展示会の代表的な指標

萩原貴

萩原貴

テーマ:展示会の基礎知識

BtoB展示会に出展すると、多くの来場者から名刺交換や問い合わせを獲得できます。しかし、「どのくらいの効果があったか」を定量的に把握しなければ、次回以降の改善や費用対効果の検証ができません。そこで今回は、定量的な指標に絞って、BtoB展示会の代表的な指標を紹介します。

1. リード数(獲得件数)

なぜ重要か?

  1. もっとも基本的な「成果量」を測る指標。
  2. どれだけの見込み客情報(名刺交換など)を獲得できたかを示す。

チェックポイント

  1. 名刺交換数 /ブースでの接触頻度を直接示す。
  2. 事前問い合わせ数 / 展示会前の告知や案内を経由して獲得した見込み客も確認する。
  3. ブース来場者数との比較 / ブースに来場した数とリード獲得数の比率を見れば、接客やアピールの成果度合いがわかる。

2. MQL数・SQL数

なぜ重要か?

  1. リードが「どれだけ具体的に検討を進める見込みがあるか」を定量化した指標。
  2. MQL(Marketing Qualified Lead): マーケが「興味度合いが一定以上」と判断したリード数。
  3. SQL(Sales Qualified Lead): 営業が「商談化の可能性が十分にある」と判断したリード数。

チェックポイント

  1. MQL率(= MQL数 ÷ 獲得リード総数)興味関心の高いリードをどのくらい獲得できているかを把握。
  2. SQL率(= SQL数 ÷ MQL数)MQLの中でも、実際に営業がアプローチ可能と判断した割合。

3. 商談化率・成約率

なぜ重要か?

  1. 展示会の最終的な“ゴール”は受注につなげること。
  2. 商談化率や成約率を追うことで、展示会後のフォロー体制も含めた成果を測定可能。

チェックポイント

  1. 商談化率(= 商談数 ÷ 獲得リード総数)/ 獲得リードのうち、実際に営業担当が訪問やWeb会議などの商談を行った件数の割合。
  2. 成約率(= 成約件数 ÷ 商談数)/商談が行われた後、最終的に受注に至った件数の割合。

4. 投資対効果(ROI)

なぜ重要か?

  1. 展示会には出展料やブース装飾、人件費など多額のコストがかかる。
  2. その投資に見合うリターンを得られたかを数値化することで、次回以降の出展判断や施策の改善に活かせる。

チェックポイント

  1. 総コストの洗い出し出展料、ブース装飾・運営費、移動・宿泊費、人件費など。
  2. 売上/受注金額展示会がきっかけとなった受注の金額。長期商材の場合は一定期間を区切って算出。
  3. ROI(= (売上 or 利益) ÷ 総コスト)1を上回れば投資額よりも大きなリターンが得られたことを示す。

5. コスト関連指標(CPL, CPS など)

なぜ重要か?

  1. 展示会施策だけでなく、他の施策(デジタル広告など)との比較にも使いやすい指標。
  2. より具体的に費用対効果を測りたい場合に有効。

チェックポイント

  1. CPL(Cost Per Lead)1件のリード獲得にかかった費用。例:展示会総コストが100万円、リード獲得数が200件の場合は5,000円/件。
  2. CPS(Cost Per Sale)1件の成約にかかった費用。例:上記例で、さらに成約数が10件の場合は10万円/件。

まとめ

BtoB展示会の効果を正しく測るには、定量指標の測定が欠かせません。

  • ・リード数(名刺交換数など)
  • MQL数 / SQL数
  • 商談化率 / 成約率
  • ROI / CPL / CPS

これらの指標をしっかり押さえ、どの施策が成果につながったのか、どこを改善すべきかを客観的に分析することで、次回以降の展示会出展や営業・マーケティング戦略をより効果的に進めることができます。

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Mybestpro Members

萩原貴
専門家

萩原貴(展示会ブースの企画・デザイン・施工)

株式会社クレイン

BtoB展示会ブースの企画・戦略から施工まで一気通貫対応。現場経験を生かした実践的な提案力と、顧客ファーストな姿勢で成果を追求。近年はコンサルティングにも注力し、展示会選びのアドバイスから伴走する。

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