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建物は住む人の作品です 良きパートナーとして、作品作りのお手伝いをしていきます

戸建住宅から大型ビルまでの設計技術を持つ建築士

青沼理

戸建住宅から大型ビルまでの設計技術を持つ建築士 青沼理さん
青沼理さん取材風景

#chapter1

建築設計は、建物の価値の大半を決めてしまう重要な部門

 マイホームを建てる時、みなさんは建築設計という分野にどれほどの関心が向くでしょうか?――。「設計の役割は、建物の価値の大半が決まってしまうほど、大切なんです。残念ながら、この重要性が一般にはあまり理解されていないようですね」と青沼さん。「住宅メーカーや工務店への一括依頼で個々の工程分野が特に意識されないからでしょうね」と分析します。

 青沼さんは、建築設計という仕事について「建て主の希望をいろいろな条件の中で、技術力やデザイン力を最大限使って図面にしていく作業です。また技術・デザインだけでなく工事の発注から監理まで、建築のすべての過程で建て主の代理人となって希望に沿った建物を追求していく仕事です」と話します。
 「家はゼロから造り上げるオーダーメードです。建て主との打ち合わせには十分時間をかけます。お互いが良きパートナーとなって設計から完成まで時間と労力を使っていきます」といいます。ときには施工業者も交えて、全体計画を打ち合わせします。

 工事監理も設計事務所の重要な仕事です。「現場の工事が設計図通りに進められているかどうか、手抜き工事やトラブルなどがないように随時チェックし、実際の工事を行う工務店など建築業者の指導にあたります」と話します。

#chapter2

設計図をもとに模型を作り、希望にかなった建物の鮮明なイメージ作りも

 青沼さんは、大学で建築学科を専攻し、卒業と同時に住宅メーカーに就職、設計部に所属して戸建て住宅の設計に携わりました。その後、設計の経験を積むためにハウスメーカーから設計事務所に転職。ビルや学校、スポーツ施設などの大型施設の設計に携わりました。横浜のニッサン・スタジアムもそのうちの一つだそうです。そんな中で「ビックプロジェクトではなく、建て主と直接向き合えて、とことん住む人のことを考え、住む人のためにお手伝いできる住宅設計に戻りたい。」と思うようになり、平成9年に独立して個人住宅分野などを手掛けるようになったそうです。

 青沼さんの事務所は、小田急多摩線の終点、唐木田駅の脇に建つビルにありますが、この建物も青沼さんが依頼されて設計したものということです。事務所の中には、所々に小さな建物の模型が置いてあります。これらは、建物の設計図を基にして作った模型です。紙で作られ、屋根や壁も取り外してバラバラになるように作られています。

 青沼さんは、依頼主の要望を聞いたあと、3パターンぐらいの設計図を作ります。しかし「設計図を見ただけで希望する建物のイメージはなかなか分からないことも多いと思いますね。希望する建て主の方には、模型を作ってそれをベースに最終の設計を決めていきます」といいます。設計図を基にまず100分の1の模型を作り、話し合いの中で修正を重ね最終決定します。最終的には20分の1の模型になることもあるといいます。

 青沼さんは、設計の基本理念として「住宅設計は特殊で複雑なものです。居間は時には子供の体育館になったり、書斎は図書館になったり、寝室は病院になったりする時があるかもしれません。ライフスタイルは刻々変わっていきます。この変化する状況に少しでも対応出来るような設計を心掛けていきたいと思っています」と話します。

青沼理さん仕事風景

#chapter3

多様なニーズに応えられるように、いくつかのプランを用意

 青沼さんはまた、「誠実にやさしく」を仕事のモットーにしています。「時には依頼主の希望に沿わないアドバイスも建築家としての自分に誠実にと思ってやります。希望通りの予算で仕上げるように様々な工夫をすることも、やさしさではないでしょうか」と話します。

 設計費用に関しては予算に応じられるよう、基本設計、各種書類申請業務、施工、監理業務などプロセスごとに応じられるいくつかのプランを用意し、依頼主の要望に応える態勢を用意しています。「設計から完成までのフルサポートプランから、コストを抑えて設計から工事着工までを8週間で実現するプランなど、様々なニーズに対応出来る態勢をとっています」と話します。これら多様なニーズに応えるためにも、工務店など施工業者とのネットワーク作りにも力を入れています。

 「住宅というものは、建築家の作品ではありません。住む人の作品なんですね。私たち建築家はパートナーとして、代理人として、そのお手伝いをするのが仕事です」と多忙な日々を送る青沼さんですが、「仲間と作った〝オヤジバンド〟でギターを楽しみリフレッシュしています」と笑顔を見せます。
(取材年月:2010年9月)

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青沼理

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青沼理プロ

一級建築士

青沼建築工房有限会社 一級建築士事務所

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