医者を辞めたくなる7つの理由と辞めるべきケースとは

小山誉彦

小山誉彦

テーマ:退職代行

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医者を辞めるべきか悩んでいる方へ

医者の仕事は大きなやりがいがある一方で、身体的・精神的な負担が大きく、「辞めたい」と考えることは珍しくありません。

しかし、本当に辞めるべきなのか、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、以下の内容について解説します。

  • 医者を辞めたいと感じる理由
  • 医者を続けるメリット
  • 医者を辞めたほうがいいケース
  • 医者を辞めた後のキャリアパス

この記事を読むことで、今後の進むべき道が見えてくるはずです。
医者を辞めるべきか悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

医者を辞めたいと感じる7つの理由

医者を辞めたくなる主な理由とは

医者として働く中で、待遇面の不満、業務の負担、精神的なプレッシャーなど、さまざまな理由から「辞めたい」と感じることがあります。

ここでは、医者を辞めたいと考える主な理由を紹介します。自分に当てはまるものがあるか、確認してみてください。

  • 待遇への不満
  • 激務による体力的負担
  • 医療訴訟のリスク
  • 医局人事による転勤のストレス
  • 職場の人間関係
  • ワークライフバランスの崩れ
  • 命を預かる重圧

待遇に対する不満

待遇面への不満から、医者を辞めたいと考える人は少なくありません。

厚生労働省の調査によると、「待遇への不満」が勤務医を続けたくない理由として最も多く挙げられています。

特に、業務量の多さや患者対応のプレッシャーに対して給料が見合っていないと感じると、仕事へのモチベーションは低下しがちです。

一般的に医者は高収入とされていますが、長時間の拘束を考慮すると「割に合わない」と感じることもあるでしょう。

激務による体力的負担

医者の仕事は過酷で、体力的に限界を感じることもあります。

厚生労働省の調査では、年間960時間以上の時間外労働をしている医者の割合が21.2%にのぼると報告されています。

一般的に「過労死ライン」とされる残業時間は月80時間ですが、それを超える医者も多く、業務の負担の大きさがうかがえます。

また、病院によっては休日でも勤務が必要な場合があり、十分な休息が取れないことも少なくありません。

勤務先の規模が大きくなるほど担当する患者も増え、さらに負担が増す傾向にあります。

「体力的に続けるのが難しい」と感じる医者が多いのも無理はないでしょう。

医療訴訟のリスク

医者は常に医療訴訟のリスクと隣り合わせです。

どれだけ慎重に治療を行っても、すべての患者を救うことはできません。その結果、家族の怒りや不満が医者に向けられ、訴訟に発展するケースもあります。

最高裁判所のデータによると、毎年600件以上の医療訴訟が提起されており、令和5年には新たに610件の訴訟が発生しています。

訴訟が起こると、精神的な負担だけでなく、時間的・金銭的な負担も大きくなります。

こうしたリスクを恐れ、辞職を考える医者も少なくありません。

医局人事による転勤のストレス

医局に所属している場合、定期的な転勤が避けられません。

さまざまな病院で経験を積めるメリットはありますが、環境が変わるたびに新たな人間関係を築く必要があるため、精神的な負担が大きいと感じる方も多いです。

1〜2年ごとの異動が一般的であり、そのたびに引っ越しが発生し、経済的な負担もかかります。

また、単身赴任や子どもの転校を余儀なくされることもあり、家庭への影響も大きくなります。

医局によっては希望調査を行うこともありますが、必ずしも希望が通るわけではありません。

頻繁な転勤に疲れ、辞職を考える人も多いのが現状です。

職場の人間関係

職場の人間関係に悩み、医者を辞めたいと考えるケースも少なくありません。

医者は患者だけでなく、看護師や薬剤師など、多くの職種と関わる仕事のため、人間関係のトラブルが発生しやすい環境にあります。

また、大学病院では科ごとの派閥が存在し、対立に巻き込まれることもあります。

こうしたストレスに耐えきれず、医者を辞めたいと感じる方も多いでしょう。

