用語に加え展示会特有の言葉もありますのでぜひチェックしてみてください。
1. 展示会関連
展示会 (Trade Show / Exhibition)
自社の商品・サービスを来場者に直接アピールする場。来場者には、製品を探しているバイヤー・企業担当者・パートナーなどが含まれる。
出展ブース (Booth)
展示会で自社が利用するスペース。装飾やレイアウト、導線設計によって、来場者に与える印象や集客力が変わる。
ブースデザイン (Booth Design)
企業イメージやメッセージを視覚的に表現するためのデザイン。企業カラーやブランドアイデンティティが反映される。
リード獲得 (Lead Generation)
展示会の来場者から、名刺や問い合わせ情報を収集し、自社の見込み顧客(リード)として獲得すること。
ターゲット層 (Target Audience)
展示会で特に訴求したい業界・職種・企業規模などの見込み顧客層。出展におけるPRやブース設計で、このターゲット層を強く意識して施策を組む。
展示会主催者 (Organizer)
展示会全体を企画・運営する団体や企業。出展手続きのガイドラインや、公式サイトでのPR枠などを提供している。
アテンド (Attendant / Staff)
ブースで来場者対応を行うスタッフのこと。ブースに立つ営業担当、技術者、受付スタッフなどが含まれる。
ノベルティ (Novelty)
展示会ブースなどで来場者に無料配布する、企業ロゴ入りグッズ・サンプル・パンフレットなど。企業名や製品名を覚えてもらうための手段。
2. 営業・マーケティング関連
リード (Lead)
自社商品・サービスに興味を持つ潜在的顧客や問い合わせのこと。展示会では名刺交換やアンケート回答、スキャンなどを通じて獲得する。
リードスコアリング (Lead Scoring)
集めたリードの質や購買意欲を数値化する仕組み。商談化につながりそうな優先度の高いリードを見分けるために活用される。
セールスファネル (Sales Funnel)
見込み顧客から受注に至るまでの購買プロセスを示すモデル。展示会で獲得したリードは、初期段階(認知)からスタートし、徐々に商談・受注へ進む。
フォローアップ (Follow-up)
展示会後に、獲得したリードに対して行うアプローチのこと。電話・メール・訪問などの手段を使い、具体的な商談や契約へと進める。
ナーチャリング (Lead Nurturing)
見込み顧客に対して継続的にアプローチやコンテンツ提供を行い、興味や購買意欲を高めること。展示会後のメールマガジンやセミナー招待などが代表例。
マーケティングオートメーション (Marketing Automation; MA)
メール配信やWeb閲覧履歴のトラッキングなど、見込み顧客の育成(ナーチャリング)を自動化する仕組み。展示会で獲得したリードを管理するために使われることが多い。
CRM (Customer Relationship Management)
顧客情報や顧客との接点情報を一元管理する仕組み・ソフトウェア。展示会のリード情報を蓄積し、顧客接点を見える化して営業活動に活かす。
KPI (Key Performance Indicator)
目標達成までの途中経過を測るための重要指標。展示会の場合「獲得リード数」「商談数」「受注金額」などが設定されることが多い。
ROI (Return on Investment)
投資に対するリターン(成果)の割合。展示会出展費用に対して、どのくらいの売上や利益を得られたかを算出する際に用いられる。
ファーストコンタクト (First Contact)
展示会での初めての接触点。名刺交換やブースでの会話を通じ、相手の課題・興味関心をヒアリングし、次の商談につなげる重要なステップ。
3. 展示会運営・販促関連
事前集客 (Pre-Event Promotion)
展示会開催前に、既存顧客や見込み顧客へ「来場誘致(招待)」するための活動。招待状の送付、メール案内、SNS発信など。
チラシ・パンフレット (Brochure / Flyer)
展示会で配布する自社製品やサービスの概要資料。来場者へ理解を促す上で必要不可欠。
デモ (Demonstration)
展示会ブースで自社製品・サービスを実演すること。実際の使い方や効果をわかりやすく伝えることで、訪問者の興味を引き、問い合わせにつなげる。
来場者管理システム (Visitor Management System)
名刺スキャンやQRコード読み取りによる来場者情報の収集・管理システム。獲得した情報をデータ化して営業活動に活かす。
企業PR動画 (Corporate Promotional Video)
ブースに設置するディスプレイなどで流す、企業や製品のプロモーション動画。商談の入り口として関心を引くのに有効。
ノンブースエリアの活用 (Seminar / Demo Zone etc.)
