付加価値の高いCBD製品づくりを導くコンサルタント
原口孝志
Mybestpro Interview
付加価値の高いCBD製品づくりを導くコンサルタント
原口孝志
#chapter1
近年、欧米をはじめ世界で注目が高まっている「CBD(カンナビジオール)」。CBDとは大麻草由来の成分で、睡眠の改善やストレス緩和など、さまざまな効果が期待されています。
「世界では医療分野での研究報告が数多くあり、健やかな心身を保つセルフメディケーションに貢献する成分です」と話すのは、CBD原料の卸売りや商品開発を行う「CANLIFE」代表取締役社長の原口孝志さん。
大麻と聞くと「違法では?」と気になりますが、CBDは成熟した茎や種子から抽出するため、使用や販売が認められています。大麻取締法で規制されるのは、花・葉・根などの部位で、一般に知られる中毒性や幻覚作用のある有害成分は、THC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれるものです。
CBDはもともと水に溶けにくい油溶性です。原口さんは、大学の研究機関との共同開発により、国内で先駆けて水溶化に成功。プロジェクトは、経営革新計画で2021年に東京都から承認され、業界団体である日本ヘンプ協会から適正取扱認証を受けました。
「CBD商品は飲むオイルやサプリメント、塗るクリームなどが主流で、これまで活用法が限られました。独自の加工技術により、かき混ぜなくても水に溶ける性質と高濃度化を実現。扱いやすいよう苦みやクセを感じさせない味に仕上げ、価格も抑えています」
CBDを扱う上で徹底するのは、安全性の確保です。ヨーロッパからの輸入ごとに、成分分析書などを厚生労働省と税関に提出。輸入前・輸入後・水溶化加工後の計3回、第三者機関などによる検査を行い、THCの混入を防ぎます。
#chapter2
原口さんは、オリジナルブランド「CBD癒し」シリーズを展開しています。快眠を導くサプリメントや、ひと塗りでリラックス・リフレッシュ感を高めるアロマロールオンなどを開発。オンラインショップや、東京と福岡の体験型ストアで販売しています。
「顧客層は20代から50代の女性です。ロールオンタイプはオーダーメードで心地よい香りを追求。CBDの魅力が伝わるよう品質にはこだわっています」
自社での知見をもとに、CBDを配合した製品づくりを支援。地方の中小企業とのタイアップや共同開発、OEMに力を入れます。
「CBDは健康・美容や食関連など商材の魅力を高め、将来的に市場の拡大も見込まれています。ものづくり企業が新たな価値を生み出すお手伝いをします」
これまでの経験則から、CBDと相性の良い商材が分かるという原口さん。その一つが、アルコール飲料です。鹿児島県にあるクラフトビール製造会社、きりしま高原麦酒が商品化したのは、「霧島高原CBDビール」。親会社である源麹研究所の代表取締役社長で農学博士の山元正博氏(写真右)が、東京大学の学生時代に国の依頼で研究していた経験とハワイでのCBD製品の普及度から、いずれ日本にブームが来ることを予見。さらに開発担当者が、医療分野の研究に知見がある医師で、即決だったとか。
「CBDビールを試した製造会社の女性社長から『飲んだ余韻が心地よく、翌朝の目覚めが良かった』と評価をいただきました。渋谷で行った販売イベントでも商品が売り切れ、予想以上の反響でした」。今後もワインや日本酒、ラムネ菓子などの開発が予定されています。
#chapter3
大手保険会社で28年勤め、5年間アメリカに駐在経験もある原口さん。「自分が納得したものをお客さまに提案する」をモットーに、法人営業などに携わりました。
「当時は好景気で、日本全体に活気がありました。次第に〝失われた30年〟と言われる経済低迷や産業の衰退に危機感を抱き、日本のためにできることはないかと考えるようになりました」
高齢化社会も見据え、健康や女性、地方活性をテーマに活動しようと考えた原口さんが目を向けたのが、「麻」でした。
「大麻はヘンプと呼ばれる麻の一種で、繊維としては、しめ縄など神事にも使われる伝統的な素材です。その有用性は、医療や健康分野以外にも多様な分野で期待されています。CBDを皮切りに、最終目標に掲げるのは、麻をバイオマス資源として活用する新たな産業の創出です」。活用を広げるため、昭和大学薬学部教授で薬学博士・薬剤師の佐藤均氏(写真右)をはじめ研究者との連携も深めています。
産業用大麻への関心は高まっており、大麻取締法改正の動きも。2022年9月に厚労省より出された改正方針では、使用罪を創設して違法薬物乱用の取り締まりを強化する一方、てんかんの治療薬として大麻由来の医薬品を解禁する方向性が示されました。
「CBDは大きな可能性を秘めています。日本ならではの食や文化などと融合した製品により、海外にビジネスチャンスを広げることも。お互いに知恵を出し合い、価値ある商品を共に成長させましょう」
(取材年月:2022年11月)
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Profile
付加価値の高いCBD製品づくりを導くコンサルタント
原口孝志プロ
CBD製品開発コンサルタント
株式会社CANLIFE
大麻草由来の次世代成分、CBDに精通し、大学研究機関との共同開発により、全国で先駆けて水溶化に成功。自社製品の開発・販売経験をもとに、CBD製品づくりをサポートし、企業価値を高めます。
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