ワークライフバランスの崩れ

勤務医は長時間労働が当たり前の環境であり、休日でも出勤を求められることがあります。

そのため、プライベートの時間が確保しにくく、家族との時間や趣味を楽しむ余裕がなくなりがちです。

仕事一色の生活に嫌気が差し、辞職を考える方も多くいます。

命を預かる重圧

人の命を預かる責任の重さに耐えられず、辞めたいと感じる医者も少なくありません。

医療の現場では、ミスが許されない状況が多く、常にプレッシャーと戦う日々が続きます。

特に、大手術など生命に関わる処置を行う場合、その重圧は計り知れません。

たとえ適切な処置をしたとしても、患者や家族からクレームを受けることもあり、精神的な負担が大きくなります。

こうしたプレッシャーに耐え続けるのが困難になり、辞職を考えるケースも少なくないのです。

医者を続けることの3つのメリット

医者を続けるか迷っている方へ

「他の仕事に転職したほうがよいのか」と悩んでいる方もいるでしょう。

しかし、医者を続けることには大きなメリットもあります。

ここでは、医者を続けることで得られる主なメリットを紹介します。

  • 成長を実感できる
  • 高収入を得られる
  • やりがいを感じられる


医者を続けることの利点も踏まえたうえで、退職すべきか慎重に判断しましょう。

成長を実感できる

医者はハードな職業ですが、その分、常に自分の成長を感じられる仕事です。

日々の診療や治療の経験はもちろん、学会や講習会への参加を通じて、知識や技術を深める機会も多くあります。

常に最先端の医療技術を学び続けられる環境が整っており、スキルアップを目指せる点は大きな魅力です。

こうした学びの機会に価値を見出し、医者を続けることを選ぶ方も少なくありません。

高収入を得られる

医者を続ける最大のメリットのひとつは、安定した高収入を得られる点です。

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、医師の平均年収は1,436万4,700円と報告されています。

他業種に転職すると、収入が大幅に下がる可能性があるため、収入面を理由に医者を続ける決断をする人も多いのが現状です。

やりがいを感じられる

医者は人の命を預かる責任の重い仕事ですが、その分、大きなやりがいを感じられます。

患者が回復する姿を見たり、家族から感謝の言葉をかけられたりすることで、仕事の意義を実感できるでしょう。

また、なかには患者や家族からお礼の手紙やメールをもらうこともあり、そうした経験が医者を続けるモチベーションにつながることもあります。

プレッシャーが伴う仕事ではありますが、誰かの人生を支え、感謝される喜びを感じながら働ける点は、大きな魅力といえるでしょう。

医者を辞めたほうがよい3つのケース

医者を続けるべきか迷っている方へ

医者として働くなかで「このまま続けて大丈夫なのか」と悩む方もいるでしょう。

結論として、以下のような状況にある場合は、医者を辞めることを検討すべきかもしれません。

  • 業務量に対して給与が見合っていない
  • 職場でのハラスメントに苦しんでいる
  • 激務が原因で健康に支障をきたしている


このような状況に当てはまる方は、無理に続けるのではなく、転職やキャリアチェンジを視野に入れることも重要です。

医者を辞めた後のキャリアについて

「辞めた後はどうすればよいのか」と不安を感じる方も多いでしょう。

次の章では、医者を辞めた後に選べるキャリアパスについて詳しく解説します。

自分に合った新しい道を見つけるために、このまま読み進めてみてください。

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医者を辞めた後の7つのキャリアパス

医者を辞めた後に考えられる進路

医者を辞めた後のキャリアは、病院勤務だけに限られません。

産業医や開業医、メディカルドクターとしての道を選ぶこともできますし、異業種への転職という選択肢もあります。

ここでは、医者を辞めた後に考えられる主なキャリアパスを紹介します。

  • 産業医として働く
  • 介護老人保健施設で勤務する
  • 開業医になる
  • 別の医療機関に転職する
  • 非常勤やスポット勤務を選ぶ
  • メディカルドクターとして製薬会社で働く
  • 異業種に転職する


