家族葬と終活アドバイスのプロ
岡正伸
Mybestpro Interview
家族葬と終活アドバイスのプロ
岡正伸
#chapter1
ここ数年でニーズが高まっている「家族葬」。「参列していただく人を自分で選ぶ、いわば『招待制のお葬式』とお考えいただければいいと思います。かといって参列したいという人を拒むのではなく、代表の方に来ていただく、時間をずらしていただくといった方法をとれば大丈夫です」と説明してくれたのは、「家族葬専門 セレモニー心」の岡正伸さんです。
以前は県内の大手葬儀社に勤めていたという岡さんは、「小さなお葬式を希望されても大きな会館の中で行わざるを得ず、その分料金も多くかかってしまう」という状況に疑問を感じていました。「ご家族の想いにもっと寄り添って、費用も抑えられる葬儀ができないかと思ったんです」。
そんな思いを形にするため、小規模なお葬式に特化した「家族葬専門 セレモニー心」を立ち上げました。現在は家族葬専門の小さな式場として「家族葬ハウス沖洲」「家族葬ホール鳴門」を運営しています。
さらに、「最期はご自宅で見送ってあげていただきたい」との思いから、自宅葬を勧める「おうちへ帰ろうプロジェクト」にも力を入れています。自宅葬が主流であった頃は、二間続きの和室など広い空間があるのが一般的でしたが、現在ではそのような間取りはほとんどありません。しかし、家族葬ならリビングだけで行えるので、現在の住宅事情でも十分対応することができます。
#chapter2
家族葬の最大のメリットは、お悔やみに訪れた人への接待に追われることなく、身近な人とじっくりと話をしながら故人を偲ぶ時間がとれることです。「話すことで悲しみが癒されていくんです」と岡さん。また、故人やご遺族の要望を実行しやすいということも挙げられます。例えば、亡くなったお祖母さんへの手紙をお孫さんが読み上げ、その手紙を棺に入れたことがあったそうです。このように、家族葬では世間の目を気にすることなく、想い想いのご葬儀を行うことができるといえます。
また、会葬礼状にもこだわっています。事前にご遺族に電話をして故人の生前の人柄やエピソードを伺い、思い出を盛り込んだ文章を作成します。参列していただいた方に故人と遺族の思いを届けるだけでなく、「ご遺族が心を整理するのにも役立っているのではないか」と岡さんは感じています。
「家族葬専門 セレモニー心」と従来スタイルの葬儀を行う「吉野リバーホール」と合わせて、年間450件前後の葬儀を執り行っていますが、中でも家族葬はここ2~3年で激増したといいます。「家族葬がまだ一般的ではなかった頃は世間の目を気にされる方も多かったのではないかと思われますが、現在はお葬式をプライベートなものととらえる方が増え、意識的な面で選択しやすくなってきているのではないでしょうか」と岡さんは言います。
#chapter3
家族葬の増加に伴って、自分の葬儀のことなどを生前に決めておく「終活」も広がっています。「その時」に遺族が困らないよう、葬儀や相続についての考え方、葬儀に呼んでほしい人など書き残しておくのが「エンディングノート」。遺言書のように法的拘束力はありませんが、自分の遺志を家族にはっきりと伝えることができます。また、「考えを整理していくことで、今後の生き方を見つめ直すきっかけにもなる」と岡さんは強調します。
「家族葬専門 セレモニー心」では、エンディングノートの配布や終活相談を無料で行っているほか、「終活セミナー」を実施しています。自身や親の葬儀について考える50~70歳代の方が多く参加されていることからも、終活への関心が高まっていることがうかがえます。
「子どもに金銭的負担をかけたくない」と、ご自身の葬儀や供養をごく簡素にと望まれる方も多いそうですが、岡さんは「親御さんのお気持ちはわかりますが、残されたご家族が弔いの場をなくすことにもなりかねないので、一方的に決めず、ご遺族が納得いく形で見送れるよう、よく相談してほしい」とアドバイスします。
「人が亡くなる時に遺すものは六つあります」と岡さん。「遺体、遺骨、遺族、遺産、遺品、遺言、この“六つの遺”を全てプロデュースしていきたい」と言葉に力を込めます。実は、遺族にとって葬儀よりも大変なのが「その後のこと」。だからこそ、前もって準備しておくことが大切なのです。
大切な人とのお別れを大切にし、自分たちらしい葬儀をしたいと考える人は今後さらに増えていくことでしょう。そんな時、「百人百通りの葬儀と終活をきめ細やかにサポートしたい」という岡さんが非常に心強い存在となることは間違いありません。
(取材年月:2014年5月)
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岡正伸プロ
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家族葬専門 セレモニー心
家族葬専門の葬儀社として、家族葬に特化した小規模な式場を展開し、故人やご家族の想いに寄り添い、かつ費用を抑えた葬儀を行う。またセミナーや個別相談で終活をアドバイス。
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