一生使える一点ものの革製品を作る、オールハンドメイドのプロ
黒地倫行
Mybestpro Interview
一生使える一点ものの革製品を作る、オールハンドメイドのプロ
黒地倫行
#chapter1
徳島市中昭和町で革製品を取り扱っている「黒革」のオーナー・黒地倫行さん。財布や名刺入れなどの小物を中心に、既製品からセミオーダー、フルオーダーメイドまで幅広く革製品を販売しています。
扱っている製品のほとんどは、黒地さんがひと針ひと針心を込めて、手縫いで作り上げたもの。手で縫うことで、壊れたり糸がほつれたりしても手直ししやすく、長年にわたり使用できるようになるのだとか。
「製品を作る際、大切にしているのは耐久性。素材を厳選し、丈夫なものを作るよう心がけていて、少なくとも10年のスパンで使用できるものをお届けしています。長く愛用していただき、革製品ならではの独特の風合いを楽しんでいただければうれしいですね」
黒地さんのもとでは、徳島県の名産品である藍で革を染めた阿波レザー「RONIN-浪人-」というブランドも展開しています。
「藍染めは年配の方にはなじみがありますが、若い方にも魅力を知ってもらうことで創造の幅を広げていきたい。また全国の人たちに、徳島の藍染めの文化や美しさを伝える足がかりになれば、と思っています」
黒地さんの地元への思いを形にしたものが、この阿波レザー。革を染めるときには、前処理と後処理がかなり重要で、これがしっかりできていなければせっかく染めても革がひび割れてしまうのだとか。きれいな阿波レザーを作るために、藍染めについて基礎から学んだという黒地さん。さまざまな人の技術や知恵を集約して試行錯誤を繰り返し、ようやく独自のノウハウが生まれました。
ひとつひとつ異なる表情を見せる、藍染めならではの深く鮮やかな色彩を放つ革。それを手縫いで仕上げてこそ、使いこむほどに愛着のわく一生もののアイテムが完成するのです。この阿波レザー「RONIN-浪人-」は、徳島あったか事業にも認定されています。
#chapter2
黒地さんは、革製品の職人としてお店を出すまでの15年間、電気工事会社で働いていました。会社勤めをする中、1995年にずっと憧れていたバイク「ハーレーダビットソン」を手にします。
「もともと物づくりは好きでしたが、バイクに乗るようになり、後輪の左右に付けるサドルバッグを自分で作ろうと思ったことが現職に至るきっかけです。革製品はその耐久性の高さから、バイク乗りに好まれます。自分で材料をそろえ、苦労のすえなんとか仕上げました。そこから友人に頼まれたものを作るなど少しずつ販売も手掛け、2007年に会社を退職し、2008年に『黒革』をオープンさせました」
今ではバイカー以外にも顧客層が広がり、30代から40代、50代と幅広い年代の人が利用。プレゼント用として購入する人も少なくないそうです。
「他にはないものを、ということでオーダーメイドの依頼が多いです。変わったものでは、斧(おの)ケースや阿波踊りの提灯(ちょうちん)ケースというご注文がありました。すべて手作業なので応用がききます。『革製品でこんなものがあればいいな』というご要望があれば、ぜひご相談ください」と黒地さん。
#chapter3
「アパレルのセレクトショップはありますが、数は少ないです。年々お店が減っていくのは寂しく、多くの人を引き付けるユニークなスポットがもっと増えてほしいですね。地場産業の藍染めを生かした同店のオリジナルブランド『RONIN』を起点に、私も発信力を上げていかなければ」と黒地さん。
現在は製作がメインですが、今後は修理やケアにも力を入れていきたい。また阿波レザー「RONIN」では、小物だけでなくバッグなどの大きなアイテムにも挑戦していきたいと言います。
「製作には時間がかかりますが、革は使い込めば使い込むほど味が出て、良さがわかっていただける品です。お客さまに『ありがとう、すごく気に入ったよ』と喜んでもらえた時には『やってよかった』というやりがいでいっぱいになります」
革には、同じものはひとつとしてありません。だからこそ、黒地さんはこだわりを持って、これからも手に取る人に愛される革製品を作り続けていきます。
(取材年月:2020年6月)
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一生使える一点ものの革製品を作る、オールハンドメイドのプロ
黒地倫行プロ
革製品の製造販売
黒革
地元を愛している黒革だからこそできる、阿波レザー「RONIN」を取り扱っています。徳島のすくも藍にこだわり、職人自ら藍染め染色し、手縫いで仕上げるオールハンドメイドの逸品。
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