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三面大黒天 ― 財福と除災を司る三つの尊顔

西村賢

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テーマ:仏像のあるくらし

三面大黒天 ― 財福と除災を司る三つの尊顔
三面大黒天は、福徳を授ける「大黒天」、戦勝と守護の神「毘沙門天」、そして知恵と慈悲の「弁才天」の三尊が一体となった、きわめて霊験あらたかな尊像です。三つの顔を持ち、それぞれが「財」「武」「智」を象徴しています。
中央の大黒天はにこやかな笑みをたたえ、打出の小槌と米俵を携えて人々に富をもたらします。右面の毘沙門天は甲冑に身を固め、邪を退けて信仰者を守護し、左面の弁才天は柔和な表情で、学問や芸術、愛敬の徳を授けます。この三尊が一体となることで、財福・除災・知恵の三徳を兼ね備えた「円満なる福神」として信仰されてきました。

古来より伝わる信仰と功徳
三面大黒天の信仰は、平安期に天台宗を通じて伝えられ、比叡山延暦寺や日光山輪王寺などで大切に祀られてきました。特に戦国武将・上杉謙信が守護神として深く信仰したことでも知られます。出陣の際に「三面大黒天」を奉じて勝利を祈願したと伝えられ、後世には「勝運の神」としても尊崇を集めました。
また、商家では「福徳円満の神」として店の守護神に祀られ、寺院や家庭では「厄除開運」「商売繁盛」「家内安全」を願ってお祀りされてきました。特に「三面の調和」がもたらす円満の力は、現代においても多くの人々に安寧を与えています。

現代の暮らしに息づく三面のちから
現代社会は、物心両面の豊かさが求められる時代です。三面大黒天は、金運・知恵・守護という三つの福徳を一身に宿す尊像として、ご家庭や職場、店舗に安置することで「円満なる調和と福徳」を授けるといわれています。
そのお姿を前に手を合わせるとき、人は自らの中の「勤勉」「智慧」「感謝」の三つの心に気づきます。まさに三面大黒天は、私たちの生き方を整える“こころの鏡”ともいえる存在です。




当店でお取り扱いの三面大黒天像は、柘植材を用いた清らかな木肌と精緻な彫刻が特徴です。大黒・毘沙門・弁才の三尊が一体となった姿は、見る角度によって表情が変わり、荘厳さと親しみが同居しています。
日々の安寧を祈る御仏として、また福を招く守護神として、ぜひご家庭にお迎えください。




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陽光堂 (株)西村商店

企画・デザインから生産、販売まで一貫管理。伝統技術と革新を融合し、仏壇・仏具の多様なニーズに応えます。

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