部下の指導がうまくいかない
ある日、ひとりの学生からこんな質問をされました。
「やりがいって、なんですか?」
就活の場面でよく耳にする言葉ですよね。
「この会社はやりがいがありますよ」「やりがいのある仕事です」と。
でも、私は正直にこう思ってしまいました——**やりがいって、人によって違うんじゃないかな?**と。
ある人にとってのやりがいは「成果が目に見えること」かもしれないし
別の人にとっては「誰かの役に立っていると感じられること」かもしれない。
中には「自分が成長している実感」や「仲間と喜びを分かち合えること」が原動力になる人もいます。
だからこそ、「やりがい」の中身を、自分の言葉で考えたことがあるかどうかが大切なんだと思います。
採用や人材育成の場面では、「この仕事にはこういうやりがいがありますよ」と伝えることも必要ですが
相手がどんな価値観を持ち、何に心が動くのかを聞いてみることも、同じくらい大切です。
最近は「働きやすさ」ばかりが注目されがちですが
実は「やりがい」のほうが仕事の満足度や幸福感に大きく影響しているようです。
野村総合研究所の調査では
- 「働きがい」を重視する人ほど、仕事の満足度と生活全体の幸福度が高い傾向がある
- 「働きやすさ」のみを重視する人は、仕事の満足度が比較的低い傾向
- 「やりがいがあれば待遇が多少悪くてもよい」と考える人の満足度は58.3%
- 「仕事は収入を得る手段にすぎない」と考える人の満足度は41.4%
※出典:野村総合研究所『働きがいに関する調査』(2023年)
この結果からも、単なる労働条件の整備だけでなく
「やりがいとは何か?」を一人ひとりが考え、対話し、育てていくことが
職場の満足度や定着率にも直結するのではないかと感じます。
そうすることで、仕事とのよりよいマッチングが生まれたり
働くことへの納得感やモチベーションがぐっと高まったりします。
それは、入社後の早期離職を防ぐことにもつながるかもしれません。
「やりがいって何?」という問いは、実は組織にとってもすごく重要な問いなのだと思います。
そんな観点から、研修では“やりがいの言語化”や“自分の価値観を知るワーク”などを取り入れ
若手社員の内発的動機づけを高める支援をしています。
「やりがい」の正体を、いっしょに探してみませんか?