それぞれの特徴を理解し、自分に合った道を考えてみましょう。

産業医として働く

病院勤務を離れたい場合、産業医という選択肢があります。

産業医は、企業の従業員が健康的に働けるよう、健康管理や職場環境の改善に関する指導を行います。

従業員50人以上の事業所では、産業医の選任が義務付けられており、需要が安定しています。

  • 健康診断の実施
  • 従業員の健康相談
  • 職場の衛生環境チェック
  • 長時間労働者への面談指導
  • 健康教育の実施


病院勤務より収入が下がる可能性はありますが、残業が少なく休日もしっかり取れるため、ワークライフバランスを重視する方に向いています。

介護老人保健施設で勤務する

介護老人保健施設での勤務も選択肢のひとつです。

法律により、入所者100人あたり1人の常勤医師を配置することが義務付けられているため、安定した需要があります。

病院勤務と比べて当直や休日出勤が少ないため、時間に余裕を持って働きたい方に適した職場といえるでしょう。

開業医になる

勤務医の働き方に不満がある場合は、開業医を目指すのもひとつの選択肢です。

自身の診療方針や診療時間を自由に決められるため、より自分らしい働き方ができます。

ただし、開業には経営リスクが伴うため、慎重な準備が必要です。

厚生労働省の「医療経済実態調査報告」によると、開業医の平均年収は約2,631万円であり、勤務医の平均年収1,461万円を大きく上回っています。

経営が軌道に乗れば、高収入を得ながらワークライフバランスも整えやすくなるでしょう。

別の医療機関に転職する

現在の職場環境が合わない場合、別の医療機関への転職も考えられます。

  • 人間関係の改善
  • 待遇の向上
  • 労働時間の調整


転職活動の際は、希望条件に優先順位をつけ、自分に合った職場を探すことが大切です。

仕事探しに時間をかけられない場合は、医師専門の転職エージェントを活用すると効率的に情報を集められるでしょう。

非常勤やスポット勤務を選ぶ

激務に疲れた場合、常勤ではなく非常勤やスポット勤務を選択するのも方法のひとつです。

  • 非常勤勤務:決まった曜日・時間だけ働く
  • スポット勤務:単発で働く


非常勤勤務では、自分の都合に合わせて勤務日を調整できるため、プライベートの時間を確保しやすくなります。

また、スポット勤務では、勤務地や勤務時間を都度選べるため、自由度の高い働き方が可能です。

メディカルドクターとして製薬会社で働く

製薬会社で勤務するメディカルドクターへの転職も選択肢のひとつです。

主な業務内容としては、新薬の研究・開発、安全性の評価、臨床試験のサポートなどがあります。

  • 新薬の開発・評価
  • 臨床試験のサポート
  • 医療従事者への情報提供
  • 規制当局との対応


医療の知識を活かしながら、病院勤務とは異なる働き方ができる点が魅力です。

また、一般企業の勤務体系に近いため、残業が少なく休日が確保しやすい点もメリットといえます。

異業種に転職する

医療業界以外の分野へ転職するという選択肢もあります。

たとえば、医療コンサルタントやヘルスケア関連のベンチャー企業での勤務など、医療の知識を活かせる職種もあります。

また、医療とは無関係の業界にチャレンジすることも可能です。

医者の仕事が合わないと感じる場合は、思い切って新しい分野に挑戦してみるのもよいでしょう。

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医者が退職を伝える際の6つのポイント

スムーズに退職するための準備

医者が退職を決意した際、伝え方を誤るとトラブルにつながる可能性があります。

退職を円滑に進めるために、押さえておくべきポイントをまとめました。

  • 遅くとも3ヶ月前には退職を伝える
  • 繁忙期を避けて伝える
  • まずは直属の上司に相談する
  • ポジティブな退職理由を伝える
  • 転職エージェントに相談する
  • どうしても難しい場合は退職代行を利用する