展示会場内のセミナースペースやデモゾーンへの登壇・出展のこと。ブース以外の場所で複数回アピールできるため、訴求機会が増える。
4. 展示会運営・販促関連
小間
展示会で割り当てられるスペース(区画)の単位のこと。主催者が定める大きさを1小間として数え、通常「○小間ブース」という形で出展者に与えられる。1小間3m×3mのスペースが一般的だが、1小間6m×3mの展示会もあるため注意が必要。
1面解放、2面解放、3面解放
ブースの面がいくつ通路に面していか。1面開放(1通路に面する)よりも2面開放、3面開放の方が、来場者にアプローチできる面積が大きく、視認性・集客力が高まる。
角小間
2面解放のブース。会場内通路の十字になっているため、多くの来場者の目につく。
島小間
4面解放のブース。四方を通路に囲まれているため、最も来場者の目につきやすい。一般的に一般的に10小間以上などの大きい小間のみが島小間となり得る。
木工ブース
木材を壁面にしたり、展示台にしたりして装飾したブース。表面には経師紙という壁紙を貼って仕上げる。木材加工しやすく曲げることもできるため、円形の台を作ったり、ミリ単位でサイズを調整することができる
リースパネル
木工製のパネル。レンタル用に幅90cm×高さ2.7mなどの定格サイズで制作したもの。幅30cm / 45cm / 60cm/ 90cm、高さ1.8m / 2.1m / 2.4m / 2.7mなど、会社により複数の種類がある。
システムブース
オクタノルムに代表される展示会ブース設営に特化したアルミモジュールシステム。木工ブースと比べてサイズ制約があるが、安価にできる。
ストックルーム
ブース内、もしくは隣接エリアに設置する収納・在庫スペース。パンフレット・ノベルティ・スタッフの荷物などを管理しておく場所として使われる。
パッケージブース
展示会主催者が基本的なブース設備(壁面パネル、社名板、照明など)をセットにして提供するプラン。独自の装飾を極力抑えつつ、手間とコストを削減できるのが特徴。
平面図・立面図
平面図(Plan View): ブースを上から見たときのレイアウト図。入口や家具の配置、来場者の導線などを確認する際に用いられる。
立面図(Elevation View): 正面や側面から見た図面。壁や看板、装飾の高さや位置を把握するために使われる。
パース(Perspective)
ブースの完成予想図(透視図)のこと。平面図や立面図ではわかりづらい奥行き・高さのイメージを、立体的に表現して示す。施工業者や社内調整の際に活用される。
工程表
ブース施工や準備作業の進行スケジュールを一覧化したもの。設計・制作・搬入・設営・撤去など、作業内容と所要期間、担当者を明確にするために作成する。
5. 展示会後(アフター展示会)関連
フォローコール (Follow-up Call)
展示会後、リード(名刺交換・問い合わせあり)へ電話をかけ、展示会での興味ポイントを再度ヒアリングし、課題やニーズを深堀りする。
フォローメール (Follow-up Email)
展示会来場者、名刺交換者へ送るお礼メール。または、資料ダウンロードURLやサービスの詳細、セミナー情報などを提供するメール。
お礼状 (Thank You Letter / Post-Show Thank You Note)
展示会で商談した相手や貴重な時間を割いてくれた方へ感謝を伝える手紙やメール。企業としての丁寧な印象づけができる。
面談・商談設定 (Setting Up Meetings)
展示会後に具体的な案件化を進めるため、訪問やWeb会議(オンライン商談)の日程を調整する行為。
セールスステージ管理 (Sales Stage Management)
リードを「見込み度」「商談見通し」などのステージに振り分け管理すること。優先度の高い顧客や、検討度合いの高い顧客を素早く把握し、アクションを最適化する。
実績報告 (Post-Event Report)
社内外に向け、展示会の成果をまとめる報告書。「来場者数」「名刺獲得数」「商談数」「受注見込み」「課題」などを整理し、次回以降の改善につなげる。
PDCA (Plan-Do-Check-Act)
展示会出展計画(Plan)を実行(Do)し、結果を検証(Check)して改善策を実施(Act)する一連のサイクル。展示会出展を継続的に効果アップさせるために重要。



