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トップが変われば社員は変わる。「ほめるマネジメント」で成長企業へ

ほめるマネジメントで中小企業を元気にするプロ

西村博

西村博 にしむらひろし
西村博 にしむらひろし

#chapter1

ほめることは「価値の発見」。社長自身が変われたという声も多数

 「どれだけいいサービスや商品があっても、人材育成ができないと会社は立ち行かなくなります」
 こう話すのは、車検専門店、自動車販売店、脱毛サロンの3店舗を営み、経営コンサルタントとして活動する西村博さん。テレビやラジオなどメディアにも数多く出演しています。

 「『ほめるマネジメント』で自ら動ける人材を育て、社員だけで会社を回せるようになるメソッドをさまざまな企業に提供しています。人間関係を良くするほめ方と業績を上げるためのほめ方、この二つを効果的に組み合わせながら、企業の課題改善を目指します」

 一方で西村さんが強調するのは、ほめるというのはテクニックではないということ。「人や物、起こった事柄の一面だけを捉えるのではなく、多角的な視点で見て価値を発見して伝える。それがほめるということなのです」

 コンサルティングに関わった企業からは、「スタッフが楽しそうに仕事するようになった」「新しい発想が部下から出てくるようになった」との評価が。そして何より多いのが、「一番変わったのは私です」という経営者からの声です。
 「会社がうまくいかない理由を社会情勢、さらには社員のせいにしたくなりますが、実は、社長自身がつくった環境がそうさせているんです。水が上から下に流れるように、トップが変われば社員さんも変わります」

 組織づくりで成果を挙げる西村さんですが、かつては「ダメ出し」ばかりしていたとか。「当社の社員は口をそろえて『以前の社長とはとまるで違う』と言うでしょうね」と笑います。

#chapter2

「ダメ出し」から「ほめるマネジメント」へのきっかけは、7人の子育て

 プライベートでは、7人の子どもの父親である西村さん。「ダメ出し」から、「ほめるマネジメント」へ転換する大きなきっかけは、子育てだったそう。

 大手カーディーラーを経て、家業の自動車会社を継いだのは26歳のとき。会社組織と個人経営のギャップを感じ、次々と改革を進めます。ところが、社員はついてこず空回り。借金が増えるだけでした。がんばっているはずなのに結果が出ないことにいら立ち、会社でも家庭でも自分の考えを押し付け、周囲も西村さんの顔色をうかがっている状態だったと振り返ります。

 「長男が少年野球でピッチャーをしていました。私が試合を見に行くと、必ずストライクが入らなくなるんです。イライラが頂点に達して試合中に怒鳴ったら、今度は一球一球投げるたびに、泣きそうな顔で私を見るんです。その様子を見て、本当に反省しました」

 大好きな野球を、びくびくしながらやっている子どもの姿に衝撃を受けた西村さん。心理学や脳科学、コーチング、カウンセリングなど、人の心に関する勉強を重ねます。そしてたどり着いたのが、これまで当たり前と思っていたことに感謝すること、相手に対していいなと感じたところを素直に伝えることでした。
 「みんなが会社に来てくれることも当然ではない。『ありがたい』という気持ちで接するようになると、社員にも家族にも笑顔が増えていきました。怒ってばかりのときは毎日疲れきっていましたが、自分の心が整っていくのがわかりました」

西村博 にしむらひろし

#chapter3

互いに認め合う企業風土を構築すれば、社員だけで会社は回せる

 「相手のいいところを見つけるには、関心を持つことが重要」と気づいた西村さん。全社員のフルネームを漢字で書けるか、というところから始めたそうです。
 「名前に使われている漢字の意味を調べて、『親御さんはこんな思いを込めたのかな』と話すと、みんなうれしそうに聞いてくれました。関心を持てば持つほど相手も好意的になり、信頼関係が築けるんです」

 日々の心掛けから、言いたいことが言えずギスギスしていた社内の雰囲気も変わり、コミュニケーションも活発に。今では、ほめることから1日の業務が始まるそうです。そして、互いに認め合う企業風土が構築されたことで、社員から「お客さまのためにこんなことをしたい」というアイデアがどんどん出てくるようになりました。

 「自ら出した案には、誰しも懸命に取り組みます。一人一人のパフォーマンスが向上し、業績も大幅に伸びました」
 西村さんはこうした自身の経験を伝えるセミナーを、年間70回近く各地で行っています。

 「責任をもって行動する主体性のある社員が増えれば、社長がいなくても稼働するようになります。経営者は、情報を集めたり視野を広げる体験をしたり、経営ビジョンを描くことに専念してほしい。現場に費やしてきたエネルギーを未来のために使えば、もっと成長できます」

 西村さんの最終目標は、日本中にほめる文化を浸透させること。「例えば『ほめちぎる美容院』や『ほめちぎる建設会社』があったらいいなと思いませんか」と、自身のビジョンを実に楽しそうに語ります。

(取材年月:2022年6月)

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西村博

ほめるマネジメントで中小企業を元気にするプロ

西村博プロ

セミナー講師

有限会社西村自動車

13,000人以上が体感した「ほめる」ビジネススキルで、業績低迷や社員との関係に悩む経営者をサポート。自ら動ける社員を育て、「社長がいなくても社員だけで回る会社」のメソッドを提供します。

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