これらを参考にしながら、円満な退職を目指しましょう。

遅くとも3ヶ月前には退職を伝える

退職を決めたら、最低でも3ヶ月前には病院側に伝えることが理想的です。

この期間があれば、業務の引き継ぎや退職手続きに十分な時間を確保できます。

また、病院側も新しい医師の採用や勤務体制の調整を進める必要があるため、直前になって伝えることは避けるようにしましょう。

繁忙期を避けて伝える

病院の繁忙期に退職を申し出ると、残されたスタッフに負担がかかり、周囲からの印象が悪くなる可能性があります。

スムーズな退職を実現するためにも、業務が落ち着いているタイミングを見極め、適切な時期に申し出ることが大切です。

まずは直属の上司に相談する

退職の意思は、必ず最初に直属の上司に伝えましょう。

他の上司や同僚に先に伝えてしまうと、直属の上司が「自分は聞いていない」となり、トラブルの原因になることがあります。

事前に上司の時間を確保し、個室など落ち着いた場所で話をするのが望ましいです。

また、「退職しようかと考えている」という曖昧な言い方ではなく、「退職することを決めました」とはっきり伝えることが重要です。

そうすることで、引き止めにあう可能性を低くし、スムーズに話を進めることができます。

ポジティブな退職理由を伝える

退職理由は、なるべく前向きな内容で伝えましょう。

本音がネガティブな理由であっても、伝え方次第で上司の受け取り方が大きく変わります。

  • 「残業が多すぎる」 → 「より効率的に働ける環境を求めたい」
  • 「人間関係が悪い」 → 「新しい環境でスキルを活かしたい」
  • 「給与が低い」 → 「さらなるキャリアアップを目指したい」


ネガティブな理由をそのまま伝えると、上司に悪い印象を与えたり、引き止められたりする可能性があります。

円満に退職するためにも、できるだけポジティブな理由を伝えることを意識しましょう。

転職エージェントに相談する

医者向けの転職エージェントを活用すると、求人の紹介だけでなく、退職の進め方についてのアドバイスも受けられます。

退職の伝え方、適切なタイミング、引き止めにあった場合の対処法など、専門的なサポートを受けることでスムーズに進められるでしょう。

医師に特化した転職エージェントの情報は、後述しているので参考にしてください。

どうしても伝えづらい場合は退職代行を利用する

上司との関係が悪く、退職の意思を直接伝えづらい場合は、退職代行サービスを利用するのもひとつの手段です。

退職代行サービスを利用すると、自分の代わりに退職の意思を伝えてもらえるため、上司と直接話すことなく退職できます。

  • 即日退職が可能な場合がある
  • 上司と直接やり取りせずに退職できる
  • 精神的な負担を軽減できる


「辞めたいけれど、どうしても言い出せない」と悩んでいる方は、退職代行の活用も検討してみましょう。

まとめ

医者を辞めるべきか慎重に判断しよう

医者は、長時間労働が求められるうえ、責任の重い仕事です。

患者の命を預かる立場として、精神的な負担も大きく、プレッシャーに耐えられず辞めたいと考える方も少なくありません。

また、病院内の人間関係の問題や、待遇面への不満から退職を検討するケースもあります。

  • 激務が原因で体調に支障をきたしている
  • 職場のハラスメントに悩んでいる
  • 現在の環境で働き続けるのが難しいと感じている


こうした状況に当てはまる場合は、無理に続けるのではなく、新しい環境への転職や退職を視野に入れることも選択肢のひとつです。

自分の健康や今後のキャリアを見据え、慎重に判断していきましょう。

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小山誉彦
専門家

小山誉彦(リーガルメディア運営)

株式会社ベルクライン

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