七福神 ― 日本人のこころを照らす“しあわせの象徴”

七福神 ― 日本人のこころを照らす“しあわせの象徴”
七福神は、福をもたらす七柱の神さまを指し、日本の信仰文化の中でも特に親しまれてきた存在です。もともとは仏教・神道・道教・民間信仰がゆるやかに溶け合い、庶民が願う「豊かさ」「健康」「長寿」「縁結び」「学問」「商売繁盛」など、あらゆる幸せを象徴する霊格として広まっていきました。
七柱の神さまはそれぞれ役割があり、
● 恵比寿（えびす）…商売繁盛・五穀豊穣
● 大黒天（だいこくてん）…豊穣・財運
● 毘沙門天（びしゃもんてん）…武運・厄除け
● 弁才天（弁財天）…芸能・智慧・財運
● 布袋尊…笑福・家庭円満
● 寿老人…長寿・健康
● 福禄寿…幸福・封禄・長寿
と、人生を支える七つの福徳を表します。
中でも注目すべきは、七福神が“笑顔”と“円満”の象徴として描かれる点です。「福」とは金銭だけではなく、家族の安らぎ、健康、努力が実る喜びといった、私たちが日々求める心の豊かさそのものを意味します。
また、七福神巡りが新春の風物詩として定着したのも、七柱をお参りすることで一年の無病息災と開運を願う日本人の祈りの形といえます。
七福神の像をお仏壇や玄関におまつりすることは、単なる装飾ではなく、「しあわせを迎える心構え」を整えることに近いもの。慈しみの表情に触れながら、日々の暮らしに小さな福が訪れるよう祈りを込める――そんな和やかな時間を生み出してくれる存在です。