PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

自立を促し、笑顔で生活できるバリアフリー改修を目指す

介護福祉の知識を取り入れたバリアフリー工事の専門家

内間大輝

内間大輝 うちまたいき

#chapter1

介護福祉の専門知識を生かして、身体状況に合わせた改修を提案。各種補助制度の申請もサポート

 「将来のためというより、実際に身体機能に変化が生じてから、お住まいの改修について検討される方が多いです。高齢になって以前のような動作ができなくなったり、家の中で転倒してしまったり。『昔はこんなことなかったのに…』と沈んだ表情で話される方が少なくありません。当方では、自立を促し、笑顔になってもらえるような空間づくりを目指します」

 そう話すのは、東京都練馬区にある「バリアフリー工房」の代表で、二級建築士の内間大輝さん。都内の建築会社で20年間実務を重ねたのち、2019年に開業。バリアフリーリフォームを主軸に事業を展開しています。

 内間さんは、介護を必要とする人が適切なサービスを受けられるようサポートするケアマネジャー(介護支援専門員)の資格を保持。専門知識を生かして、まず身体状況を把握することから始めます。
 「計画を立てる上では欠かせないプロセスの一つですが、いきなりお体のことを聞くのではなく、コミュニケーションを大事にしています。ご家族やご本人と何気ない話をしながら徐々に心を開いていただき、ご様子をお伺いするようにしています。担当のケアマネさんとの会話から疾患が分かることもあります」

 介護保険をはじめ、行政などが実施する補助金制度も活用し、依頼者の負担の軽減に努める内間さん。低予算であっても、どうすれば利便性が増すのか要点を押さえて提案しています。
 「ご本人やご家族も完成してみないと分からないという不安があるので、工事で改善される点を具体的にお伝えすることを心掛けています」

#chapter2

「怖くない」「使いやすい」改修のため、時には数センチの修正に対応

 バリアフリー化は、「いかに動線を減らすか、体のバランスが崩れる場所を無くすかがポイント」と内間さん。ドアの開閉時に一歩前に後ろにと歩行ステップが必要な開き戸は引き戸に変え、足の上げ下ろしをする脱衣所や玄関には手すりを付けるのが有用だと言います。
 
 トイレやお風呂などプライベートな空間では、特にすり合わせや配慮が重要。一人で済ませることができるよう、便座・浴槽に移るまで、また立ち座りの動きに沿って手すりを設けたり、介助者が入れるようにスペースを確保したりします。

 「ご本人が入院中に、ご家族やケアマネさんと相談して施工まで進めることもあります。退院されたら実際に動作を確認してもらい微調整します。時には、数センチ単位で手すりの位置を修正することもあります」

 内間さんのもとでは、福祉用具の販売・レンタルの提案も行います。福祉用具専門相談員の資格も持ち、前職ではレンタル業務も行っていた経験があるためです。「例えば、車いすの利用にあたってスロープを作りたいのに勾配が取れない場合もあります。構造上どうしても段差を解消できない場合もあり、移動を補助するリフトが役に立ちます。当方では、あらゆる角度から不便のない日常について考えています」

 細やかな対応が支持され、開業から4年間で受注数は2000件以上に及ぶとか。
 「作業後に立ち会う時は緊張しますが、『すごく使いやすくなり助かりました』とか『お風呂が怖くなくなりました、ありがとう』と言っていただけるのが一番うれしい瞬間です。お客さまのネガティブだった感情がポジティブに変わっていくのが伝わるんです」

#chapter3

建物のバリアとメンタル面の不安「心のバリア」も取り去ることが仕事

 沖縄県で生まれ育った内間さん。自身の子ども時代について「ばあちゃんっ子でした」と振り返ります。祖母との日々を原点に、本格的に福祉の視点を身につけたのは、高校卒業後に入職した地元の村役場。沖縄の離島、伊江島にある診療所に役場職員として赴き、高齢者や障害者のケアについて学びました。

 その後、妻の母が経営する東京の建築会社に勤めることとなり、建築士としての経験を積みます。内間さんの義母、溝口千惠子さんは、高齢者の住環境について1990年代前半から研究・提言し、著書も多数出版。住宅改修についても都内を広くカバーし、豊富な実績を誇ります。
 
 「弟子としては、『年齢を重ねても住み慣れたわが家で暮らせるように』という義母の理念をしっかりと引き継ぎたい」と照れながらも力強く話す内間さん。自分で会社を立ち上げてからは、妻と二人三脚で理念の実現に取り組んでいます。

 家族の歴史を刻み、それぞれに思い入れの深いマイホームに手を加えるため、大きな責任も感じるそうですが、それもやりがいにつながっているとか。
 「お客さまのご要望も踏まえながら、お体の状況に応じたプランニングをすることでお役に立つことが本望」と意気込みを見せます。

 「『最後まで自分の力で生活したい』と願うみなさまが、自宅で快適に過ごせるようお手伝いしたいですね。建物のバリアは工事で簡単に取れます。メンタル面の不安、『心のバリア』を取り去ることが私の一番の仕事だと思っています」

(取材年月:2023年8月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

内間大輝

介護福祉の知識を取り入れたバリアフリー工事の専門家

内間大輝プロ

リフォーム業

合同会社バリアフリー工房

高齢者や障害者の身体機能に合わせたバリアフリー工事。ケアマネジャー(介護支援専門員)の専門知識を生かし、動作や介助が行いやすい改修を提案。自立を促し、笑顔で生活が送れるようお手伝いします

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ東京に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または朝日新聞が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO